旧作ヤマト考察協会

第一作から完結編まで、旧作宇宙戦艦ヤマトを出来る範囲で現実的に考察するブログです。

暗黒星団帝国兵器群 自動惑星ゴルバ――機動拠点――

 

 独特なデザインと、指揮官たるメルダーズの圧倒的インパクトによって印象付けられた自動惑星ゴルバ。何より、デスラー砲の直撃を以てしても撃破できなかった非常に強力な、中型機動要塞である。

 

 

 ――データ――

 名称:ゴルバ(Goruba)

 分類:自動惑星(Autostar)
 全長:720メートル
 全幅:432メートル
 武装:回転式巨大砲(主砲)8門、上部ミサイル発射口多数、上部光線砲発射口多数
 搭載機 :戦闘ヘリ

 搭載数:不明

 

 

 デザイン、構造
 尖底土器、あるいはタコが逃げ出そうとしている前衛的デザインのタコつぼ。鼎の親戚でもいい。

 丸い頭にくびれた胸、伸びた足というベースのデザインで頭に角が2本引っ付いている。頭には半円の突出部が4つ、脚も4つだがこれはエンジンに直接の関係はなく、多分保護か何かをして居るのだろう。
 エンジンノズルは底についており、真ん中の一つを囲むように7つが円を描く。頭には9つの姿勢制御用小型エンジンノズルを有するが、全周に噴射口がある可能性も否定できない。


 指揮所は頭頂部にあり、戦闘時はこれが3脚で支えられながらせりあがる。

 指揮所がどれだけの大きさであるかは不明。変形5角形が5つ組み合わさった窓を有し、その上端と同等の高さに指揮官席がある。蝙蝠的7角形のモニターがあり、窓枠にドラレコ風に設置されている。室内は赤が中心の薄暗い空間だ。
 大体直径40メートル程度の一辺が弧、それ以外が直線の変則形状な空間なのだろう。幸いにも角を含めてだろうが、幅が400メートルも確保されているからいくらでも設置は可能。比率から言って推定80メートルほどが主要部から自立して戦闘モードに移るが、この中に十分確保できる。

 内部には長官専用の通信室がある模様。これは何と指揮所よりも大型であることが推測される。これは正直、無駄スペースな気が……。

 

 

 兵装、戦闘ヘリの搭載
 戦闘ヘリは全長は40メートルとデスバテーター並み。これが画面上では12機程確認可能。幅が約400メートルある=直径400メートルほどの駐機場が確保できるという事であり、仮にもっと面積が小さかったとして300メートルほどが確保できれば十分だろう。予想としては、1/4円に一段6機の2段重ね――総計48機が妥当な数と言えるのではないだろうか。
 巨大戦艦のそれを考えると、大差ないというのは正直残念である。もう一段増やして72機を標準としてもいいかもしれないが……戦闘ヘリのけた外れの大きさを鑑みると、必ずしも数を巨大戦艦以上にする必要はないかもしれない。これは考え方や好みの差という事になろう。

 

 全長:720メートル
 全幅:432メートル
 武装:回転式巨大砲(主砲)8門、上部ミサイル発射口多数、上部光線砲発射口多数
 搭載機 :戦闘ヘリ
 搭載機数:常用48機+10機


 ゴルバの目玉の一つは超大型砲、通称α砲だろう

 一門当たり50メートルは下らない。恐らく、ガトランティスの超巨大戦艦の超砲身砲に相当するだろう。一門と言っても正確には、内部に6門を円形に配し中央に1門を組み込んだ7連1組である。であるから1門当たりの砲口は本当は10メートル強程度。これでも十分巨大だが、印象は少々異なるだろう。
 他にもなんだかわからない武装帯があり、ミサイル砲とビーム砲に機関砲がしこたま積み込まれている。これの制御には多数の要員が必要らしく上下二段で16人程の人間が担当していた。

 

 

 全長の再設定

 デスラー戦闘空母が原作設定値なら、ゴルバは実は設定し直す必要はない。

 ゴルバ自身の問題で数値を設定し直す必要性は、意外にも存在しないのだ。周りのデザインとの兼ね合いにのみ、設定し直す必要が出てくるのである。

 

 砲口が50メートル程ある故、戦闘空母の幅32メートルに十分対応でき、ウェルカム。ところが、戦闘空母は原作設定値ではお話にならない数少ないガミラス艦の一隻だ。再設定を行うと幅が70メートルを超え、ましてデスラー戦闘空母の場合は100メートルをわずかに上回る。

 ざっくり、倍がゴルバの再設定値における妥当な倍率だろう。搭載数は面積に応じるわけで、4倍であるからつまり――

 

 全長:1,440メートル
 全幅:864メートル
 武装:回転式巨大砲(主砲)8門、上部ミサイル発射口多数、上部光線砲発射口多数
 搭載機 :戦闘ヘリ
 搭載機数:常用212機+20機


 となろう。元々、紆余曲折合って通り名がそのままになってしまったゴルバ。どう頑張っても名前負けしてしまうのだが――、少しは挽回できたのではないだろうか。少なくとも、巨大戦艦よりもはるかに火力が上、はるかに強力な航空戦力を有する。

 そうはいっても、どう頑張っても、規模から言えば自動小惑星、になってしまうが。

 

 

 防護方式の推測
 防護力は磁界塗装による反射、などがあげられる。

 別に強固なシールドを展開しても構わないだろうが、戦闘ヘリの出撃や指揮所の格納であるとかを考えると可能性は低いだろう。

 むしろ、強力な磁場を展開し、そこにピン止めする形で戦闘ヘリの迎撃部隊を展開するという方法もあるかもしれない。だとすれば、防護壁のような強力なシールドでは無く、あくまで敵弾エネルギーを減衰させる&味方部隊の展開援護が主眼となろう。

 うまくいけば誘導弾や運動エネルギー弾程度は阻止できるかもしれない。


 自動惑星ゴルバに関しては、ゴルバ型浮遊要塞とは異なり、巨大エネルギーに抗するためには指揮所を格納する必要が有る。このことを考えると、実際的なエネルギーの受け皿はゴルバ自身の表面装甲ないし塗装で、であるから指揮所を格納して防護体制をとってからデスラー砲に正面からぶち当たった。だから問題なかったという事か。

 反射ないし、あの真っ黒さを考えると熱として吸収しても構わないだろう

 


 劇中の活躍
 貴族的な雰囲気を醸し出すマゼラン方面軍総司令メルダーズ座乗の同方面軍基幹戦力として登場。
 最初は、漆黒の宇宙で濃密な星間物質の中に姿を現す。ここで無駄に巨大な通信室でメルダーズ長官、グレートエンペラーに叱責を受ける。採掘船団護衛艦隊と第1艦隊――これらをまとめて遊動艦隊――をすべて失ったのだから仕方がない。

 次はなんと、頭を先にして、まるで深海を泳ぐタコのようなインパクトある登場を果たす。しかもスターシャと古代君の通信をぶった切っての登場だ。猛烈なエネルギー噴射や先に述べた磁界展開などによって通信が阻害されたというのが妥当な説明だろう。

 その後、10分間だけの猶予をヤマトらに与えて、ガミラシウムに代わるイスカンダリウムの採掘を敢行しようと試みる。が、デスラー艦隊がこれを阻止しようと猛攻撃に移る。結果ゴルバはこれを迎撃するためミサイル連射、次なるデスラー砲の攻撃にも防護体制へと移行し防ぐ。
 この反抗的な連中に対し、メルダーズは見せしめ的にイスカンダルへ砲撃を加えたが――これが総統決死の突撃を生み、砲口へ突っ込まれてしまう。さらに、スターシャの自己犠牲まで有無に至り、イスカンダル星の爆発に巻き込まれて爆散した。

 

 

 物凄く癖の強い、好みのはっきりするデザインである。私はあんまり好きではない指揮するメルダーズもまた非常に癖が強い。こっちは好き。暴れん坊将軍等でおなじみだし。しかも、猛烈なインパクトのみを残した。

 新たなる旅立ちはストーリー的にも、編集的にも非常にお粗末な面が多数あるのは事実――しかし、この自動惑星ゴルバは意外にも、インパクトという意味では十分すぎるほどの活躍を見せた。

 この自動惑星ゴルバは、暗黒星団帝国という勢力を想像させる、非常に有力かつカギになる要塞であるといえよう。