旧作ヤマト考察協会

第一作から完結編まで、旧作宇宙戦艦ヤマトを出来る範囲で現実的に考察するブログです。

ヤマト①――宇宙最恐の戦艦――

 


 宇宙戦艦ヤマト

 それは地球の希望にして、宇宙最凶の戦艦の名である。

 

 


 
 データ
 全長:265.8メートル(復活編では280メートル)
 全幅:34.6メートル(復活篇では20メートル近く拡)
 全高:77.0メートル
 基準排水量:62,000トン
 最大速力:光速の99.9パーセント
 乗員 114名
 主機:波動エンジン1基
 補機:補助エンジン2基
 兵装:艦首波動砲1門、48センチ(ないし46センチ)三連装衝撃砲塔3基、20センチ(ないし15センチ)三連装衝撃砲塔2基、煙突ミサイル8セル、艦首魚雷発射管6門、後部同発射管6門、舷側ミサイル発射管片舷8門、連装対空パルスレーザー砲片舷4基、連装小型対空パルスレーザー砲片舷8基、艦橋3連装対空パルスレーザー砲片舷2基、艦橋対空パルスレーザー砲片舷1基、4連装対空パルスレーザー砲片舷3基、側面機雷投射機、波動爆雷投射機
 艦載機:コスモゼロ、ブラックタイガー→コスモタイガーⅡ
 艦載艇 :コスモハウンド(ヤマトⅢ以降)、救命艇(さらば以降)、上陸用舟艇(さらば以降)、中型雷撃艇、修理艇ないし運搬船、100式探索艇、特殊探索艇

 


 
 ヤマトが滅ぼした勢力はあまりに多い。

 たとえ滅ぼされずとも、関わっただけで大きく勢力が衰退する。この悪魔の艦に関わった勢力は全て累々たる残骸を宇宙に晒すのだ……。

 

 

 “被害者”1ヶ国目:ガミラス帝国
 ヤマト記念すべき初陣、意図しなかったとはいえどもガミラス本星を居住不可能にした行く先の基地を必要が有ったとはいえ、ことごとく使用不能にして、来襲する艦隊をことごとく粉砕していったのである。案外波動砲の使用も簡単に決定。

 他方で、ガミラスも民族の存亡をかけた戦いであった故に総力を挙げて迎撃。その最終局面では、本星を以てその進軍を阻止しようとしたがすさまじい攻防の果てにガミラスは敗北。そのあおりを食らってガミラス星自体がほとんど居住不可能になってしまう。事実上の滅亡

 

 総統に対しては本星まで荒廃させたのには賛否の意見がある。(物語としては確かに賛否はあろうが、ウォーシミュレーションとしてはあり得る展開とも……)

 が、実は亡命政府が我らガトランティスの庇護のもと樹立されていた。

 総統はもう一度ヤマトを打ち破るべく戦闘を試みたが、さらばにおいては敗北。ヤマト2においては幸いにもステールメイトに持ち込んだ。しかし、国家再建ができてない以上、滅ぼされたままであるし、敗北であることに違いはない

 

 


 “被害者”2ヶ国目:大帝星ガトランティス
 「全宇宙はわが故郷」をイデオロギーに掲げ、全宇宙を席巻する帝国主義国家

 国家=存在理由、存在理由=国家である。最大にして究極兵器である白色彗星の内側に、移動大本営ともいえる都市帝国が内包されている国家そのものが科学の粋と言える。

 元々、敗北は即滅亡な危険な国家体制だったのであるが、その圧倒的な武力において敵を常に圧倒し、その危険はないと思われた。また、侵攻に用いる艦隊は大型の戦闘艦を中心に編成された大戦力で、地球艦隊史上最強の世代を相手に真正面から正攻法で攻撃を敢行した。

 

 しかし、前線するも前衛艦隊は敗北。最終的には地球艦隊やヤマトを前者は壊滅させ、後者は戦闘不能になるまで追い込んだ――が、ヤマトクルーに感化されたテレサに阻まれ光芒の中に消える。国家消滅

 とはいえ、最強の地球艦隊を殲滅し、更にヤマトを相打ちに持ち込んだ、確実に史上最強の勢力である

 

 


 “被害者”3ヶ国目:暗黒星団帝国
 ガミラスに近い、「地球人の健全な肉体が欲しかった」という切実な願いのもと地球に侵攻。グレートエンペラー時代に目を付けた地球を、聖総統の時代に入ってから侵攻を開始したため、非常に綿密な計画と迅速な実行力を以て地球を占領した。これは敵勢力で初めての事。

 メガロポリスを急襲して民軍構わず攻撃したためかなり問題のある開戦となった。本星の地球への偽装など、奇想天外な作戦を敢行するなど、結構地球人やヤマトクルーの神経を逆なでする傾向が強い

 とはいえ、だからと言って本拠地の属する二重銀河ごと消滅させられるのは哀れすぎる……。史上、最も派手に滅んだ国家

 

 


 “被害者”4ヶ国目:ボラー連邦

 ガルマン・ガミラス帝国の仇敵であり、周辺の星々を陣営に飲み込み従える核恒星系の超大国味方したというだけで地球を陣営に組み込もうとした、現実の見えていないと言うべきか頭がおかしいというべきか悩む感じのやつら

 丸腰の相手に攻撃はしない紳士・デスラー総統とは違い、ボラー連邦はためらいもなく攻撃。やっぱり現実の見えていないボラーのトップ・ベムラーゼ首相はのこのこ太陽系圏内へ侵入し――自業自得な展開に。モンキーモデルなんてものを構成国に輸出した罰が当たった

 あまりにも中途半端な終わり方で、国家が滅亡したのか不明。指導者を失ったのだから多分、分裂するだろう。

 次作で時間を巻き戻された挙句に、天変地異に遭遇して多分滅亡。

 首相をおく大統領制国家はかなりのパターンで首相の方が権限が強いので、大統領が出てこないというのも別に不思議ではない。説明をしなきゃ突っ込まれるのは必至だけど

 

 

 “被害者”5ヶ国目:ガルマン・ガミラス帝国

 ボラー連邦と天の川銀河の支配権を巡り勢力圏争いをする超大国

 ガトランティスから離れたデスラー総統が、流浪の旅の中でガミラス民族の母集団をボラー連邦領域に発見。これを速やかに解放・吸収して打ち立てたのがこのガルマン・ガミラスである。

 技術は一部ガトランティスからの流用であり、プロトンミサイルも考え方と使い方は破滅ミサイルそのもの。能力主義らしく、ガミラス人の登用にこだわらずガルマン人の登用が非常に多いとみられ、特に東部方面軍は地球やヤマトの存在を知らなかった

 幸いにも宿敵ベムラーゼ首相を滅ぼすことに成功、一時は天の川銀河の支配権を確立した――かに見えた

 が、次作で時間を巻き戻された挙句に、天変地異に遭遇して多分滅亡。

 しかし、カッコいい雄姿を最後の最後に見せてくれた

 

 


 “被害者”6ヶ国目:ディンギル帝国
 アンファ恒星系第4惑星ディンギルを中心に栄える神権国家。

 さすがに、こいつらは自業自得。映画版ならばウルクの起動が遅れた――とか説明は付けられるが、にしたって2,3秒の距離ぐらいアクエリアスをワープさせられなかったものかね。更に、ほかの媒体では臣民を思いっきり見殺しにしている。何という人でなし……

 

 基本的に地球人から見ればあまりに卑怯な手を使うのが、常套らしい勢力。罰が当たって波動カートリッジ弾で移動要塞母艦他、太陽系制圧艦隊を喪失。波動砲でなけなしの艦隊を殲滅され、強行着陸されて市街地はボロボロ。

 最期は何とヤマトではなくデスラー総統・怒りの突撃で全員宇宙の藻屑へ当然の帰結です。

 多少可哀想だったのは、最後のディンギル人になったかもしれない大総統自身の息子を自身の手で殺めてしまったこと。これは、さすがに哀れ。

 

 

 

 以下は一応、旧作の流れに乗ったシリーズという事で列挙する。本当は同じ枠組みに入れていいのか、大いに疑問な作品だが。

 

 ヤマト復活編より―“被害者”7ヶ国目:アマール
 大ウルップ星間国家連合を構成する一国。中東のイスラム系国家風なイメージの比較的豊かで、軍事力はあまり高くない

 単なる好意か政治的な動きかいづれにせよ王宮と軍で意見が分断されるという国家的危機が地球人の移民によって発生。しかも国家連合が地球を敵と認識したため、あおりを食らって制裁発動される。が、最後には国家としてのプライドとアマール人の自由を守る為にSUSと対峙することを決定、守備艦隊が全艦発進。地球艦隊と舳先を並べて共に戦った。

 多分、滅亡はしていない。現状は。

 古代の勝負勘が大分鈍っていた為、アマール星守備艦隊がヤマトを援護せねばならなくなった。そして、ヤマトを守るべく前進――ハイパーニュートロンビームの照射を受けて全滅してしまった。パスカル将軍……

 これからは政治力が試される局面であることは間違いないが、全権大使的立場だったパスカル将軍を失った痛手が回復できるかは大いに疑問。肝心のイリヤ女王が政治手腕を見せたシーンがない為、非常に不安である。

 


 被害者”8ヶ国目:エトス
 アマール同様に大ウルップ星間国家連合を構成する一国。独自の武士道を持つ、プライドの非常に高い国家。地球の古代国家よろしく、高位軍人=概ね政治家と言うような体制とみられる。

 闘将ゴルイ提督に率いられた守備艦隊が国家連合隷下の連合艦隊に参加、ヤマトら地球艦隊と交戦する。が、その過程で感化されてしまいアマール星上空でSUS連合と敵対・国家連合を離反し刺し違える覚悟で突撃を敢行。艦隊は全滅するものの、SUS艦隊旗艦マヤを仕留めた。

 滅亡したかは不明守備艦隊の主力を喪失している以上、かなり危険さらに保守系であるゴルイ提督を失った――と思われるのもかなりマズイ。国家運営は難しい局面を迎えると思われる。

 その後のエトス星の命運は2柱神=西Pと太陽族の親玉のみぞ知る。と思ったら次代にバトンタッチ……不安。


 被害者”9ヶ国目:SUS(Space United States)
 正式名称がイマイチ不明な、大ウルップ星間国家連合の中心国家。戦乱をまとめて平和と国家連合樹立を呼び掛けた巨大国家で、圧倒的な軍事力を誇るまるでアメリカだ。しかも主要基地である要塞が国家連合の議場を兼ねているのだから恐ろしい。

 軍総司令官と総督の力関係がなぜか逆転しているが、先軍政治を強調しているのだろうか。戦闘の仕方がまずく、同盟国がドン引きして手を引く中でも戦闘を続行。

 挙句、自艦隊を自ら滅ぼし、巨大要塞まで失う羽目に。滅亡したかは不明だが、南北程度の分裂は必至。なんなんだよアンタら……結局さ。


 被害者”10~11ヶ国目:ベルデル、フリーデ
 SUSに騙されて地球と戦闘、無駄な損害を出した。

 緑っぽい艦内照明が好みなのがベルデルで、航空戦力を重視している。赤っぽい塗装が好きなのがフリーデで、ミサイル兵装をどの国よりも重視している。

 今後、国家連合の中のパワーバランスが確実に変わるが、よりどころにしていたSUSが大損害を負った今、この二か国が生き残れるかは不明。少なくとも地球勢力と協力関係にあるアマールには、戦っても勝てない事は確実。

 

 

 つまりヤマトは3ヶ国を滅亡に追いやり、内一か国の存する銀河も消滅させたのである。

 衰亡した2大超大国は見る影もなく、その結果銀河に戦乱が発生。更に復活編の登場国家を加えると合計5ヶ国に大損害を与え、2ヶ国に立ち位置の確認を強要するという結果になっている。

 しかも、うち2ないし3ヶ国は友好国や友好関係を結びうる国である。どんだけ疫病神なんだよ

 

 更に更にィ!

 

 地球艦隊は何度も壊滅の憂き目にあっているが、そのうちガトランティス戦役とウラリア戦役に加えてディンギル帝国戦役、ならびに対SUS戦では間違いなく古代進に大きな責任がある。適正な脅威判断や入手した情報を司令部に上げず、あるいは指揮系統を理解せずに情報を不適切に扱ったのか。

 ともかくとして、アンドロメダ以下の第二期地球艦隊はガトランティスの戦略にはまって壊滅第四期地球艦隊もまた、ディンギルの奇襲的戦術にはまって全滅した。SUS機動要塞戦では個艦戦闘に注力しすぎてD級や“スパドロメダ”を見殺しに。挙句アマール星守備艦隊も犠牲になった。
 何と罪深い艦であろうか。

 

 

 

 そんなヤマトの性能と、その整合性に迫ってみたいと思うどんな導入部だよ……。


 さて、宇宙戦艦ヤマトの中で最もご都合主義と呼ばれ、あるいは神聖視されてロマンとして扱われるのが、この地球戦艦ヤマトだ。

 ご都合主義の最たるものとして、数値がある。このヤマトという戦艦についての数値面でのご都合主義――これは私も擁護できない、というか数値はほとんど擁護した事ない――は極めて大きな問題である。リメイク製作陣に限らず二次創作者やその手前の頭の中で妄想して楽しむ同志諸君にとっても、頭が痛い問題なのだ。

 私も遅ればせながら頭を痛めたいと思う。

 

 

 数値の再設定
 265メートルではあの艦橋等の描写にならない事はどうあがいても事実である
 大体、ブラックタイガーが40機近くも艦内に積まれているが、元になった大和が艦載機を6ないし7機しか積めないのに、あり得ようはずがない(天知茂風)。

 しかも、元々の大和が積んでいた零観や零式水偵はそれぞれ全長9.5と11.49メートルしかない。全長17メートルのブラックタイガーや40センチ全長の伸びたコスモタイガーⅡなど、二桁機数格納できるはずがない。


 忘れがちだが、大和の7機だって実はたいそうな艦載機数なのだ。
 機数でいえば、航空巡洋艦などと称される利根型重巡洋艦と同数。無論、より格上の最上(上限11機)や伊勢型戦艦(改装後上限22機)に比べれば図体のわりに全然積んでいない事になるが、設計段階で計画された搭載機数としては確実に多い。

 零観や零式水偵積みこみにあたり、前者は“戦闘観測機”とも呼ぶべき性能を(大戦当初は、熟練パイロットの手によって)発揮し、後者は“雷撃観測機”とも呼ぶべき性能であり(大戦当初は、熟練パイロットの手によって)、それなりの機数が発艦出来た場合は一定程度の攻撃力を持つ水上機編隊となり得る。

 


 脱線したので話を戻します。
 まずは簡単にクルーの主たる活動場所、艦橋について


 ヤマトの艦橋は元々のヤマトの艦橋より明らかに横幅が大きい。一度でも大和の図面を見たことがあれば、真っ先に気が付くであろう。簡単に言うと、大和は長方形に近い塔型の艦橋であったがそれがヤマトに改装されるにあたって正方形ないし桁行ではなく梁行き方向が長手の長方形に変更されている。残念ながらヤマトの正面図を当たっていないので、正確な事は言えないが、先ほど述べた通りの形状なので艦中心線方向の数値が判るだけでもある程度は推測が出来るだろう。
 単純にヤマトの図面を265メートルで計算すると――

 

 第一艦橋:艦中心線方向9.6メートル
 第二艦橋:艦中心線方向13.8メートル
 第三艦橋:艦中心線方向20メートル

 

 であるが、これは多分通路の分を勘定していない。図面が厳密には横断面図(パンフレットのやつですから)では無い為正確なものは分からないが、実質の床面積はより少ないだろう。エレベーターのスペースなのだろうが、結構幅を取る。

 故に、恐らく――

 

 第一艦橋:艦中心線方向5.5メートル
 第二艦橋:艦中心線方向6.9メートル
 第三艦橋:艦中心線方向13メートル

 

 ぐらいだろう。護衛艦こんごうのCICは艦幅21メートルの結構ギリギリまで幅を取っているし、艦橋の操舵室面積もそう変わらない規模で取られている。まあ、まずまずの規模である。が、描写からすればかなり狭いんじゃァないだろうか。まあ、こんな程度は……序の口。もっとまずい問題として、艦載機収容能力がある。

 先に述べた通り、全く持って論外レベルにスペースが足りないのだ。

 

 

 艦載機を積む。 
 ヤマトの艦載機数は恐らく40機。何故そう言えるかと言うと、七色星団決戦での描写でブラックタイガーが全機発進する際の格納庫右舷側の俯瞰カットがあった。この際、立体駐車場――もとい、駐機場は縦4段横4列の計16機が描かれていた。左舷側も同様だとすると、倍で合計32機。


 考察において問題なのが描写のブレ。
 一度たりとも端から端まで格納庫が描かれていた事は無く、第一シリーズで複数登場したコスモゼロの分の格納庫は……さてどれだけを用意すべきか。妥当なところで左右に一列をプラスして8機分のスペースを確保しておこう。とするとコスモゼロ、ブラックタイガーと予備の機体の合計が40機となる。

 一時に半数強ないしほぼ全機を発艦させるため、40機弱を稼働可能機体・補用を数機として勘定すれば劇中の描写と合致させられるだろう。

 

 ブラックタイガーは全長17メートル全幅7.9メートル、コスモタイガⅡーは全長17.4メートル全幅8.2メートル全高3.2メートルとの設定が一番浸透している。
 数値が近似なのに一つ考えられるのがブラックタイガーが余剰の多い設計であったという可能性。その無駄を削減した結果が、コスモタイガーⅡ。あるいは枠組みを共通することで艦内配置の設計を簡略化することをもくろんだか

 

 

 問題はどの程度の容量が必要かという事
 推測するにあたって、ブラックタイガーを縦17メートル横8メートル高さ3メートル……だとギチギチに詰まってしまい整備だとか移動だとかが完全に不可能になってしまうため、余分なスペースを取って縦21メートル横14メートル高さ8メートルの立方体として考える。
 つまり2352立米。32機分だと7万5264立米、40機分だと9万4080立米となる。高さ32メートル横69.6メートル奥行き14メートルの躯体が2つ、40機分だと高さ32メートル横87メートル奥行き14メートルが2つという計算になる。
 困ったことに、ヤマトの発艦口付近の水線下は13メートル程度しかない。格納庫内をエネルギー伝導管が通っている描写はない為、中央より下と考えて構わないだろう。完全にはみ出てしまう……。


 高さ32メートルはほぼ確定だ。これより小さくなることはないといえるだろう。だって駐機場機構の分は勘定に入れていないから。問題は長さである。次に問題なのが幅。14メートルに機構分をおまけして16メートル幅の格納庫が二つ並列に並び、その間を滑走スペースが存在する。
 ブラックタイガーのうち、山本機が格納庫内をあっちへこっちへ激突して停止したことがある。そこから考えてブラックタイガーの全長分は最低でも幅としてほしい。多少余裕を持たせて21メートル程度か。となると格納庫内全体の幅は53メートルは確実な線となろう。これはあくまで内寸だから装甲だのを合わせると更に2から4メートル程度はプラスする必要があろう。合計で57メートルぐらいか。
 この時点で艦幅34メートルを大幅に超えてしまう格納庫の長さが70から80メートルと全体の1/4を超えるのはもう問題にならないだろう。

 

 どう頑張っても巨大な躯体が艦尾付近にぶら下がる状態になってしまう事には変わりないのだから

 

 2199や2202のようなリボルバー的の格納・カタパルト射出であれば16機を3機+α程度の幅で納められる。格納庫の長さも2機+αと全長の拡大も相まって占める割合は1/8程度となる。が、この陳列タイプだとどうしても巨大になってしまう。だから原作の描写に寄らない、リメイク作の解決方はかなり合理的でうまくいっていると思う。

 

 

 ただ、あえて旧作の描写にこだわるのがこのブログ。故に全長再設定を続行する
 艦幅を2倍にした場合、大和のシルエットであれば72メートルを大体の場所において確保できる。ヤマトが若干細身であることを考慮しても、大した問題はないだろう。水線下も2倍寸法にすると26メートル程度で、多分艦載機格納スペースは描写通りの規模で収納できるだろう。

 さて、このスペースは方形である為どうやっても一辺が弧となるデッドスペースが生じる。が、この部分を補助エンジン関連のパイプ用の通路を確保できたという見方も可能。被弾が心配だけど。艦の幅をもう少し増やして1段を4列の両舷8機をプラスして格納するという方法もあろう。

 

 増やさない場合はその他舟艇の格納場所と出来るだろう
 救命艇が艦首側の微妙な位置に格納されている設定だが、他の機体や舟艇の格納場所は判然としない。もし、横倒しで格納するとすれば、上陸用舟艇や中型雷撃艇も格納できるくらいのスペースは確保できる。
 ヤマトの艦載艇は複数存在し、17.3×17.7×推定9メートルの上陸用舟艇や11.9×9.5×推定9メートルの救命艇、他にも探査艇や後期作品ではコスモハウンドなどの多数の舟艇を格納する。面倒なので20×20×15=6000立米で計算して16隻ほどを搭載(大和が内火艇11、カッター5を搭載していたという説に基づく)として9万6000立米を一旦計算してみた。多分、そんなに多くあっても復活編以外で艦載艇大集合は見られないため、半数で十分だろう。この場合8隻、4万8000立米となる。


 検証するには何千分の一でも構わないからモックアップを造る必要がある為、ざっくり計算をした上の感覚でしかないが、描写を変更せずに必要な機数を収容するには、幅53メートル長さ87メートル高さ32メートル;14万7552立米が必要。艦の能力を維持したまま、艦の形状を維持するには2.2倍以上3倍以下の範囲で拡大する必要が有る

 本当は余剰となってた燃料庫の分をスペースに充てたいが、そうすると描写が変わってしまうため却下。
 


 
 後は実体弾の問題だ
 ミサイル発射管は26門、装填済みの1発と予備2発に加えてできればミサイルと魚雷を両方用意しておきたいため、78発の倍(から煙突ミサイル分を除くと)だから132発が必要であろう。煙突ミサイルの8セルに関して言えば缶から延びる元の煙炉に相当する部分を利用すれば2・3発程度は収容できよう。
 面倒なのでトマホークよりいくらか大振りでざっくり全ミサイルを統一想定する

 つまり、直径60センチ全長6メートル;1.6立米。(矩形として計算した場合は2.16立米)これが132発だから211立米から必要な容量としては285立米が最大となる。これをどこに突っ込むかといえば、大和の元々の燃料庫。単なる計算でしかないが、ここは相当な容量がある為、利用すれば艦容を変えずに済む。

 

 元々の燃料庫のスペースは重油6300トン=630万リットルを収容できる。重油は1リットル当たり水1.2リットルに相当するため、換算して525万リットル故に5250立米ほどあり、これらはヤマトの運航には必要ない為転用できると考えられる。


 現代の戦闘機は例えばF35Bだと6123リットル燃料を搭載できるらしいので、単純計算すると全機を1回補給するのに24万5000リットル。まあ、重油とジェット燃料では全然話が違うし、もっと言えば液体燃料であるかどうかしたい不明である。ちゃんと考察すべきだが、今回はコスモタイガーⅡが主題ではないため省く。


 で、全体燃料庫全てを航空燃料にすると21回分補給できる。

 普通の空母は10回程度の補給が行えるぐらいが基本の容量である為、半分は別の目的に利用したい。262万5000リットル=2625立米、艦載機格納に回したところで大した分量にはならないが、艦載機用の爆装・雷装用の兵器搭載と考えると相当な分量になる。

 

 煙突は喫水線から頂部まで30メートルほどで長径8.5メートル、幅4メートルとなる。長射程の煙突ミサイルが入っているから20メートル近くが既に“消費”されてはいるもの、残り部分の煙炉はいまだ手付かず。これを艦首から艦中央部まで直径が2メートルぐらいで引くことが出来れば、エンジンノズルまでの距離は元のシャフト格納部を利用して軸線を整える事が出来る。つまり、波動砲と波動エンジンとエンジンノズルを繋げられるのである。

 


 やっぱりネックは艦載機・艦載艇ですね。
 どうにもこうにも総計19万立米が原作設定値では艦内に入らない。“描写に忠実であれ”という大前提を放棄してもどうにも入らない。
 まあ、仮に艦内に入ったとしてもその配置は設定画とは目も当てられないほどに大幅に異なるものになるだろう。だって単なる数字合わせだから。各省庁の官僚や政治家がよくやる予算付け替えと同じ、解決策である場合も多いがしかし、多くの問題の核心に目をつむった策である時は単なるまやかしでしかない
 やっぱりちゃんと全長を設定しなおす必要が有ることが再確認できたと思う

 

 

 

 艦橋を吟味する。
 艦橋の面積について、話を戻そう。艦内描写において、ヤマトは常に倍角寸法で描かれているらしい
 倍角寸法とは実際の寸法の倍の数値になるような見え方や描写方法の事である。1000立米の立方体を倍角で取ればそれは8000立米に見える――例えが例えになっていないので……桁行き10メートル梁行き10メートル階高10メートルの部屋が20×20×20メートルに見えるという事と説明しなおす。
 第一艦橋は大体20メートル四方に匹敵する大きさで描かれている。倍角であれば半分であるから10メートル四方。では実際のヤマトの設計図はどうかといえば――もう一度数値を見せよう。

 

 第一艦橋:艦中心線方向5.5メートル
 第二艦橋:艦中心線方向6.9メートル
 第三艦橋:艦中心線方向13メートル

 

 である。

 この時点で話にならない。予想床面積は第一艦橋は20畳程度=10坪、第二艦橋30畳強=15坪、第三艦橋は約100畳=50坪ぐらいとなる。

 第一艦橋に関しては薄っすら手狭なLDKといったところだろう。普通の家具が置いてある程度ならば当然、問題なく暮らせる――じゃない、操艦や指揮に当たれるだろう。

 第二艦橋はゆったり過ごせるLDKあるいは2台入るガレージ(6000ミリ四方)より少し広い。

 第三艦橋いつもなにがしかの整備のための基地になっているが、さすが、車8台分のガレージに相当する。他が狭いという見方もあるが


 ネットにあった計算フォーム(中京間計算だった)を使っているため、普遍的なものではない。が、そんなに外れた数値ではないはず。私が打ち込み間違えていなければ。にしても……広いような狭いような。描写との比較で言えばまるっきり狭すぎる。だが、常識外れに狭いかどうかは微妙な所。

 様々なテーブルだのコンソールだのが置かれた空間であり、また描写と一致させるには、やはり2倍から3倍の間で拡大する必要が有るだろう。

 仮に2.2倍すれば――

 

 第一艦橋:艦中心線方向12メートル
 第二艦橋:艦中心線方向15メートル
 第三艦橋:艦中心線方向28メートル

 

 これならば第一・第二艦橋が手ごろな数値に拡大したし、第三艦橋は整備機材を集中運用できる基地としてかなり大型化できた。少なくとも、CICが大型化した現代の艦艇並みのスペースを確保できたのではないだろうか。
 しっかし……第三艦橋を巨大化させても、これでもデスバテーターより小さいんだからアイツがいかに大きいかが判る。
 

 

 全長の再設定値

 艦体を2.2倍して人体寸法を用いる部分はそのままにした場合、大体の部分が割合すんなり収まるという事が言えるだろう。つまり、艦載機格納スペースなどの艦内描写が妥当になるということだ。
 そこで、全長をもう一度計算しなおす。

 

全長:584.76メートル
全幅:76.12メートル
全高:169.4メートル

 

 これが妥当なラインではないだろうか。

 この数値で個人的に評価してほしいところは、当ブログが妥当だと推奨する再設定値の内、アンドロメダよりも一回り小さく、主力戦艦より大きいという点。
 ヤマトの全長に対し副砲は約9.7メートル(を2倍)、煙突は約13.8メートル、カタパルトは約20.7メートルを占める。そこにバウ(バルパスバウとか伸びた波動砲口等の全部)の長さ27.6メートルが加わる。つまり合計で61.42メートル、2.2倍すると179.12メートルだ。ヤマトの全長からこの数値を差っ引くと主力戦艦の再設定値に近い405.64メートルとなる。
 どうだ! 私の想定もまんざら間違ったものじゃないでしょう?  

 

 

 モックアップを作るのが一番であるが地球のどこにもそんな予算はない為、正直な話……どの数値が正しいのかは確定できない。ただ、最低限の値は算出できるだろう。多分、今回できたのではないかと思う。数学ぎらいの文系が行った計算だから、信用度は低いけど。
 次回はヤマトの活躍を網羅的に考察する。