旧作ヤマト考察協会

第一作から完結編まで、旧作宇宙戦艦ヤマトを出来る範囲で現実的に考察するブログです。

地球艦隊再建のタイムスケジュール――アンドロメダが一年で建造できた理由――

 

 

 数字はヤマトの絶望的な側面と言えるでしょう。ヤマト唯一のご都合主義と言わざるを得ない。ストーリーや描写について、全力で説明を付けて来たこの私ですら、ご都合主義と言わざるを得ない。

 地球艦隊再建のタイムスケジュールは非常に……難しいタイトなものだろう。なにせ戦後1年程度で艦隊を再建してしまったのだ。普通に考えればご都合主義。

 

 
 、チャレンジしてみる価値はあると思う。そこで、アンドロメダをはじめとした地球艦隊が一年で立て直された理由を考えてみます。

 なお、ヤマト2の場合はそもそも白色彗星が地球に到達するまで9カ月ほどを要するため、ヤマト帰還からヤマト2開始までを含めると――土星決戦まで実質2年ないし最大3年の猶予が存在する。タイムスケジュール的には艦隊再建まで余裕があり、考察するまでもないため省く

 

 

 

 新地球艦隊、建造
 艦隊建造が可能になるには、当然として余裕がなければならないだろう。
 資源的な話ではなく、敵の攻撃にさらされているか、という話である。資源が困窮していても、敵の攻撃が無ければそれはやりくり次第で余裕になる。

 地下都市建設の資材も回せば、ある程度は何とかなるだろう。まして、型落ち宇宙艦がドックやらに多少はあるのだろうから、それを使えばいい。

 

 

 太平洋戦争前夜における日本のジリ貧っぷりは、暗号が役立たずでアメリカの高官に筒抜けだった挙句、アメリカ側や世界の要求を正確に理解していなかったことが原因に挙げられる。もう一つの側面として、世界でも指折りの巨大艦隊を整備していた日本海軍では、当然訓練だけでも相当な金と燃料が必要になる。

 しかし、アメリカは完全に日本に不信感を抱き、石油等を禁輸。さらにイギリスやオランダ、戦争中の中国はアメリカに追随して日本に対して経済制裁を加えた。

 日本刀を何本も振り回す話の通じない屈強なおっさんが、しかも腹ペコで近づいてきたら……そりゃ怖いだろ。

 とあれば、外へと資源を求めざるを得ない。やりくりし様にも、艦隊がデカすぎてどうにもならないし勢力圏がかなり大きすぎてどうにもならない。

 

 やりくり上手な国といえば、北朝鮮であり、あちらこちらから色々つまんで色々開発して……と、狡猾ささえありゃ案外何とかなったりする。ロシアだって、制裁受けてるのにイスカンデルなんて新型ミサイルとか色々作ってるし。

 まぁつまるところ、どんな困難な状況でも身の丈に合った配備であれば、出来ないことはないという事を言いたかった。 

 


 では、余裕はできるだろうか。

 恐らく、できる
 余裕が出来る要因の一つは、冥王星基地の破壊により遊星爆弾による攻撃が無くなった事があげられるだろう
 確かに市民生活は苦しいが、軍部が同じであるかは不明だし別と考えるのが筋ガミラスの襲撃が可能性としてあり得る段階で、軍人が市民レベルまで困窮していて、一体どうやって撃退するんだと。

 ほぼ確実に市民より優先して食料等の供給が行われていると考えて自然だろう。

 

 もう一つは余裕では無く必要性という事ヤマトが帰還する保証はなく、とすると別の星を探す必要が有る。最低でも、放射線を避けるべくそれなりの移民船で衛星軌道ぐらいにとどまって待機する必要というのがあろう。

 この場合、当然護衛の艦隊が必要。太陽系派遣のガミラス艦隊が全滅したかどうか、地球防衛軍司令部には把握できていない可能性がある。復讐のためのリベンジ侵攻だってあり得る。また、ガミラス以外の敵が迫ってくる可能性だって否定できない。

 

 これらの可能性を鑑みると、多少余裕の出来た時点から新地球防衛艦隊の建造に取り掛かったとしても、不思議はない。少なくとも、建造しようと行動を開始しても当然。 

 

 


 設計についてはどうか。
 ヤマトやそれ以前の世代の戦闘艦の図面をベースにして再設計という可能性はある。設計図の流用は、当然ながら新設計の完成を容易にすることが可能だ。

 

 主力戦艦やアンドロメダの基本的な兵装配置や、機関配置は外観上ヤマトのそれと大差はないヤマトの設計の中で、プランの一つにアンドロメダにつながる艦体プランが上がっていても不思議はないだろう。主力戦艦については、各種の特徴からヤマトの廉価版としての設計が一番合理的な説明。

 駆逐艦護衛艦ほぼ共通で建造可能だが、その設計元が何かは不明。ただ、案外突撃駆逐艦や司令船に類似した部分も存在しているから、最低でも概念程度は共有できるだろう。


 新地球防衛艦隊(第二期地球艦隊)が完全新規設計ではなく、旧世代間の図面流用であるとする理由のひとつには、意外と旧世代の戦闘艦群が有用であることがあげられる。

 旧世代戦闘艦もガミラス艦隊の侵攻にそれなりに対抗し、“航宙優位”をとられたとはいえ火星での活動も維持。なんだかんだ言って木星の圏を突破し冥王星付近まで肉薄できる程度の能力はあった。また、冥王星で大破した宇宙戦艦が単艦で帰還できたというのも、考慮に入れる必要がある。

 構造や使用する鉱物資材は優秀だが、出力が足りず火力不足で接近され、設計を上回る威力の攻撃を受けて損傷。しかも狭い艦内にしこたま魚雷を詰め込んでいるから一発当たっただけでも誘爆して爆沈してしまった。

 という旧式艦の弱さの説明もそれなりにあり得るのではないだろうか。

 そしてそこへイスカンダルから超光速波動エンジンがもたらされた

 


 案外優秀な設計を、イスカンダルの技術(波動エンジンによる大出力)で安定的な火力と長大な航行力を付与し、基本設計の元来の性能を最大限まで引き上げたというのがベースにあるとすれば、設計期間をかなり短縮した形で想定できるだろう。

 拡散波動砲以外はそんなに新規開発はない、というちゃぶ台返し的発想だ。

 何より、ガミラスの再侵攻の危険性も排除できていない状態では出来るだけ早く建造する必要が有るわけで、出来れば設計に時間を取られるわけにはいかない。すでに何年も何度も検証を重ねた旧式艦の設計の良さを取り入れられれば、それに越したことはない。というわけである。

 日本軍の航空機みたいなお話

 


 技術はどうか。
 ヤマトがガミラス相手に善戦しているとすれば、そのプロットで設計するのは当然である。補助エンジンについては特にヤマトから改良したという話はなかった。それ以外はヤマトのそれよりも小型化・高出力化を図られているという説明が真田さんからあった。だからその通りだと思う。

 これは艦体の小さい旧式艦への積み込みを画策する上の流れとして、一向に不思議はないはず。ヤマト出撃時と帰還時、復興期においては当然技術革新が行われただろう。

 

 一定程度の技術革新を待たずして建造する事にリスクはないのだろうか

 

 はじめから、艦体に余裕を持たせて建造すれば、問題はない。つまり、ヤマトの設計をベースにして将来の技術革新を見越した設計をするのである。現状ある技術をもとに数値設定をし、+αのスペースを加えた空間を艦体内に組み込むのだ。

 

 アメリカ海軍のアーレイバーク級は、基本設計が優秀な事に加えて“意味のある”余剰スペースが存在していることが評価され、兵器の革新に見事に追随して後継艦であったはずのズムウォルト級の影を蹴散らしてしまったのは有名な話だ。
 ましてアンドロメダの場合は、機関の小型化である。これならなおさら、艦体だけを先に建造しても何の問題も無いといえよう。

 

 


 設計・建造の双方が終戦前からの開始であれば、全艦がガトランティス戦役までに就役可能と想定できる
 要は、アンドロメダはヤマトが帰還してから1年ではなく、ヤマトがガミラス冥王星前線基地を破壊したしばらく後に建造スタート1年以上の期間を以て完成したとすれば何とかならない事も無い

 

 


 ここで、地球艦隊全体の建艦工程を考察する。
 ヤマトを理屈づける上での最難関……。

 


 まず、前提となる年月日の確定。
 地球が遊星爆弾の脅威からの解放=冥王星前線基地の撃破、つまり帰還予定日まで残り354日。逆算すると2199年の10月頃と想定できる。宇宙大年表では10月8日にヤマトが出撃するがこの時の残り日数は363日。冥王星前線基地の破壊は10月17日となって矛盾はない。
 帰還は2200年9月6日。これは、テレビシリーズ最終回にテロップで掲載。


 さらば、ヤマト2共に舞台は2201年

 日付は明言されず。ただし、第三区輸送船団の地球到着予定日時が8月10日である事が相原の通信でわかる。つまり、アンドロメダの進宙式はこの日から大きくずれる事はないとなる。

 


 個人的には大問題として、8月にしては人々が明らかに暑そうな服装をしている点に注目したい。コスモクリーナーの作用によるものとしても処理できそうだが、ちょっと厚着しすぎ。
 仮に、現在と同じ気候と考えると、8月にタートルネック状のあの服装では熱中症患者が大量に発生してしまう……。放送当時でも、結構暑い日があったろうに……


 日付が判明している中、あえて服装から年月日を再設定してみる
 あのタートルネックな服をニットと考え、これを起点に想定する。


 秋冬ニットといえば早ければ9月終盤から10月に一通りのタイプが街にあふれ、10月1日の衣替えとも重なり、夏用の軽装から厚着に代わる。

 描かれた服装を考えると、まだ寒さの緩い11月頃が妥当と考えられる。なお、森雪に関しては、あの人だけが半袖なので除外(ファッションの為に体を冷やすのは良くない)。

 通常12月から1月頃まではニットの上にコートを羽織る事になるが、2月頃からはコートの出番は少なくなる。秋冬ニットは3月頃に役目を終え、春ニット5月には姿を消す。
 テレザート星への往復と出撃までの行程=60日+α日後は計算上1月後半から2月前半とするのが妥当。他方、都市帝国が月を砲撃した際には、大衆の服装が明らかに軽装になっている描写を鑑み、寒さの緩む日が多くなる2月中盤であると予想できる。
 ちょっとまずいな…… 

 


 足して引いての計算上最も合理的なのはアンドロメダ進宙式が11月前半、白色彗星の月軌道到達が2月頃であろうと、私は提案する。

 物語の始まりが11月頃であれば、ヤマト発進までのゴタゴタに数日から数週間とられたとしても、12月中に出撃となる。これに真田さんの説明にある行程日数60日=2か月を加味すると、ぎりぎり秋冬ニットの出番がある2月中に白色彗星の迎撃が可能となる。


 これならガミラス戦時の2199年10月から翌年9月の約一年に加えて、戦間期の2200年9月から翌年8月と2201年8月から翌年2月の約一年5カ月の猶予が生まれるのである。 計算間違ってたらごめんなさい。

 なぜ描写とセリフとがかけ離れたかという説明に関しては――新しい暦が採用されたというウルトラC的想定が出来る。つまり、ガミラスとの戦闘に勝利した日あるいは開戦日などの記念すべき日を新しい暦の元年1月1日に設定したという事。

 ガミラス戦以前および最中の地球は各国が協調の中とは言え、独力でガミラスと戦闘を行っていた。しかし、それをほとんど撤廃する形で地球連邦は成立している。この新しい地球の形、宇宙戦争の勝利を祝うとして新しい暦の導入を行った。

 とあれば、不思議はない。要はフランスの革命歴みたいなもの。



 
 原作通りの年月日設定ならば、コスモクリーナーの作用として地球環境の変化を前提に居れればあの描写にも説明がつく。若干釈然としないが――つまり、うっかり地球の環境を平安時代辺りに回帰させてしまったため、少々厚手の服を着ても8月は快適に過ごすことが出来る。という仮定。


 私の提案が妥当だとなった場合、現在の地球環境と同じと仮定しかつ服装描写と整合性が取れる。描写を基準にしましたので、そりゃそうだ。
 これで想定に必要な日付がざっくり想定できる。

 

 

 波動エンジン図面入手:2199年8月中旬
 遊星爆弾飛来終了:2199年10月中旬
 ヤマト地球帰還:2200年9月6日
 アンドロメダ進宙式:2201年8月中旬(私の案では11月前半)
 白色彗星の月軌道到達:2201年11月頃(私の案では2202年2月頃)

 

 アンドロメダ進宙式までの日数を単純に数える……約23カ月。確かに軍艦建造にはタイトなスケジュールだ。私の必死に猶予を持たせた想定でも28ヶ月ぐらいしか、時間がない。が、うまくやれば2年の猶予がある計算になる

 ヤマト2の場合はヤマトとガトランティス遭遇が2201年10月10日午後3時頃であるから、ヤマト発進まで26ヶ月。月軌道到達は2202年8月頃とさらばより更に10カ月程度、35ヶ月=約3年はほぼ確実に確保可能。

 

 

 


 実際の戦闘艦の建造日数から、妥当な建造日数を推測していきたい。
 ガミラス戦での各種の影響は今回は度外視さらばの明言された日付に近づくように調整したい。

 

 


 任務の性質上大量建造が必要な艦種が駆逐艦護衛艦である。これらに関しては、アンドロメダ進宙式前でも十分完成しうると考えられる。そしてその必要が有る


 理由は単純で、波動エンジンが小型化できれば設計を突撃駆逐艦をベースにすることで様々な工程を短縮できるだろうという予想がつくから。すでにある設計プランの拡大や修正はそこまで難しくはない、1年前後で十分。

 

 根拠はイタリアのカヴール級改装等。工事自体は相当かかったが、工事開始はダンケルク起工の翌年、あのイタリアの工業力での改装だ。工期は参考にならないが、反対に海軍大国イタリアの設計力は参考になる。

 

 ネックになるのは、突撃駆逐艦やあの宇宙戦艦(司令船225)がどの程度の大きさなのか判然としない事。だが、前者を駆逐艦と同格とし後者を巡洋艦と同格と想定しておく。これらから予想される設計から就役までのタイムスケジュールは


 設計期間:2199年8月から10ヶ月、波動砲小型化・拡散化を平行
(残存突撃駆逐艦のエンジン換装が可能であった場合は、兵装の設計のみ。6ヶ月を見込む――根拠はない)
 一番艦/フライトⅠ起工:2200年4月ないし6月頃(突撃駆逐艦の経験が生かせれば2月に艦体を先行して起工
 一番艦/フライトⅠ進宙:2201年6月頃(水上艦と違い気密性を考慮して甲板上での作業を嫌うためか、この時点で武装積み込み完了。2月起工の場合、2201年2月進宙
 一番艦/フライトⅠ就役:2001年7月頃
(電子系の動作確認期間に1ヶ月。2月起工の場合、余裕をもって5月就役。2番艦以降は2ヶ月を見込む)


 複数工廠・複数艦の同時起工である程度数量は確保可能と見られる。

 アメリカとロシアのようなガミラス戦以前はキャパシティのある国でそれぞれ5工廠で3隻同時起工、1ヶ月の時間差で3隻同時再起工の建造となれば、物語開始の8月時点で護衛艦駆逐艦合わせて30隻。11月時点で合計120隻弱が揃う事になる。()内での想定であれば、8月時点ですでに120隻が揃っており11月には210隻と数は巨大になる。

 どっちの想定にしても、極めてタイトなスケジュールを滞りなくこなした場合にの話であるため、どの想定にしても半分かそこらが妥当な数値だろう


 根本的な武装配置や運用は突撃駆逐艦と変わらないため、設計期間は多少圧縮する事も可能かもしれない。仮に、突撃駆逐艦や宇宙戦艦に波動エンジンをそのまま搭載可能とあれば、砲を積むための艦体延長のみのより簡易な設計修正となる為、2ヶ月以上圧縮可能となるだろう。うまくいけば2200年中での工事完遂も夢ではない

 第二期地球艦隊の中で、恐らく最も簡単に建造・戦力化できる艦種であるため、ヤマト帰還せずの場合を想定して建造を急いだ。そう考えるとリアリティが出てくるような気がしません?


 

 巡洋艦に関しては、想定が非常に困難。
 単純に護衛艦の拡大版の艦体がべースであるのか、旧世代宇宙戦艦をベースに修正して護衛艦に似通ったのかで想定が異なる

 艦体が決定したとしても、パトロール艦にせよ巡洋艦にせよ、兵装の種類や配置の工夫が必要となる。特に兵装プランニングに時間を取られると予想されるが、護衛艦とパトロール艦は類似した性格である為、より設計が容易である為先に建造された。という道筋ならば、〈ゆうなぎ〉が先んじて第11艦隊旗艦指定もありうるか。

 ともかく、このグループのタイムスケジュールを予想することは困難。


 設計期間:2199年8月から宇宙戦艦ベースに設計手直しで10ヶ月護衛艦拡大ならば道筋のついた2100年4月より3ヶ月。特にパトロール艦――根拠なし)
 一番艦/フライトⅠ起工:2200年8月(パトロール艦は護衛艦との類似性から巡洋艦に先行=2200年7月起工)
 一番艦/フライトⅠ進宙:2201年8月(パトロール艦、先行して2201年6~7月完成)
 一番艦/フライトⅠ就役:2201年9月後半(パトロール艦、先行して8月頃就役)


 駆逐艦ら以上の、極めてタイトなスケジュールである。うまくまとめた自信ない。

 しかも、艦影が護衛艦風でありながら戦艦の補完的な様相を呈しているため、建造開始も他の艦種ありきで建造ペースすら他の艦種ありきとなってしまう。わけわからん。
 中国に旧体制が保存されていれば圧倒的な動員が期待できる。インドのようなキャパシティのある国と共に建造計画に参画すれば4工廠ほどに3隻ほどを同時起工して一か国12隻をノルマ、7か国か8か国で分担して84から96隻が建造可能となる。

 ただし、述べた国は体力をフルに使って結果――疲弊する可能性がある為、第一グループ以外は仮に起工したとして、ガトランティス戦役に間に合わないと思われる。また、ロシアの不安定が予想される建造の補完として中国に駆逐艦を要請する可能性もある為、やはり巡洋艦建造最大数が81隻にパトロール艦が数隻だろう。
 ガトランティス側がパトロール艦と巡洋艦を区別したのか、これ不明。もしかしたら巡洋艦オンリーの出撃では無かった、画面の奥にパトロール艦がいた……とした方が自然かもしれない。

 何にせよ、合計81隻が本当に限界

 

 

 


 主力戦艦ヤマトの廉価版と言っても過言ではない。

 この形状と兵装であれば、コスパに基づいたヤマトの図面変更で意外に短縮できるかもしれない。特に艦尾側は配置換えした程度で、意外と差異が少ない。副砲と煙突ミサイルに第3艦橋を廃止すれば基本的に主力戦艦の完成。

 開放型波動砲口は新機軸だし、そう見えるが実際は単純にヤマトの逆を行っただけ。星間移民船として長い間試行錯誤されたヤマトの設計を安く攻撃用船舶として仕上げるだけだから恐らく設計に時間はかからないだろう
 建造も見切り発車が可能で、ヤマト程度の波動エンジン搭載を前提とすれば、技術革新を待たずともガワだけ建造開始できる。建造しやすいように曲面も割合簡単で、むしろ直線を多用

 初期はヤマトのそれと同じエンジンで建造開始していたとしても違和感はない。そして、後に小型化に成功して後期は全て小型高出力エンジンに換装した。という設定が十分可能。一層の事波動砲キャリア艦としての建造、だったならば方向性が決まっているためより再設計のスピードが上がるだろう。

 


 設計期間:2199年8月から7ヶ月。(図面流用・不眠不休で3か月。根拠なし)
 一番艦/フライトⅠ起工:2200年3月(図面流用でもさすがに実験に1ヶ月強を見込んで、起工2200年1月)
 一番艦/進宙:2201年3月(1月起工の場合、最短2200年10月を見込める)
 一番艦/就役:2201年5月→波動砲口に仕切り版設置等の小改装開始の可能性。
(10月の進宙であった場合――結局ヤマトが帰還に成功したため、余裕をもって公試等に臨んで、引き渡しは2201年4月頃)


 建造は当然、一番艦と二番艦は日本の建造になろう。直接的にヤマト建造に関わった日本が技術を突っ込むことで先鞭をつける。

 ヨーロッパの無事な地域、あるいはオーストラリアやカナダのような重工業産業や国家そのものの体力に不安の残る地域も1隻の戦艦ならば建造可能と思われる。南米やアフリカなどが出番となろう。プライド的にアメリカ、ロシアや中国も建造を試みると思われる。日本が2隻、英伊独仏も2隻ずつ、東アフリカ共同体等の機構が2隻ずつ、豪加墨やカリブ海地域等が1隻ずつの建造ないし資金提供をノルマとして、18か国地域が参加すれば十分に建造可能と思われる。特に、ヨーロッパとオーストラリアは適切なオペレーティングさえできればガトランティス戦役までに第二グループまで送り出せるかもしれない。1隻ずつがノルマの国や地域も第二グループを送り出すことも難しくはないだろう。

 第一グループが20隻ほどが2201年5月から8月の間に就役、第二グループが11月までに15隻就役と振り分けられる


 この艦の運用上の性格は別に考えるとして、出来るだけ早く建造にこぎつけたかったと考えられる。遊星爆弾の脅威は去ったとしても、地球が回復しなければ星間移民を試みる必要が有る。その際の護衛が駆逐艦護衛艦だけでは不安というほかない。大口径の波動砲搭載艦をそれなりの数並べて守らなければ、即人類滅亡となってしまう。

 だからすべての行程を前倒しして建造したと考えても無理はないだろう。廉価を前面に押し出した艦級であるとすれば、体力が微妙な国や地域でも建造は可能と思われるその結果、むしろ護衛艦よりも下手をすれば早く戦力化できてしまった

 主力戦艦建造にめどがついたから、戦力化のめどのつかない巡洋艦に注力し、何とか土星決戦に多数を揃えた。という説明も出来るようになる。

 苦しいけど。

 

 

 登場した宇宙空母、まず主力戦艦の完成が必要である。
 いくら防衛司令部がヤマトのガミラス戦勝利が機械によるものだと認識していても、その航空隊の活躍を無視するのは難しいだろう。ブラックタイガー隊が無ければ七色星団で撃沈必至。それどころか第一回のワープすらままならなかっただろう。


 艦隊航空戦力の充実は喫緊の課題。パイロット育成は難しい為、機体がなくて飛べなかった勇士を招集し――となると、ガワが必要になる。

 建造中の大型艦は主力戦艦のみであるため、その艦体を流用するのは不思議ではない。せっかく大出力波動エンジを積んでいるのだから波動砲を付けないのはもったいない、波動砲を積んでいるのに対艦戦闘で艦載機しか使えないのは不安―というような形で半分戦艦半分空母になった。

 改装自体は、日向の事例がある為半年もあれば十分か。

 

 ヤマト帰還に伴い航空戦力の運用艦の必要性を防衛司令部が認識
 設計期間:2200年9月から6ヶ月(新規全通空母を断念。格納庫のみの設計・不眠不休で3か月――根拠なし)
 一番艦起工:2201年4月(格納庫のみでもさすがにモックアップ製作に1ヶ月強を見込んでの起工。艦体流用の場合は2201年5月以降
 一番艦進宙:2201年8月(艦体流用の場合は工期5ヶ月程度として2201年9月以降)
 一番艦就役:2201年9月(9月以降の進宙であれば10月後半の戦力化。艦載機の同時進行的訓練は必須


 単純に後ろ半分を改修するだけなので、大した工程は踏まずに建造できるだろう

 戦力化出来た艦載機を積みこむのが当然だが、この艦載機をどれだけ確保できるかがミソであるし、疑問でもある。となると、多数を建造する必要性は薄い。結局のところ戦艦の建造に+αで組み込む程度となるだろう。

 さらばで影も形もないのは、あまりに新造艦過ぎて、火力が主力戦艦より不足しているから送り出されなかった。ヤマト2ではギリギリでも必要だったから作戦に参加し、練度が足りなかったのも相まって白色彗星の餌食になった

 と説明できる。

 


 

 アンドロメダの設計建造は日本が主管するであろうが、形式上は恐らく国連→離宮連邦の管理下という事になろう。
 アンドロメダの設計は一部は主力戦艦と類似点が見られる。これは建造工程における短縮が期待できる。他方で、主力戦艦にもあてはまる事だが、波動砲口(砲身)の設計が少々ネック。この設計に結構時間を取られると思われる。

 が、それ以外はほとんどヤマトの拡大で済むと思われ、設計はさほど困難ではないだろう。


 設計期間:2199年12月から10ヶ月
 アンドロメダ起工:2200年10月(途中で設計の小変更の可能性あり)
 アンドロメダ進宙:2201年8月18日(防衛プロットの変更を含む。この時点ではまだ戦力化できず)
 アンドロメダ就役:2201年9月頃

 アンドロメダ喪失:2201年11月頃


 早く建造にこぎつける為に設計が手ぬるくなってしまった主力戦艦の不備を修正、戦艦として砲戦能力と航洋力を向上させ、新兵器である拡散波動砲を主力戦艦とは別形式に備えた実験的戦艦と言える。また、機能美な外観であるが、元来の設計時点よりも外観を見栄えとしてクオリティを上げた可能性が考えられる。廉価以外に特徴の無い、砲を持っていく感覚の主力戦艦とは違い、戦艦として堅牢な移動艦隊司令部として特徴づけたと言えよう。
 (10話で100日程度で7割方完成のアンドロメダ級5隻を多分戦場に投入できるとみられていたし、15話ではあと46日で全工廠をアンドロメダ建造に切り替えれば10隻を投入できる――つまり全くの新造5隻を46日程度で戦力化できるかもしれないという話がある。となると、さすがにリアリティがない……)

 


 建造について、現実の話。
 アメリカは大抵の艦船を3年程度で起工から就役にこぎつける。艦体だけならば1年で完成という例もある。忘れがちだが、実は艤装が大変。これはアーレイバーク級でもニミッツ級でも、密閉性が必要なジョージ・ワシントン原潜でも同じ。同じ原潜でもオハイオ級は4から5年かかるが。
 全盛期のロシアはアクラ級原潜を2年程度、改キロ級通常潜水艦を下手すりゃ1年で就役させていた。アムール造船所やべぇ。

 設計にどれだけの時間を取られるかは重要であり、現代にはかつてない強い味方であるコンピューターが存在している。しかし、それでも方向性を決定し資金と資材を調達するのは人間である。やはり設計は一年近くを見積もらないとリアリティがない。同時並行的に新兵器の開発を行うとして、こちらもコンピューターの力を借りて、1年程度という可能性もなくはない。かなり苦しいスケジュールだが。

 

 


 総論として
 小型ないし中型艦艇は適切なマネジメントの元に建造されれば、2年程度で十分に整備できると思われる。戦艦にしても同様。各種設計を廉価で短い建造工程とのを方向を定め、性能についての実証実験をすっ飛ばした場合は、余裕をもって2年間での整備が出来ると推測できる。やべぇ前提……。

 

 

 一応、私の想定した服装から見たタイムスケジュールであれば――全ての想定を5ヶ月ほど余裕を持たせて想定可能。アンドロメダにしても進宙式が3ヶ月後ろ倒しに出来るし、白色彗星の迎撃も2202年代に突入しての事になるから、原作のセリフに基づいたスケジュールよりかは戦力化が見込める

 ヤマト帰還、第二期地球艦隊の建造進行度合い、それに伴う防衛司令部や地球連邦の方針転換。期間に余裕が出来れば、各種の設計の差異についての説明も合理性も増す。

 

 

 忘れてはいけない事として真田さんが地球に帰還したという設計のブーストがかかる要因も一応想定しておく。真田さんは登場人物中最高の頭脳を持つが、可能性として地球人類全員を対象に比較すれば、数人は真田さんクラスの人間が出てきても不思議はない。

 よく、あの人の存在もご都合主義とされるが、実はあのレベルも数十年に一人は案外実在するハンガリーとかあのあたりに多い。
 プチ真田さん頭脳の持ち主が数人集まり、先端の演算ソフトを使えば建造の合理化を含んだ設計の修正を行うことが出来るだろう。

 そこに本物の真田さんが参加すれば、かなりの確率で白色彗星迎撃に戦艦36、巡洋艦81、駆逐艦多数の艦隊を出動させ得る。本人は絶対不本意だろうが

 


 この一連の想定の恐ろしいところ初期不良の解消だとか訓練が全然話にならんレベルになってしまうだろうこと。艦隊整備しただで訓練しなかったら何にもならんのだよね。

 これだと、艦隊司令の戦略・戦術が外れれば一発で大損害を被ってしまう可能性が格段に上がってしまう。たとえ自動化が行われたとしても、その際にベースとなるのはあくまでガミラス戦を戦ったヤマトのデータでしかないため、ガトランティス相手に通用するかといえば疑問。不安定な戦闘データに頼るというのは極めて危険であり、にもかかわらず採用して信頼してしまう防衛司令部も中々に危険である。


 練度や作戦指揮の熟達という意味では、2において露呈した。つまり、ヒペリオン艦隊は土方司令の命令に正直すぎた結果、主力艦隊との連携が取れずにバルゼー指揮下の第二艦隊に捻り潰されたのである。

 また、さらばにおいても撤退プランの詰めの甘さで主力艦隊が消滅した。こんな状態の艦隊を送り出して大丈夫だと思っていた防衛会議の質の低さよ……


 訓練なしでもそれなりに戦えるって事は人材育成の必要性が低いという事で、練度向上がいつまでたっても後回しにされてしまう。あるいは、後回しにするために、高性能な艦を造ったのか。どちらにせよ、人間の戦う艦ではないという真田さんの説明も合点がいく。それで、艦隊はさらばにせよ2にせよ全滅したわけだし。


 現実に、POWも対ビスマルク戦では初期不良、マレー沖では練度不足のまま艦載機からの攻撃を受けたもんだから……。練度不足や整備不足でいえば、もっと古いトラファルガーで大損害を被った仏西連合艦隊なんかも例に挙げられる。

 

 

 

 第二期地球艦隊のガトランティス戦役までの投入は極めてタイトスケジュールだが、やって出来ない事はない。しかし、裏には目まぐるしく方針の変わる防衛司令部や地球連邦というポリティカルサスペンスを想定する必要が有る。たった一年で民衆は腐り得るが、その想定もしなければならない。

 そして、これらの要因は軍の能力を著しく低下、不安定化させる要因となる。

 

 さらばのアンドロメダ艦長も、ヤマト2の土方総司令も両提督とも決して下手をうって敗北したわけでは無い。艦隊も非常に強力であった。

 しかし、それを支える人間や、地球防衛軍の環境に問題があった。

 払拭すべき問題を先に対処せず、力任せの艦隊整備を行った結果、全艦喪失の憂き目にあったのである