旧作ヤマト考察協会

第一作から完結編まで、旧作宇宙戦艦ヤマトを出来る範囲で現実的に考察するブログです。

ガトランティス兵器群 パラノイア―詳細不明機―


 ヤマト決死の都市帝国攻略戦時、防空戦闘機として大群を成してヤマトとコスモタイガー隊に襲い掛かった。

  むしろ自軍機を撃ち落しそうなほどの味方大火力支援を背に飛来する大群。しつこい攻撃と操縦席の大分苦しそうな様子と言い、見た目の奇抜さと言い、インパクト十分。
 そんなパラノイアについて考察してみたい。

 


 ――データ――

 名称:パラノイア(英語版:要撃機Paranoia

 種別:防空戦闘機
 全長:15メートル
 全幅:8.2メートル
 最大速度:マッハ12
 搭乗員 :1名
 武装:40ミリフェーザー機関砲2門、20ミリ光体機関砲6門


 帝都防空師団所属という事らしい、戦闘機である。胴体から延びた細い翼がコックピットと尾翼付近まで補強アームらしきもので連結され、全体的に円盤翼機的な印象の機影だ。これは、イーターⅡっぽい見た目だが……たとえようがない。
 主翼全体がインテークでエンジンらしく、一般でいうところの揚力が発生するかは全く不明。多分、揚力と言うよりもエンジン出力で飛ぶロケットとかその類と同じタイプの推進なのだろう。


 最大の特徴はコックピット。かの有名なグロスター社のミーティアを改造したF8 プローン・パイロットを彷彿とさせる内部――つまり寝そべって操縦するのだ

 この操縦方法の利点はGによるブラックアウト現象を阻止し得るという事である。頭と心臓と足とを一直線にすれば、心臓は重力に抗う必要なく血流を全身に回せるし、ロールしても頭の位置も心臓の位置も大して変わらないのだから脚に血流が溜まってしまうという事も少ない。頭から足にかけての、通常加速に対するGには対策にはならないが、それは単純に足に力を入れるとかである程度対処できるし、脚を曲げて血管を蛇行させるより直線にした方が当然マシである。


 これ、私の推測であるガトランティスという国家が人間の力と言うものをかなり信奉しているという仮定を補強してくれる。人間の生み出した科学の力、自然や運命すら曲げ得るほどの脅威を信奉している。だから耐Gスーツのような小細工は必要ないという事だ。

 

 


 機体形状
 これは普通の戦闘機と言うよりも、ミサイル等に近い雰囲気。元来戦闘機は翼で揚力を生み出すのだが――パラノイアはその揚力をエンジン出力によるジェット推進に全てを掛けている。都市帝国上部での戦闘は重力を都市帝国自身が調整すればパラノイアはあのアヴァンギャルドな機体形状でも活動できるだろう。下部での戦闘ならば当然に近い形で宇宙空間であろうから、これもまた墜落の危険性は薄い。つまり、都市帝国に限定した戦闘であればあんな危なっかしい機体でも多分大丈夫という事。
 多分と言うか、大気圏内はすぐに燃料切れになって落ちると思う。
 操縦性に関しては大して問題はないだろう。じゃなかったらより不安定なハンググライダーは軒並み墜落事故を起こしているだろう。

 


 活躍
 先ほどから述べている通り、都市帝国攻略戦において登場した機体である。曲がりなりにも都市帝国はガトランティスの拠点である以上、大量のパラノイアが配備されているのは当たり前だ。しかし、味方の誤射を一切恐れる事無く、猛烈な数のパラノイアが度重なる戦闘で数を減らしたコスモタイガー隊に襲い掛かった。
 意外にも堅牢らしく、コスモタイガー隊の銃撃にはそれなりに耐えている。ヤマト2などでは被弾しても即爆発などという事はなくひらひらとコスモタイガーに衝突するなど、見た目から推測出来る性能よりだいぶレベルが高いといえよう。

 劇中では古代君らが都市帝国内部に突入して以降は出番はなかった。大人の事情と言えばそれまでだが、説明を付けるとするならば――
 ヤマト自体が都市帝国の各種要塞砲の射程圏外まで退避したため、それを追ってパラノイア隊が接近。ヤマトのパルスレーザー砲群の前に、大した装甲もないパラノイア隊は結構な数が返り討ちをくらい、他方で残存コスモタイガー隊必死の攻勢でこれもまた手を焼いた。悪い事に、これらと同時に古代君らの働きにより都市帝国は機能を停止し、発進口の開閉不可により後発のパラノイア隊が発進不可能に。
 結果、出撃済みの隊は帰る事もままならず増援も受けられず、全機撃墜ないし損傷を負ってフェードアウトしてしまった。

 

 

 活躍はさらばでもざっくり10分程度ヤマト2に至ってはほんの数コマである。

 しかし、奇抜な見た目とヤマト劣勢の状況で更に追い込む大パラノイア隊は抜群の印象だ。また、ヤマト2第18話で脱出を図るデスラー総統の車両を追跡した際は防空戦闘機として、都市を守る機体としてその高性能さを想像させるだけの様子をいかんなく見せつけた。

 それなりに合理性のある設計と割り切った性能=機動、加速とにかく加速、大火力・大軍団での戦闘は宇宙空間において都市帝国の守りの役割を果たすだろう。この機体で地球の大気圏内でどれだけ活動できるかは不明だが、接近戦においては手数の少ない都市帝国の最後の盾としては十分ではないだろうか。

 

 

 記事の分量が少ないのは手抜きではなく、私が航空機を苦手範疇とするから。まして艦載機・艦上機でもないから……

 多分、航空機ファンならばもっと大量に書くことが出来るだろう。

 頼んだ! 他の方。