旧作ヤマト考察協会

第一作から完結編まで、旧作宇宙戦艦ヤマトを出来る範囲で現実的に考察するブログです。

ストーリー考察Ⅰ 地球連邦政府の隠蔽と不可解人事

 

 

 

 天の川銀河局部銀河群に属する直径10万光年、厚さ1000光年を誇る棒渦巻銀河である。地球の属する太陽系はオリオン腕の辺境域に位置し、よって地球から見える夜空はこの天の川銀河の美しい側面図である。

 我らが母星・地球。太陽系は持ちろん、地球は天の川銀河全体のハビタブルゾーンに属しているという事も考えられ、地球の位置取りは天の川銀河の奇跡ともいえるかもしれない。

 

 

 

 太陽観光船の遭難事故

 ヤマトⅢの第一話において太陽観光船の遭難事故が起きた。

 悲しいかな、この事故自体は仕方がない。海の上でも陸の上でもこの手合いの衝突事故はままある。コリジョンコース現象。誰でも被害者になり得るし、誰でも加害者になり得る。だから、かもしれない運転が大切なのである。

 それに、惑星破壊プロトンミサイルが流れ弾になって太陽めがけて飛んでくるなんて普通は思わない

 一連の事が組み合わさった結果、回避に失敗してしまった。これは避けられない事故だったと言わざるを得ない。事故そのものはあまりに不運、責められるべき第一の人間はダゴンその人だ。

 

 ただ、忘れてはいけない当事者の存在がある地球防衛軍

 太陽というエネルギー供給源に対して全く無防備というのは情けない。太陽から得られるエネルギーは太陽系の維持には欠かせない、文字通り生命線であることはガトランティス戦役で経験済みのはずにもかかわらず、太陽系圏内であるのに、防衛上の巨大空白があるとは何事か

 惑星を基準とした防衛ラインの構築であった為、警戒網に穴が出来るのはあらかじめ分かっていた事であるはず。アステロイドベルトであれば太陽系をほぼ小惑星帯である為、ほぼ確実に防げたはずだが――なぜに打ち漏らしたのか。もしアステロイドベルト基地で不十分ならば、要塞なりをおいて戦力の空白を埋めるように努めなければならないだろう。にもかかわらず、防衛軍は何もせず、その重要性を上申している節もない。自宅でボヤが出ているのに、全く関知していない。連邦政府もアルファケンタウリへの未練が捨てきれずにいる

 こいつら、救いようがないぞ……。

 

 それよりなにより隠蔽はまずいでしょう、隠蔽は事故の背景は全く隠され、連邦政府にも知らされず、防衛司令部内にその情報は止めおかれたのである

 シビリアンコントロールというか、軍に対する政治のコントロールが全く効いていない。これ、結構致命的である。

 

 軍と政府の関係性のまずさもあるが、根本として惑星破壊ミサイルの飛来をひた隠しにした防衛司令部――これは最悪の対応だ

 無論、前段階として、連邦政府と連邦大学の間のやり取りやサイモン教授と黒田博士のやり取りなど、地球を守ることが使命である地球防衛軍的に政府が信用できなくなったもの無理はない。こういう時、普通の軍なら反乱を起こす。タイ軍やかつてのトルコ軍やエジプト軍はこんな感じでよくクーデターを起こす。実際的に国民を守っているのは政治家ではなく軍人だしね。

 それをしなかっただけでも藤堂長官、結構冷静というか穏便な対応。うっかり内々に処理する点や、黙ってもおかみに従うなど、ある意味、日本的ともいえる。

 なのであるが――それはそれとして、ミサイル飛来をひた隠しにしたのはマズイ。太陽観光船の遭難事故にも関係しているのではないかと独自予想を立てているというのに、それをどこにも知らせていない模様。実際問題的にアステロイドベルト域まで惑星破壊ミサイルが到達しているのだから……政治が考えなしに首突っ込んでいい事案ではないが、防衛司令部の一部だけで情報を独占するのはいかがなものか

 ヤマト2の時も重大情報を連邦政府や防衛司令部はしれっと、ストという事で適当にごまかした過去があるが、あれと同じ。体質が変わっていない……。まあ、現実の世界でも漢級の領海侵犯や〈広開土王〉によるレーダー照射事件での日本側の動きなど、無い話ではないようではあるが……。

 

 つかさ、惑星破壊ミサイルの射程どんだけなげぇんだよ。

 

 

 

 土門・揚羽の不可解人事

 話題は打って変わってヤマトクルーの人事。揚羽はまあ、アイツは戦闘機乗りとしての才能があったから別にいいのだが、土門は別だ。バリバリに戦闘訓練を積み、しかも最新鋭の訓練を施され、成績も十分な精鋭を何故に炊事係か。炊事係がどうでもいいとかいう話ではない、高度な訓練を受けて優秀な成績を収めた訓練生を、なぜにわざわざ専門外の炊事係にするのかという合理性の話。それも、動機は古代の個人的なモノというのがどうも話の展開からして推測される。

  確かに、人事評価は艦長が口を出して当然だろう。まして土門を立派な宇宙戦士に育ててやろうという兄貴的な――育てようというその意思は素晴らしい。素晴らしいさ。でもね、卒業時の評価を前提として人事の采配を振るうのが当たり前の場面で、全く個人的な感情で配属先を決めるのはまずいって。そう言う事はやってはいけませんって、判るだろうに。

 もはやガミラス戦役、ガトランティス戦役、ウラリア戦役と歴戦の勇士様には常識は通じないのだろうか……

 

 

 異星国家間の大決戦から始まり、重大事故の発生。目くるめくオープニングから始まる設定をガラガラポンした挙句に、妙にリアリティのある隠蔽と、ご都合主義人事。

 ヤマトっぽさが悪い意味で絶妙に感じられるストーリー……という表現しかないだろう。もうちょい、何とかならんかったのか

 そりゃ、お前が修正しろなんて言われたら――降参する他ない。だって、この辺りは根本からしてストーリーの大工事をしなけれなならないから。しかも、変更したらストーリーの根幹を脅かしかねない、結構難しいところであることも間違いないから。

 正直、やって出来ない事はないと思うけど。

 

 

ストーリー考察S 銀河系大戦――物語の始まる前の話――

 

 

 考えてみればヤマトⅢは端っからおかしな話が満載だって、天の川銀河に何十年も前から大国が栄え、そして相争っていたのに全く地球は知らなかったのだ……。今まで様々な外敵と戦い、一時は拡大傾向にさえあった地球が全く外交関係を周辺国と結ぶことすらせず。

 もっと言えば、そんな巨大国家が天の川銀河に成立していたのに、情報が漏れ伝わっていて当然なのになぜ、ガミラスやガトランティスらは不用意とも思える侵攻作戦を展開したのか。

 全く整合性が取れない

  

 

 それはそうと――

 天の川銀河局部銀河群に属する直径10万光年、厚さ1000光年を誇る棒渦巻銀河である。地球の属する太陽系はオリオン腕の辺境域に位置し、よって地球から見える夜空はこの天の川銀河の美しい側面図である。

 我らが母星・地球。太陽系は持ちろん、地球は天の川銀河全体のハビタブルゾーンに属しているという事も考えられ、地球の位置取りは天の川銀河の奇跡ともいえるかもしれない。

 

 

 

 銀河系大戦――物語の前史――

 天の川銀河の面積でいえば1/3を支配するボラー連邦最高指導者にベムラーゼ首相を据えた専制独裁国家である。圧倒的物量作戦、無慈悲にも思える火力の前方投射をもって敵を蹴散らし、周辺諸国をことごとく属国として飲み込んでいった。

 ボラー連邦の領域は本国域に加え、本国との非接続域であるオリオン腕隣接地域までがその影響下にある。

 

 一方で天の川銀河中心部を起点に銀河のおおむね1/3程度を支配下におさめる新興国家、それがガルマン・ガミラス帝国である。民主主義に基づいたタイプの独裁制であり、君主制の側面さえある特殊な政治体をを擁し、根幹たる支配民族ガルマン民族の母星を中心に周辺域をことごとくボラー連邦の支配下から解放し、その勢力を日の出の勢いで拡大する帝国。新兵器や特殊兵器を多数用い、技術力で敵と戦う極めて強力な国家だ。

 支配領域は天の川銀河の中心部を完全に掌握し、さらにマゼラン雲方面の銀河辺縁部にまで拡大中、ボラー連邦との決戦を制すべく果敢に戦闘を進めていた。

 

 

 

 って――これほど天の川銀河が乱れて、地球は全く知らなかったってどういう事か

 今まで散々襲われたのだから、危機管理上あるいは地球人類の生存戦略上どう考えても銀河系大戦を察知して当然。全く関与できなかったとしても、陣営に与することをしなかったとしても、察知ぐらいはしておくべきだった。

 それにもかかわらず、全く知らなかったなんて、あまりにお粗末地球人を守る気があるのか疑問、お話にならないレベルである

 まあ、地球連邦がアルファケンタウリの植民地がに失敗していることを鑑みれば……多少は整合性が取れるか。全然好意的な評価ではないが。

 

 

 

 一方で、ボラー連邦側の描写も気になる

 どこかのパートでも述べたが、暗黒星団帝国の侵攻ルートはおとめ座から地球を結ぶため、天の川銀河のボラー連邦領域ないしガルマン・ガミラス領域を掠めている。どちらかの領域は確実に掠めているつまり、ボラー連邦は暗黒星団帝国の侵攻に関して、全くスルーしてしまったという事になるのだ

 仮に侵攻ルートが自国の領域をかすめたのであれば、黒色艦隊及びヤマトの往来を事実上の黙認してしまった。或いは、実は暗黒星団帝国と外交関係があった。

 仮に攻撃を仕掛けて返り討ちにあったのなら、余ほど脆弱な戦力しかボラー連邦は持ち合わせていないという事。或いは感知できなかったか。

 

 前者であれば、ラム艦長のガルマン帝国に対する認識と整合性が取れなくなる。暗黒星団帝国は少なくともガミラス接触があり、暗黒星団帝国とボラー連邦が接触があったとすれば、多少なりとも情報が流れても不思議はない。だが、そう言った描写は一切ない。後者であれば、天の川銀河覇権国家としてのボラー連邦という姿は誇張されたもの、実際はガルマン・ガミラスと同様に割に最近軍拡を始めた疑似的新興国家という事になるだろう。あの警戒衛星も新設されたものという事になる。

 前者でないとすれば後者の説を取るよりほかなく、後者の説であれば整合性はストーリー展開の整合性は緩やかに取れる。そう、どう転んでも整合性自体は緩やかに取れてはいるものの、どうにもリアリティに欠けてしまう

 天の川銀河の覇権をめぐる二大帝国が、ヤマトⅢのストーリー開始を見計らったように急速な拡大を遂げるだなんて……都合がよすぎる。

 

 加えて、ボラー連邦(バース星)と地球の関係性の希薄さ、この上ないご都合主義

 地球の勢力はアルファケンタウリまで進出しており、もう少し足を延ばせばバース星領域に到達する。実際、撤退のため緊急ワープしたラジェンドラ号以下のバース星守備艦隊はことごとく太陽系圏内にワープアウトした。

 こんな状況で、今までただの一隻も迷い込んだ船はなかったのかね?

 一連の描写は、設定として非常に合理性に欠ける

 

 

 

 実は、銀河系大戦には時間軸の問題も生じている

 後に判明することだが、天の川銀河に戦乱が訪れて25年もうこの時点でおかしい。劇中、23世紀初頭というアナウンス以外に特に時間軸の話はなかったのだが、古代と雪の関係性がさほど進展していない事やクルーが家庭を持っていない事を考えれば、2203年からさほど時間は経過していないだろう。

 ガルマン・ガミラス、その前身であるガミラスは2203年前後にならなければ、ストーリー上は天の川銀河に移動しない。それ以前では天の川銀河に拠点を置く必要はない、或いは不可能な状況に置かれている

 つまり……これではヤマトⅢの時間軸として噛み合わない。これは擦り合わせ不可能。巡礼者の長老が年齢のせいか、心理的な側面からか事実を間違って認識してヤマトクルーに語ったか、ヤマトクルーにも分かりやすいようにかいつまんだ結果事実と異なる話になってしまったのか。

 長老の昔話を切り捨てなければ整合性が取れないのである。

 

 

 

 もっと言えば、21世紀の初め以来着々と侵略を続け、ようやく2199年に太陽系に到達したガミラス帝国が、ガルマン帝国になった途端、急に侵略のスピードを上げて数ねんで天の川銀河を割拠する巨大帝国建設を成功したというのもなんともご都合主義のにおいがする

 結構、ガミラスの侵攻スピードは遅いのである。彼らは拠点や前線基地を置き、順繰りに勢力を拡大していく。ガトランティスとの違いは情報戦を軽視している点だが、それ以外は無理な拡大というものはしていないのだ。ドメル艦隊の集結で見た通り、戦力の集結も実は迅速で、その範囲内でしか戦闘を行っていないと説明が可能。

 そんな彼らが、ヤマトⅢに入って急に戦力補給も通信も中途半端になるような無茶な戦争を行うのはシリーズ内の整合性が取れない

 

 確かに反ボラーの勢力を丸々吸収出来れば、そっくり領域を拡大できるし、ガトランティスの超技術を吸収したとあれば多少は拡大スピードを速められるだろうが——或いは、モンゴル帝国のように都市限定では意外と領土が小さい癖にステップの面積を加えるから詐欺的に巨大になった、あれと同じか。

 しかし、前者であればガルマン帝国の戦闘艦艇が画一で描写されている点と齟齬が出る。勢力をそっくり吸収したならば、ボラー製の戦闘艦や独自設計の戦闘艦が多数登場しても不思議はない。というより、その方が自然。

 後者であればある程度は説明も可能だが、ボラーの勢力拡大スピード(バース星併呑は10年前)と大幅な齟齬があり、ガルマン・ガミラスのあんまり強くない戦力描写と幾らかの齟齬が出る

 

 端的にいえば、ガルマン・ガミラス建国があまりに時間軸的なボリュームが無さすぎる。おかげでリアリティもなくなってしまった

 加えて、地球とボラー連邦との関係性についてもいえることだが、地球の居する天の川銀河にガルマン・ガミラスを建国するのであれば――普通はどこかのタイミングで地球に連絡を取ってしかるべきだろう。これがなかったというのが解せない。

 古代と総統、地球とガミラスの関係性から言って連絡しない方が不自然

 

 

 

 と、ヤマトⅢは確かに壮大な設定やストーリーを擁しているものの……以前のストーリーとの整合性が取れていない。ヤマトⅢの中でも整合性が不完全

 好意的に見れば、時間軸以外は何とか整合性は取れるし、放送時間に限りがあるのだから不完全になるのは仕方がない。

 とはいえ、時間軸の整合性のとれなさや、キャラクターを踏まえた登場国家の行動などの矛盾は度し難い正直、ヤマトはストーリーが本格始動する前からズッコケていたと言わざるを得ないだろう

 

 

 

 

 

地球連邦装備品 星間移民船とその計画(ヤマトⅢ)

 

 

 星間移民船はヤマト史上2度計画されて内、1度は途中まで使用。続旧作で1度実際、本格的な運用をなされた。しかし性能緒元がイマイチ示されず、その内容は不明である。今回はこの移民船をざっくり考察したいと思う。

 

 が、その前に地球の総人口の想定をしておかなければならない

 どうせ正確な事なんてわからないのでざっくりと、ね。

 

 

 総人口の推定

 以前、地球防衛軍の人員と質について考察したが、その際に地球の人口はスタートが何億人かによって、その後の変遷に影響が出るとした。

 つまり、多めに人口を見積もって80億人か、地球環境にある程度余裕を持たせて60億人。ガミラス戦役で遊星爆弾を――奇襲でなかったとしても直撃を受ければ10億人は第一波で消滅する。第二波ではさらに10億人、地下都市への非難が遅れれば遅れるだけ被害が大きくなる。

 第三波、仮に人口60億人から戦役がスタートした場合はこれが分かれ目であり、以降も襲撃を受けた場合は人口が20億人を下回る。

 

 さらに翌年、ガトランティス戦役。これはさらばにおいても、白色彗星の接近によって惑星表面があれだけ荒れたのだ――まず、スペースコロニーは大損害間違いなし。地球表面も海抜の低い地域や沿岸地域は水没してしまっただろう。しかも、白色彗星の反対側の地球表面は水面が下がっている可能性がある。つまり、ヤマトがガス帯を払った時点で反対側も大津波の被害を受ける。数億人単位で人命が失われたとしても不思議はない。

 ヤマト2の場合はさらに直接的で、超巨大戦艦が直接砲撃を行い地表を穴あきチーズにしてくれた。都市部はあまり被害に遭っていない可能性があるが、沿岸部に直撃すればそれだけで津波被害はあるだろう。内陸部であっても、直撃地点の周囲数キロから数百キロ圏内は地震が起きているに違いない。この場合も数億人単位で死者が出る。

 暗黒星団帝国の襲撃は、割合に局所的であり地球の人口比に影響をもたらすとは思えないが、それでも損害は損害。この幾らか後、ダゴンがぶっ放した惑星破壊ミサイルが太陽に直撃する。

 

 この時点の人口は一体どれだけだろうか。

 恐らく20億人前後ではないだろうか。ガミラスやガトランティスによる直接の被害だけではなく、地下都市への移動によって生じた事故であるとか、いざこざの最中の殺人など。地下都市の生活でも、特に長期化していたガミラス戦時では、各種の病気は発生していたはず。これも人口の維持には悪影響というほかない。

 つまるところ、やはり20億人をこえる数が残っているとは思えないこれを前提として、以下の考察・推察を行いたいと思う

 

 

 

 星間移民船(ヤマトⅢ)

 推定データ 
 全長:300メートル強

 全幅:70メートル程度
 乗員:100名程度
 収容人数:数万人 
 航続距離:1万5000光年

 武装:なし

 

  第2話でイメージ図として登場――ここから推測すると、船首は極めて扁平だが底部から上部にかけて通常の船のような断面傾斜がある。上面図としては非常に縦長で、上部に大型の半円状の突起がある。船尾は極めて扁平なひし形の断面と四角い上面図を有し、船尾終端に船橋がある。操舵室ないし司令室はこれもまた扁平な長方形。船首と船尾は細い連結部で結ばれ――全体が青に近い灰色、船首の先端が赤いカラーリング。

 第19話での登場で下地は黄色と判明。

 

 全長の推定・収容人数の推定

 全長は不明だが、ドックからして300メートル程度と思われる。また、300メートルを超える大型艦の建造を地球防衛軍は行ったことがない為、この辺りの数値が全長として妥当だろう。人類の切り札が人類初の超大型艦で航行テストもなしというのはヤバい。浮上できずに折れたら洒落にならん

 この船の幅は全長の約1/4程度であるから、70メートル程度と推定が可能。仮に全長をヤマトの再設定値と揃えた場合、620メートル程度となるだろう。

 明らかに推測するまでもなく収容力が小さい……。

 

 どこに何を収容するのかは全く不明であるが、船首に乗員を載せるという事になるだろう。つまり一方の船尾はエンジンと――その他物資を積みこむという事になるだろう。高さは幅の半分から半分強程度と、見られる。つまり容量はざっくり――

 70メートル×30メートル×120メートル

 8階ないし9階立てビルと同じ高さ、面積でいえばざっくり渋谷駅ぐらいか。或いは東京ドーム程度。まさか市民をすし詰めにはできないため、普通に東京ドームレベルの収容は第一層としてこれを2層、11万人程度は収容可能だろう。

 

 もう一度言うが、これは人数が少なすぎだろう

 確かに、トバ・カタストロフ理論が正しかったとして、7万年程度の極めて長い時間をかければ、ほんの数組の夫婦が生存していれば人類は70億以上にまで増えるのだ。

 だが、それは人類種の単なる生存の話。

 人類による組織的な星間移民は話が違う。人類種が生き残ればいいという話ではないのだ。仮に20億人だったとしても、約1万8182隻で一度の輸送か1000隻で18回。ヤマトに合わせても44万人がせいぜい。4546隻で一度の輸送か1000隻で4.5回の輸送。これは非常に手間だやって出来ない事ではないのだが、時間が怪しい

 

 輸送回数を低減するには、巨大すぎて元から不格好なのが際立ってしまうが――ヤマトに合わせた再設定値の倍の全長に再構成する必要があるだろう。この想定では移民船は全長1.24キロで収容人数も約176万人に及び、桁の違う輸送力を有する。

 これならば、1136隻を建造するか、200隻を建造して6回輸送すればいい。まあまあ地球の負担は減るだろう。

 

 

 航続距離の謎

 どうやらこの船は波動エンジンを主缶としては積んでいないらしい。或いは使用回数に限度があるらしい

 そうでなければ、航続距離に限界があるというのは、設定として矛盾が生じてしまう。まあ、ストーリー展開的には波動エンジンだろうが何だろうが航続距離に限界があった方が都合がいいのではあろうが……。

 

 1万5000光年という航続距離を考えれば、ワープが出来て当然であるため――このワープの為だけに波動エンジン積んでいるという事か。或いは、使用する燃料を星間物質ではなく通常の核燃料あたりを利用しているか。

 これらにどんなメリットがあるかといえば、正直メリットはないと思われる。仮に星間物質を取り込むためのインテークが必要で、それを削減して容量を確保したとあれば……端っから船体を大きくしておくべきだった。

 メリットのために波動エンジンの常時稼働を制限した、あるいはワープを制限したとするのはあまり妥当・合理的ではないだろう。小説版のようにワープには猛烈な身体的負担がかかるというのであれば別だろうが、アニメ版ではシートベルトナシは危険という程度。メリットのためでないとすれば……

 

 合理的な説明をするならば、波動エンジンの量産を行うためにダウングレードしたため使用に限界がある。だから通常航行に使用するには大きなリスクがある――そう頻繁に稼働していないため、インテークを設けるほどでもなく核燃料あたりを利用した。という事になるか。

 かなり後ろ向きな説明になってしまっているが……。

 

 

 この星間移民船はあまり具合のいいものではない

 無論、出来損ないではないし、数を集めれば十分利用可能。シンプルを極めた構造であり、明らかに建造は容易であるから、この点も利用価値は十分。

 ただもう少し船体を大型化する必要が有るだろう。このままでは船長の確保が苦しく、自身の船を見捨てさせる形で民間から徴募する必要に迫られ、不必要な不安定要素を内包してしまう。

 結局、この船は建造はされたものの――幸いというべきか、実際に出動することはなかった。

 

 

 

 星間移民計画の様相

 恐らく、はじめは1万5000光年の距離のみを前提にした運用だっただろう。理由は先に述べたように、個々のエンジン性能と量産体制の限界。

 割に狭い範囲内での移動であれば、ピストン輸送というのもある程度は可能なはず。仮に危険があったとしても、第二期の残存艦艇や新規建造艦を投入して濃密な輸送路を確保可能だろう。しかし、遠方になればなるほど往復に時間がかかってしまいそれだけ船の数が必要になる。道中の危険という不安定要素との遭遇もしやすくなる。

 出来るだけ地球に近くかつ、太陽の影響圏外。これが集団移民のベストなのは合理的といえるはず。アルファ星第4惑星やバーナード星第1惑星が不適当だったのは非常に痛かった……。

 

 移民計画の本格始動は第12話、人類滅亡まであと228日の段階。各探査艦隊が出動し、結果報告が入り始めたのが第14話人類滅亡まであと207日の時点である。更に第20話にても探査艦隊が調査続行している様子が映るが、この時点で人類滅亡まであと118日と迫る。そして最終回である第25話、地下都市の冷却装置を全力稼働させて10日、1/3まで落として1カ月がタイムリミットとされていた。

 これらのタイムスケジュールから考えて、最初の計画では100日程度を移民期間として見込んでいたとして妥当だろう。一方で組織立てて太陽の影響圏から脱出するのに最短で10日弱。

 だから順調に移民を成功させ、最後のグループを仮に1千隻=4億人(100隻なら4000万人)――別に数字は何でも構わないのだが、これを脱出させるのに必要な期間が10日弱という事になろうか。スケジュールとしては3日以内に移住先から地球に帰還し、2日以内に人類の乗り組みを完了させ、1日以内に太陽の影響圏を離脱して3日程度で移住先へ到着。

 これが期限、移民のラストチャンスであろう。劇中の描写と整合性は十分にとれる

 

 これらの想定が妥当であれば、移民船は最大で1日5000光年程度の速力という事になるだろう。移民計画の当初の予定からして――仮に10回に分けて移民を行うならば、乗り組みに20日、往路に30日、復路に30日で合計80日のある程度の猶予が10日とこれもまた整合性が取れる

 よって、描写から推測した収容力11万人想定だと2000隻、44万人想定だと500隻、最大の176万人想定ならば120隻もあれば十分という事になる。惑星発見まで時間がかかればそれだけ移民船の数を増やす必要に迫られ、早期発見が出来れば数は少なくても構わない

 どのみち、差し当たって火星か土星海王星当たりの惑星基地に退避する必要はあるだろうが。

 

 一方で、後期では明らかに計画の前提が変更される

 シャルバート星への通路(門)は惑星ファンタムやスカラゲック海峡星団からそうは離れていないはず。亜空間という不確定要素を含んだ上での話だが――あのヤマトでさえ、シャルバート星から太陽系まで46日かかる。そもそも、天の川銀河は直径10万光年であり、ガルマン・ガミラスとボラー連邦の境界ラインに位置していた惑星ファンタムは、明らかに地球から5万光年を超える距離にある

 これは移民船の航続距離をはるかに超える為、仮に踏破できたとしても帰還できる見込みは薄い為、船は使い捨てにせざるを得ないしかも、地球滅亡まであと118日と迫った上にいまだに惑星探査を全艦隊が続けていた

 いやいや、水曜どうでしょう班並みにスケジュールが破綻してる――事前の計画のままでは……

 

 の極めてタイトなスケジュールをこなすには、ほぼ確実にガルマン・ガミラスの協力が不可欠だろう

 連邦政府の動きを想定するならば、太陽異常増進の根本的原因を作ったダゴン将軍=ガルマン・ガミラスに責任を取らせ、一時的にせよ地球人を難民としてキャパシティのある惑星に避難させる。或いは、地球の移民船だけでは賄えない部分をガルマン・ガミラスの大型艦艇に収容させて猛烈なピストン輸送を行う。この計画を総統に承認してもらった――と言うような事前の取り決めなりをしなければ、移民は不可能だ。

 協力的な総統は当然として、多分波動砲の威力を知ればキーリングあたりも地球に与するのを承認するだろう。

 そうなれば、護衛はガルマン・ガミラス艦隊に任せて地球の全艦艇を輸送船として使用可能だし、ガルマン・ガミラスの影響圏周辺域ならばどれでも好きな惑星を選べた。実際、惑星ファンタムを推薦したのは総統だし。

 意外と、"ガルマン・ガミラスにおんぶにだっこ作戦”は未来が明るい

 

 つまるところ後半はヤマト・古代と総統の関係性と、一種の腐れ縁である地球とガミラスという関係性に大きく依存した計画に変遷したと説明できるだろう

 

 地球側としても当然、対症療法でしかないとしても――差し当たっては人類を地球から火星へと、火星基地のキャパシティの限界まで地球人を輸送しただろうし、点在するであろうスペースコロニーにも一時避難をさせただろう。これで出来るだけ地球から直接輸送しなければならない人数を減らしかつ、人類滅亡まで数日から数カ月の猶予を持たせることが可能。最低限この程度はやっておくべきだろう

 その間にヤマトが吉報をもたらしてくれれば幸いだし、本当に総統が地球人を難民認定してくれれば安全にガルマン・ガミラスの領内に一時滞在可能になる

 この難民キャンプを軸に数カ月から数年は人類は根無し草とはいえ十分生存できるようになるし、探査を続行して何ならアンドロメダ銀河さんかく座星雲大小マゼラン雲に足を延ばしたってかまわない。

 一応、人類の命脈をつなぐことだけは可能

 

 

  猛烈に危険な綱渡りになった移民計画。最初こそ、順当なタイムスケジュールではあったものの、移住先が見つからないという事態によってどんどんタイムスケジュールに遅れが発生し、地球単独では致命的な状態に至ってしまった。善後策を打ちようがなかった感もあるが、藤堂長官の若干の指導力の不足を感じる。実際、会議でも吊し上げをくらい、ヤマトに希望を託すほかなかった。

 

 幸いにもお人好しな総統の好意で、ガルマン・ガミラスの支援という一種の移住へのめどがついたものの、それでも人類延命策でしかなかった。ここまでくると、少々脆弱な能力の移民船についてはもはや語るべくもない。

 ルダ王女=マザーシャルバートの懐柔に成功し、ハイドロコスモジェン砲入手という僥倖が地球にもたらされた。これによって何とか首の皮一枚繋がったと言える。正直、移民計画は失敗だったと言わざるを得ない。

 

 

 

ボラー連邦兵器群 艦載機/警戒衛星/氷上戦車(緒元不明なため、全部ざっくり解説)

 

 

 ボラー連邦でも戦闘機であるとか戦車であるとかを運用していた。

 戦闘機は恐らく特殊兵装の一部であろうと、その塗装が旗艦級戦艦と同様の赤色で塗装されていることからうかがえる。一方で青い車体の氷上戦車や上陸舟艇は通常兵器の類なのだろうと推測できる。 

 

 

 ボラー連邦中型戦闘機タイプA/タイプB

 タイプAは第24話及び25話に登場した機体。半円形の機首が機体本体とまさに首でつながり、機体本体には一見するとデルタ翼のような広がりがある。この翼の上面および底面の割に後ろの方に突起があって後方へ伸びる。エンジンノズルのような感じのこれは、機首を上にすると4つ足的になるので、便利なフライパン蓋のように立てて置けそう。

 上面図は概ね3角形に近いが、アングルによってはサンショウウオの前足から頭にかけてをぶった切ったみたいな形。なぜか機体上部中央に飛び出た角のような――ガルマン・ガミラス爆撃機と同様の何かが生えている。

 全体的に赤いが、開口部と機首のみ黒い。

 武装は機首底部の長砲身砲1艇、背負い式のミサイルランチャー2基が武装で、特に長砲身砲はガルマン・ガミラスの大型戦闘艦すら破壊した。大きさは恐らく、コスモタイガーと同様と思われるが、不明。

 戦闘空母がシャルバートの大気圏内から発進させたのであれば普通の機体。熱圏あたりで発進させたのなら割に頑丈な機体、大気圏ギリギリで発進させたのなら降下速度を制御できる機体である可能性が高く、かなり性能がいい機体という事になる。残念ながらその判断が出来るほど明確な描写はない。

 

 タイプBは第12話に登場した機体。上面図はタイプAよりも3角形で、こちらは突起が少なく平たい。機体底面中央部にエンジンノズルがある特殊な機体で、何だかわからない機能。

 機首に3門のミサイル発射管。上面に結構古い型のアイロンみたいな物体が乗っかっており、これが大型ビーム砲らしいが、描写なし。

 全体的に赤い機体だが、機首が黒くグレーの差し色がところどころ入る。

 

 

 ボラー連邦小型戦闘機

 第24話にタイプAと混じる形で登場した機体で、一番戦闘機っぽい見た目。絞られた3角形の機体に、後方に更にデルタの翼が拡大で付属。印象としてはタイプAに近いが、底部の突起はない。小さい機体にタイプAなみの武装を機首に載せているため、銃口が機体からはみ出している。他にはどんな武装があるかは不明。

 大きさを推測することは不可能だが、あんまり人間と比較して大きくはない。また、一見すると違いが判らないというのが正直な所でホントにこんな機体、ボラー連邦に存在するのかというのが個人的な印象。

 

 

 上陸舟艇

 ボラーの艦体色たる青色で塗られた円盤型の舟艇。“厚み”は約4メートルから5メートル。恐らく直径は10メートル前後とであろう。2メートル四方の開口部を底面に持ち、ここから降下兵を投下することも可能。上面は船首がカニのハサミのように二股に分かれる。極小さい突起が4つ、おかげで見た目が4つ星のテントウムシか、カメムシみたいになっている。

 第22話の回想シーンでルダ王女を惑星ファンタムへ流刑にした際にも使用された。

 戦闘空母の標準搭載艇と思われる。確証はいつもの事ながら、全くない。

 

 

 警戒衛星

 データ――不明

 第19話に登場し、ヤマトを補足したデータ不明の人工物。古い型の四角いルーターを二つ並べ、その間に水筒を置いたような特殊なデザインで、全体が赤い。水筒の底とルーターの前面にくぼみがあり、そこが光る。また数か所、楊枝の様な銀色の何がしかをまるで飛ばしそうな構え方をしているが、多分アンテナ。

 2機一組なのかは不明だが、2機が並んで登場した。第19話の描写からして、どうもガルマン・ガミラスの領域にもちゃっかり侵入して展開している模様。

 

 

 氷上ミサイル戦車

 第13話、バース星の閲兵式で登場した戦車。2発のミサイルをMk 26 GMLSみたいな感じで背負っている青い車体で、ミサイルだけ赤い。車体前方が極めて大きく盛り上がり、一方で後方は平たく印象としてはゴルフカート。車体と同じだけの長さのミサイルを背負った結構危険な戦車。車輪なのかキャタピラなのかは、丁度底部が隠れているため描写からは不明。

 確実に登場車両はバース人によって運用されていると断言できる。ベムラーゼ首相を迎えての閲兵式の際、バース人歩兵が多数行進していたし総督府の通常の警備兵も肌の色が緑色であった為、これは非常に推測として妥当だろう。

 

 

 テレビシリーズゆえ、このような小型兵器が多数登場――というわけでもなく、ヤマトではままある事。描写が短い為、捉えどころのない感があるが、ボラー連邦の設定としての重層さを演出するには十分だったと言えるだろう。

 

 

銀河系大戦(ヤマトⅢ)参加部隊 地球――領土防衛――

 

 銀河系大戦に登場した地球防衛軍の部隊は新惑星探査計画の配属艦だけではない。他にもいくつかの部隊がそれぞれの職務において画面に登場した。

 

 

 地球防衛軍教練群
 陣容:不明(指揮監督艦、補給基地、観測基地、標的小惑星多数)
 活動域:アステロイドベルト
 指揮官:不明
 所属:地球防衛軍

 これは単なる仮称で実際は不明。登場は第4話。

 地球防衛軍も当然訓練せねばならない。第二期地球艦隊及びより自動化を行った第三期地球艦隊は木っ端みじんに敵にやられてしまった。この事実から得られることは、生身の通常戦力運用に失敗したという事。

 やむを得ない事情はいくつもあったし、すべて失敗したわけでは無いが学習した内容が絶望的に残念。この反省から艦隊の基礎的な能力向上は急務である――としても当然というか当たり前。この基礎能力の向上を担う部隊が教練群である。と推測

 

 活動領域・陣容

 この部隊の中心活動域はアステロイドベルトである。アステロイドベルトは火星より遠方、太陽系をほぼ一周する小惑星帯。ここは極めて多数の標的を供給して余りあるほどの好射撃訓練ポイントといえるだろう。そこで地球防衛軍はこのうち幾つかの小惑星を改造し、ここに的や接舷用アーム、観測基地および補給基地を多数建設した。イカルス天文台の成功体験の拡大強化ともいえるかもしれない。また、新たなる旅立ちで見たように、管理されていない流星帯を訓練域にしてしまうと不慮の事故も考えられるため、管理区域内で訓練させるのは順当な流れ。

 一方で、冥王星などの外縁部基地の防衛ラインを突破した物体に対する最終に近い防衛ラインでもある。実際、ヤマトⅢにおいては惑星破壊ミサイルを一発うっかり逃してしまったが、大抵はこの防衛ラインで抑え込むことに成功しているらしい。

 

 現状の訓練対象

 恐らく、水雷戦隊。実際、駆逐艦1や巡洋艦2がこのアステロイドベルト基地において姿を見せていた。敵に対する襲撃、正確なミサイルないし魚雷発射、敵を避ける退避運動や効率的な襲撃運動を訓練するのだろう。

 空母及びその航空隊を訓練することも念頭に置いているだろうし、将来的には訓練を行うのだろうが、あの特殊技能をおいそれと数万人規模で再建するのは難しいだろうから――現在は一部の惑星基地駐屯部隊やヤマト航空隊ぐらいが対象だろう。

 戦艦は現状ほとんど建造していないか、或いは戦闘以前のもっと基礎的な訓練を行っている最中だろう。ヤマトと同様、護衛戦艦の何隻かがここで訓練を行った可能性は十分あるが、多分卒業しているだろう。

 

 

 惑星パトロール艦隊

 陣容:不明
 活動域:ケンタウルス座宙域
 指揮官:不明
 所属:地球防衛軍

 第2話で言及のあった戦闘艦隊。冥王星、第11番惑星、アステロイドベルト基地から所属艦艇が全艦発進し、アルファ星第4惑星援護へと向かった。

 常識的に考えてヤマト2に登場したナンバードフリートの組み換えか、外惑星巡航空母艦隊から航空戦力を除いて水雷戦隊にした艦隊。場合によっては空間輸送護衛艦隊の能力を強化、作戦範囲を広げた艦隊だろう。

 編成は第2期の残存艦艇プラス第4期の先行建造艦艇が中心になるだろう。数隻の戦艦と10数隻の巡洋艦に加えて駆逐艦護衛艦がそれぞれ20前後程度。ダゴン艦隊相手に3個艦隊を派遣したことを鑑みて、長官の過剰反応を織り込んだとしても、一個艦隊は戦艦1を旗艦とした巡洋艦5、駆逐艦10、護衛艦5程だろう。この程度なら拡散波動砲装備であれば、多数の敵艦隊に対しても十分戦える。たとえ収束波動砲であっても、3個艦隊が集結すれば多分戦えるはず。

 劇中に登場していないので、結局全くわからないけどね

 

 

 ケンタウルス座駐留警備隊
 陣容:不明
 活動域:ケンタウルス座宙域
 指揮官:不明 
 隷下部隊:第4惑星警備隊

 所属:地球防衛軍

 アステロイドベルト基地よりよくわからないのがこのケンタウルス座駐留部隊。結局パトロール艦改装の警備艇以外登場しなかったため、本当にまるっきり不明。

 惑星パトロール艦隊の傘下なのか、全く別なのかは不明だが――常識的に考えて、太陽系外の地域が太陽系駐留の惑星パトロール艦隊の管轄下とは思えない。故に、ケンタウルス座駐留警備隊は惑星パトロール艦隊とは別の独立した部隊と推測可能。

 陣容は旗艦たるパトロール艦、他数隻の護衛艦駆逐艦及び少数の巡洋艦で合計30隻弱が見込まれる。第9話においてバーナード星域まで進出してヤマト乗り込むの女子クルーを引き取っていった。意外と警備域が広い

 

 

 ケンタウルス座アルファ星・第4惑星警備隊
 陣容:戦闘衛星10数機、雷撃艇3以上、警備艇25以上
 活動域:アルファ星第4惑星
 指揮官:不明
 所属:地球防衛軍

 第7話に登場した部隊。さらば宇宙戦艦ヤマトの新地球防衛軍の制服に近いデザインの集団である。可哀想に緊急配備を命じられた部隊でもともと駐留している部隊とは編成が違う模様。大型艦どころか小型艦すら配備がない為、ダゴン艦隊に対する防衛能力はほとんどないというレベルだったいないよりかはマシだったかもしれないが

 恐らく、第4惑星のキャパシティ上の理由で惑星パトロール艦隊をずっと駐留させるわけにはいかなかったのだろう。どうも、アルファケンタウリを植民地や勢力圏におけるほど地球の戦力や工業力・科学力は高くない模様。

 

 

 

 

 地球の戦力を総合的に勘案すると――第2期地球艦隊以来の念願、地球の勢力拡大はやっぱり無謀だったようで……。

 

 

銀河系大戦(ヤマトⅢ)参加部隊 ガルマン・ガミラス――北部・西部・南部戦線――

 

 劇中にはほとんど登場しなかったのが北部、西部、南部の3戦線である。ほとんど登場しなかったとはいえ、各方面軍はそれぞれの任務を果たしその戦果は劇中に確認可能。中でも北部方面の中核戦力とみられる北部方面艦隊の勇壮な最期は視聴者の目に焼き付いた事だろう。

 

 

 

 名称:北部戦線/北部方面軍
 規模:複数個艦隊
 戦力:不明
 隷下部隊:北部方面艦隊(司令官グスタフ中将)
 配備地/作戦域:不明(M1678散開星団を作戦域に含む)
 指揮官:不明(恐らくキーリング指揮下ないし、総統直属)
 上位組織:不明

 

 言及
 第21話のガルマン・ガミラスに泥を塗った惑星ファンタムへの懲罰として、グスタフ中将率いる北部方面艦隊に出撃命令が下された。一応方面軍とその隷下部隊として想定してみたが――ただ、軍団としての大枠で描写された事はない。本国のデスラーパレス――総統執務室でキーリングと総統の間で交わされた会話の中でのみ、艦隊の言及に留まる

 故に編成上のみにある概念としての方面軍が存在している可能性と、方面軍は独立した集団だが本国の監督下という場合に加え、方面軍その物がなく直轄部隊として艦隊がそのまま本国に紐づいているという3つの可能性がある。総統の独裁的な権限を考えればどれでも平気でグスタフ中将を出撃させ得るから、どれが妥当かは正直判らないが……北部方面軍は概念上の組織で、艦隊は事実上総統府直轄というのが穏当なのではないだろうか。

 任務は――ボラー連邦とガルマン・ガミラスの境界面防衛を担う軍団という可能性が最も高い。西部、東部、南部の戦線が落ち着くまでは後顧の憂いを断つため、侵略というよりも差し当たっては防衛が任務という事になるだろう。

 しかし、先に述べたように軍団としては存在していない可能性もある。16・17世紀の帝都ウィーンかというぐらいにボラー連邦に近いガルマン・ガミラス本星を考えれば、軍事力その物はおいていても総統府直轄で組織として形骸化していても、能力さえ維持できていればいいのだから。

 

 

 名称:北部方面艦隊
 規模:1個艦隊級
 戦力:旗艦1、大型戦闘艦4→旗艦1、駆逐艦複数(10隻)
 配備地/作戦域:不明
 指揮官:グスタフ中将
 上位組織:北部方面軍(キーリング指揮下か、総統直轄)

 

 大型艦艇を中心に編成された戦闘艦隊で、忠誠心あふれるグスタフ中将に率いられた。指揮系統は不明で、キーリング指揮下なのか、総統直轄なのかは分からない。ただしそれは書類上の話で合って、事実上の総統直轄というのは間違いないだろう。戦力から考えて元来は他の隷下別部隊と共に行動し、敵に当たると思われる。

 

 戦力構成
 第23話で森雪が戦艦5、小型艦10と読み上げたが――全長比と描写からいって、小型艦は中型戦闘艦の事だろう。艦隊総数は15隻で、計算上は描写の3倍の戦力という事になる。近距離戦闘艦が5隻、中距離ないし遠距離戦闘艦が10隻とバランスが良い。数もヤマト世界ではそこまで極端に数が少ないわけでもない。

 大型艦も全長から言ってそこまで近接戦闘というわけでは無いから、割合に中距離戦闘が強い艦隊と表現できるだろう。


 戦力の内訳としては――基幹たる大型艦5隻の能力がどうも、近接戦闘特化な武装であるとか戦況を一気にひっくり返すタイプの戦闘艦が多い。戦闘の初っ端から戦う艦ではないだろう。特に旗艦たるグスタフ艦は惑星破壊ミサイルを擁し、これは使う場面を選ぶ。更に、大型戦闘艦もブーメランカッターミサイルを擁しているが、これもまた戦闘初期に使うような代物ではないだろう。

 どの艦にしても、補給が効く可能性は非常に低い。これが地味に問題で、対艦戦闘において前線にはあまり出したくない、危険さをはらむ。こいつら5隻、あんまり火力が高くないしね。ブーメランカッターミサイルもどれほどの威力かわからんし。

 

 劇中に登場したこの艦隊の立ち位置は想定として、旗艦とその直属の護衛艦という事だろう。戦力の内容や数から言って、対艦戦闘において中核的な役割を果たすとは思えない。対ハーキンス艦隊での戦闘ではあまりの戦力差と奇襲的な登場によって、強制的に戦闘に参加させられたが――本来は第18機甲師団艦隊に見えるように、大量の中型戦闘艦や駆逐艦などに任せるべきところだっただろう。

 

 この艦隊の中核たる中型戦闘艦は多数の攻撃手段と長めの砲戦距離を有するため、大型戦闘艦よりずっと戦力として信頼度がある。この中型戦闘艦が前面に立てば、ダゴン艦隊ほどではないが、それなりに火力を見込めたはず。ではあるが――圧倒的に多数のボラー艦隊相手である為、艦隊総門数60の長砲身砲を以てしても戦闘の優位に立てる時間は長くはないだろう。

 そして何より――絶対的に隻数が少ない。少なすぎる。本来はもっと数の多い艦隊で戦闘を行うはずだろう

 

 だって危ないじゃん。方面艦隊の主要指揮官たるグスタフ中将が、この規模の艦隊のまま敵と戦うとは思えない。北部方面艦隊の全力がこれでは、ただの東部方面軍の一部隊である第18機甲師団艦隊より規模が小さいという事になってしまう。方面艦隊と冠している割にあまりに弱勢。

 大体、優秀な指揮官を簡単に戦死させかねない環境をわざと作るのはまともな艦隊編成ではない。当然、本星を守るべき近接の国境ラインである北部方面の守備が……この弱勢では簡単に敗北してしまう。

 その重要さから言っても、劇中に登場したグスタフ艦隊はあくまで北部方面艦隊の基幹戦力としての存在であり、通常はこの艦隊の10倍近い戦力を有しているとみて不思議はない。

 つまり、このグスタフ艦隊は北部方面艦隊第一戦隊とかそのあたりの扱いとするのが妥当なのではないだろうか長々と引っ張ってこの程度の結論で申し訳ないが。


 劇中においては、任務が惑星ファンタム破壊やヤマト臨検程度である為、グスタフ中将も何の疑問も持たずに赴いたが――たまたまハーキンス率いる第8打撃艦隊と鉢合わせしてしまい、ヤマト死守の厳命も相まって本当ならば戦わずに退避すべきところを突っ込んでいった。

 元から敵に勝つことを目的として調整された戦力では無かったため、体当たり突入で相打ちに持ち込むほかなかった

 

 戦術・元来の戦力構成

 先に述べたように、本来はもっと巨大な艦隊の中枢を担っていた艦隊だろう。

 グスタフ直属の艦隊の様子を見るに、対艦戦闘及び対空戦闘を想定可能な兵装である。これを拡大すると――それこそハーキンス艦隊全力やボラーの本国艦隊の襲撃に備える艦隊であることが推測可能。

 つまり、敵の空襲を速射砲たる回転砲塔による迎撃で倒し、敵戦闘艦隊に対しては長砲身砲塔を以て迎え撃つ。最悪、勝てそうにない状況では旗艦に搭載した惑星破壊ミサイルをぶっ放してダゴンよろしく後方の惑星ごと艦隊を殲滅する。という戦術。ベースとしてはダゴンのような機動戦ではなく、がっつり砲雷撃戦で正面切って戦うというスタイルだろう。基幹艦隊の構成があの通りであれば、艦隊全力はそれだけのキャパシティがあるとみて不思議はない。

 

 しかし実際の戦闘には、直属の艦のみの参加となり、あまりの戦力差でまともに抗すことが出来なかった。画面上に映った戦力だけでもハーキンス艦隊の方が3倍から最大で7倍近い巨大戦力である。これではどうやったって勝てない……無理やり力押しで敵前衛を突破、旗艦めがけて特攻する他なかった。

 何なら、体当たり突入だって難しかったはずだ。それをやり遂げたのは他ならぬグスタフ中将の執念によるところだろう

 

 劇中の活躍
 第21話に登場、激怒した総統の命を受け惑星ファンタムに鉄槌を下すべく出撃。続く第22話にて、あーだこーだのたまう古代君をガン無視して惑星ファンタムを破壊。さらに第23話にも登場し、ヤマトが黙ってかっぱぐったルダ王女をもらい受けるべく臨検を試みた。

 しかしそのタイミングで総統の通信とハーキンス率いるボラー第8親衛打撃艦隊がヤマトに接近。新たな命令であるヤマト死守を実行すべく、ヤマトの盾となる形でハーキンス艦隊の攻撃を引き受け――しかし戦力差は著しく、最期まで命令を完遂すべく体当たり突入を決行。グスタフ艦隊はハーキンス艦隊を道連れに壊滅した。

 

 

 

 名称:デスラー親衛艦隊
 規模:複数個艦隊級(本国艦隊扱い)
 戦力:旗艦1、大型戦闘艦3以上、中型戦闘艦12以上→旗艦1、デスラー砲艦複数、駆逐艦複数
 配備地/作戦域:ガルマン・ガミラス本星/総統の護衛
 指揮官:デスラー総統
 所属:不明(恐らく総統府)

 

 デスラー総統の旗艦たるデスラー艦を護衛することが任務の艦隊であり、総統の命を受ければ敵艦隊の攻撃も惑星制圧戦も辞さない。航空戦力を持たない反面、対艦戦闘に関しては強力な反抗能力を持つ艦隊といえるだろう。

 所属がわからないのだが、グスタフ中将の救援のために陣容を整えての戦力投入が早いタイミングで行えるという事を鑑みると、東部や西部や南部方面の所属ではないだろう。ガルマン・ガミラス本星駐留で北部方面軍と合同ないし協調をしつつボラー連邦と対峙するのが恐らく立ち位置として妥当だろう。

 よって、北部方面に振り分けて記事内に記述する。

 

 戦力構成

 第24話登場戦力は、グスタフ艦隊に近い。というより同じ。つまり、旗艦とその護衛を行う大型戦闘艦、対艦戦闘を前面に立って受け持つ中型戦闘艦という編成だ。直属の護衛艦隊という事だろう。仮に対艦戦闘においては――あの戦力では、ハイパーデスラー砲に頼るほか、グスタフ艦隊の応援にならない。

 本来の編成はもっと駆逐艦や戦闘空母などを擁した、バランスの取れた戦闘艦隊であるとみて不思議はない。たとえるならば、ヤマト2で集結したガミラス残存艦隊のような編成だろう。

 一方、第25話登場戦力は直属の護衛艦を失った後。対艦戦闘において最前面に立つ戦闘艦の中でも火力の高い艦のみを抽出して決戦用に編成し直した艦隊だろう。大型戦闘艦ははっきり言って対艦戦闘には大して使えないし、戦闘空母を繰り出すにも――ベムラーゼを仕留める為に航空戦力が必要とは思えないから居なきゃ居ないでいい。

 元来の編成ではないだろうが、しかし総統なりに戦場と戦闘の性質を考えた上でひねった艦隊編成であろうと説明できる。決戦用の強力な砲戦のみを目的とした戦闘艦隊

 

 戦術

 第24話においては、デスラー艦に敵を接近させない。これが第一。故に中型戦闘艦が前面に立って敵との戦闘を受け持ち、敵の接近に際しては大型戦闘艦が盾になるのだろうが――総統の性格からすれば、多分デスラー艦が最前面に立って敵に突っ込んでいくんだろうな……。乾坤一擲とばかりにハイパーデスラー砲、ぶっ放してゴルサコフ艦隊を殲滅したし。

 第25話においてはデスラー砲艦が第一波攻撃かまし、敵陣に風穴を開ける。そのままデスラー砲をぶっぱなしつつ敵艦隊を圧倒する、或いは中型戦闘艦が前面に立ち敵陣深く切り込む。仮に敵に接近された場合はデスラー砲艦では敵わないため、中型戦闘艦がその攻撃を引き受ける。あくまでハイパーデスラー砲は最終手段――一応はこの戦闘プロットでシーンは進んでいったし、妥当だろう。

 

 劇中の活躍
 第24話および第25話に登場。第24話、シャルバート星上空では艦隊が総統護衛部隊のみの参加かつ奇襲をされてしまったため、敵わず。ハイパーデスラー砲で逆転を狙うほかなかった。

 第25話では対艦戦闘編成にシフト、今回はベムラーゼ親衛艦隊に対して奇襲を敢行、その艦隊を全滅に追い込んだ。だが、ブラックホール砲の反撃にあい、艦隊はほぼ壊滅。揚羽の犠牲によって生じた機動要塞のウィークポイントへハイパーデスラー砲を叩き込み、殲滅に成功した。

 

 

 

 名称:西部戦線/西部方面軍
 規模:複数個艦隊
 戦力:不明
 隷下部隊:
 配備地/作戦域:不明
 指揮官:ヒステン・バーガー
 所属:不明

 

 言及
 第4話にて司令官たるヒステン・バーガーがビビりながら御前会議に出席。62パーセントの支配権獲得に軍団の1/3の犠牲を払う、割に危うい指揮能力が数値として現れる。普通なら、この時点で作戦能力はほとんど喪失状態であるはずだが――この際、あと2回失敗した場合は死刑と予告されていた。総統、大甘判断……。
 第9話にてヒステン・バーガーが自ら陣頭指揮を執ることで80パーセント越えの支配権を確立した。ガイデルへ新鋭空母艦隊を派遣した事を考えると、ヒステン・バーガーの火事場の馬鹿力+失った分の艦隊で何とか巻き返したのだろう。

 さらに第12話では支配権を100パーセント到達し、勝利を確定。総統に褒められるに至った。以降、言及・描写なし。
 

 

 

 名称:南部戦線/南部方面軍
 規模:複数個艦隊
 戦力:不明
 隷下部隊:
 配備地/作戦域:不明
 指揮官:クロッペン
 所属:不明

 

 言及
 第12話において、西部戦線のヒステン・バーガーと共に勝利達成を総統から祝福された。どのような戦力であったのか、どのような戦闘過程であったのか、全く推測できるような描写はない。

 そのため、全く不明

 

 

 

銀河系大戦(ヤマトⅢ)参加部隊 ガルマン・ガミラス――東部戦線――

 

 ガルマン・ガミラス東部戦線/東部方面軍はオリオン腕方面に向かう攻略ルートを据えた大型戦力である。ボラー連邦の非直轄領の自治地域を征服するのが目的であり、同時にボラー連邦の勢力分断を担う戦略的に極めて重要な戦線。文明度数もかなり発達した手ごわい惑星が多いとされた。

 残念ながら東部方面軍はガイデルやフラーケン、ダゴンなどガルマン・ガミラスの恥さらしな指揮官が多い部隊であり、騎士道精神あふれるデスラー総統の部下としてはふさわしくない感がある

 

 

 

 名称:東部戦線/東部方面軍
 規模:複数個艦隊
 戦力:不明
 隷下部隊:第18機甲師団艦隊(司令官ダゴン将軍)、次元潜航艇戦隊(司令官フラーケン少佐)
 配備地/作戦域:不明(オリオン腕を作戦域に含む)
 指揮官:ガイデル提督
 所属:不明

 

 言及および描写
 第1話より隷下部隊である第18機甲師団艦隊がボラー艦隊と交戦。軍団の存在については第4話の御前会議似て初めて登場、3つの美しい星を総統に献上すべく勇んで侵攻作戦を展開した。

 続く第9話にてオリオン腕の支配権をおおむね獲得していると――本当はオリオン腕辺境惑星には手を出してはいけなかったのだが、忘れていた模様。

 第12話で80パーセントの支配権を確立したが、ヤマトに阻まれ振るわず。しかもこの時ちゃんと理由を説明していれば激怒されることはなかったが……第15話で赤っ恥を描く羽目になる。

 

 

 名称:第18機甲師団艦隊
 規模:複数艦隊級
 戦力:中型戦闘艦多数、駆逐艦数十隻、惑星破壊ミサイル母艦4
 配備地/作戦域:東部戦線(オリオン腕方面)
 指揮官:ダゴン将軍
 上位組織:東部方面軍(司令官:ガイデル)

 

 猛将ダゴン将軍に率いられた強力な戦闘艦隊。中型以下の戦闘艦でほとんど揃えた機動性を重視したとみられる戦闘艦隊で、バース星守備艦隊を蹴散らし太陽系方面までその戦域を拡大すべく快進撃を続けた。

 名称でよくわからないのが、機甲師団艦隊という点機甲師団隷下の艦隊なのか、機甲師団艦隊という艦隊の性質を表す名称なのか。結局劇中では語られなかった

 

 戦力構成
 先にも述べたように、機動性を重視した艦隊であることが推測できる。この艦隊においては中型戦闘艦は戦艦に準じた扱いをされており、駆逐艦もまた攻撃方法によっては主力艦級の戦闘を強いられるパターンが有る。ミサイル兵装も十分に保有しているため、艦隊として航空戦力以外は結構多彩な攻撃をすることが可能。
 戦艦クラスの艦艇や空母が全くないが、これはある意味彼らが進撃する地域で最も強力な国家バース星が、彼らと同様に航空戦力を有していない点から言って妥当だろう。また、明らかに快速であろう小型ないし中型艦ばかりの編成である為ごり押しかつ、機動戦に強いて敵を翻弄することで――敵航空戦力を突破して敵艦隊本隊への攻撃も不可能ではないだろう。それを考えると、空母はダゴン艦隊に限って言えば、必要性は薄かった。
 一方、ダゴンも空母を運用するという頭はあるにはあって、第6話でヤマトとの戦闘中に悔いていた。


 そうはいっても、いざとなれば周辺の小惑星にわざと惑星破壊ミサイルをブチ当てて艦隊を消滅させる荒業が有る為、彼らにとっては航空戦力の有無や彼我の戦力比は最悪、五分五分に持ち込むことは可能。 

 ヤマトとの交戦以降、コスモタイガーの厄介さに気が付いたダゴンは航空戦力の欠如をガイデルに報告。タイミングよく総統が新鋭空母を東部方面軍に配属させた。この新戦力を取り込み、ダゴンはヤマトとの再選に挑んだ。
 艦隊の航空戦力はヤマトより圧倒的に上で、しかも瞬間物質移送器を保有しているため、かつてのドメル艦隊のように有機的な運用が可能だった。が、ダゴンに明確なヴィジョンがない為に、せっかくの航空戦力も無駄になってしまう

 

 戦術
 ひたすら機動戦ガミラス帝国時代と同様で、猛烈な機動戦・電撃戦である

 陣形を組んでがっつり組み合うより、徹底して敵艦隊を速度で押しつぶす。それができない場合、惑星破壊ミサイルをぶっぱなし、すべてをリセットする。
 ダゴン、勇猛であることは間違いない。が、実はあんまり指揮官としての腕は高くはないのではないだろうか。
 第1話冒頭、あれはラム艦長に対して正攻法で挑み、見事に押し戻されている。平たく言えば、電撃戦に失敗したのだ。あれ以降は、バース星守備艦隊もその戦力が著しい低下の一途をたどった為電撃戦で押し戻されることはなかったが――それでも第3話で逆襲され、必ずしも容易な勝利では無かった。
 ちょっと通り一遍に過ぎる戦術ではないだろうか

 

 劇中の活躍 
 第1話に登場、バース星前面域で交戦。第2話にてバース星空域で交戦、さらにアルファ星第4惑星を攻撃。第3話冒頭でも戦闘シーンが回想として流れ、所属艦のうち2隻が太陽系へワープアウト。ボラー艦と差し違え、もう一隻は地球へと進入、しかし雷撃艇の猛攻で爆散した。第4話の冒頭にも登場、第5話ではラジェンドラ号を追って太陽系へ侵入し、続く第6話ラジェンドラ号撃破の目的を完遂するも味方駆逐艦の多数が戦没する羽目になった。
 第7話バーナード星第1惑星に築いた前進基地にて態勢を立て直すべく艦隊を集結。残存数十の駆逐艦が画面に登場したが、第8話での戦闘は新反射衛生砲であった為出番なし。翌第9話では前進基地が波動砲で粉砕されるに及び、砲は基地ごと消滅。艦隊の行方は語られなかったが、基地の爆発の巻き添えを食ったと思われる。

 残念ながら、ヤマトに完全敗北

 

 


 名称:第17空母艦隊
 規模:1個戦隊級
 戦力:戦闘空母3、円盤旗艦1、二連3段空母1
 配備地/作戦域:東部戦線(オリオン腕方面)
 指揮官:ダゴン将軍
 上位組織:東部方面軍(司令官:ガイデル)ないし第18機甲師団

 

 総統より下された新鋭艦隊で、やはり航空戦力を育て切れていないガルマン・ガミラスの中でも特殊な戦力構成になっている。かつて七色星団決戦で出撃したドメル艦隊と同様の空母中心の戦闘艦隊である。

 

 戦力構成・運用
 空母が4杯。ただ、戦闘空母がいまいち航空戦力の供給源にならない可能性もあるが――戦闘空母が1隻当たりおよそ40機、2連3段空母が60機から120機程を見込まれる。そのため、最小で180機から最大で240機を期待できる。対空能力があるにはあるが、強力とは言えないボラー艦隊相手ならば、確かに集中運用すればかなり効果的な一撃を加えられるだろう。全てを防空に回したとすれば、鉄壁とまではいわないまでも、早々に防衛ラインを突破されることはないはず。


 特筆すべきは、空母4杯中3隻が砲戦能力を持つことだろう。艦首方向へ18門の割合に長距離砲を保有しているという事であるから、これはたとえ護衛艦艇が少数であったとしても艦隊が集結した状態であれば十分この空母艦隊だけでさばけるはずだ。
 当然、護衛艦艇は欲しい。

 しかし、都合がつかなかったとしても自衛能力は高い。仮にごく少数でも駆逐艦が随伴するだけで、大きな火力を担保でき、敵艦隊との直接砲戦であってもそれなりに生存が見込める。何なら撃破も可能。この空母艦隊単独でも戦力化可能だが、出来れば別の戦闘艦隊と組み合わせて運用したいだろう。

 

 ダゴンの指揮下に入ったのが運の尽き。

 

 劇中の活躍
 第10話にて、総統より新しく下された空母艦隊であり、総統はこの艦隊によって東部方面軍の戦力の総合力をアップさせようと試みた。
 ところが、ガイデルはこの艦隊をそのままダゴンに渡す。この艦隊の航空戦力は奇襲が可能である為、ヤマトを効果的に攻撃する可能で、実際に圧倒した。しかし、航空部隊司令官が航空戦力でのヤマト撃滅を忖度半分で断念し艦隊による砲撃戦を求めた――これが運の尽き。第11話にてヤマトを鹵獲しようと試み、その大きな油断を突かれて見事に艦隊が全滅。白鳥座ブラックホールへヤマトを誘引し起死回生の一手を打とうと試みたが、これまた真田さんのアイディアで失敗。
 結果、第17空母艦隊は消滅してしまった。
 彼らが撃破できたのは第10話での宇宙気象観測船及び観測ステーションのみ

 


 名称:不明
 規模:1個戦隊級
 戦力:次元潜航艇11ないし10
 配備地/作戦域:東部戦線
 指揮官:フラーケン少佐
 所属:東部方面軍

 キザ野郎の戦隊。口先だけのガイデルにはふさわしい、卑怯な戦力

 

 戦力の構成
 次元潜航艇のみで編成された戦隊で、通常空間における戦力としては全く持って期待できない。亜空間断層に先行している間も、亜空間魚雷がない限り、外部へ攻勢は不可能。使い勝手が悪い上に、戦い方がひたすら卑怯

 隊司令の性格すらも卑怯で使い勝手が悪い。

 

 登場
 第14話及び第15話に登場。あとは知らん。確かにヤマトに勝った――いや、ただ東部方面軍機動要塞へと誘引しただけ。勝ったとは言えない。

 

 ヤマトに勝ったというのはあくまで大帝星ガトランティスや、ヤマト2におけるデスラー総統のような正面切って打ち破った存在に対して相応しい表現

 この次元潜航艇は勝ったというより、実際は逃げただけ。ディンギル帝国のルガール大総統はアクエリアス上空で、確かに汚いタイミングで卑怯な攻撃を仕掛けて来たが、正面切って戦おうとしただけよっぽどマシ