旧作ヤマト考察協会

第一作から完結編まで、旧作宇宙戦艦ヤマトを出来る範囲で現実的に考察するブログです。

第三期地球防衛艦隊 無人艦隊大型艦/無人艦隊小型艦

 

 無人艦隊大型艦アンドロメダに続く連装波動砲を備えた波動砲戦の中核を担うであろう艦である。艦隊旗艦級の戦闘艦と思われる実際に大型の戦闘艦だ。

 

 ――データ――

 艦級名:不明
 全長:300メートル
 全幅:84.5メートル
 全高:94.1メートル
 武装:艦首小口径波動砲2門(縦に並列、外部ユニット)、艦前部3連装主砲2基、艦首ミサイル発射管8門、舷側前後連結連装砲台片舷2基、連装機銃片舷4基。

 

 艦体の部位の比率からアンドロメダのような雰囲気があるが、どちらかといえば突撃駆逐艦のそれに近い部分が多い。エンジンノズルもヤマトと巡洋艦のハイブリット的コーン付きのラムジェット的ノズルであるが、なぜか扁平。外付け状態の縦連装の波動砲口と同じように非常に印象的だ。
 艦橋はカプセル的な小さい楕円と小さめのレーダーを左右に耳のように付けた非常に簡素なモノで、無人艦然としている。艦底部の同じ位置に大きなアンテナがあり、左右に増槽が付いている。前方側艦底部に大きなインテークがあり、これのサイドに安定翼がある為、どことなくアンドロメダを彷彿とさせる。他方で艦橋後方の艦体にもインテークがありこれはどこか主力戦艦風。
 全体としてメイドの低い青系グレーで、ところどころにオレンジ色の指し色が入る。

 ちなみに――海外でも,Unmannedと呼ばれるだけで、マトモな名称は与えられていない。ただ、分類はHeavy Battleshipとちょっと洒落た感じになっている。

 

 武装
 武装は前方へ集中配置されている
 艦体に比して結構大型のミサイル発射管、艦橋前についた3連装主砲塔が2基に艦首波動砲2門と、全て前方に向けられている。無論、ミサイルも撃ったあとは後方に誘導すればそれで問題ないし、主砲も260度かそれ以上左右に旋回半径を持つため、後方に十分砲撃可能。ただし、副砲がなさ過ぎて中距離戦闘が非常に脆弱。接近した敵艦への攻撃は、主砲に速射性が十分でない限り自艦では十分なそれが行えない可能性が高い。


 対空火器は総数16門を勘定し、割合に強力とも思えるのだが――困ったことにこれ多分旋回できない。つまり射角は概ね上下の合計180度のみ。舷側から突っ込んでくる敵には有効だが、艦首方向から突っ込んでくる敵には全くかすりもしない。武装配置が微妙だし、武装の構造もまた微妙で敵艦載機やそれに準する高機動兵器の襲撃に対してほとんど無力で、近接戦闘においてまともに弾幕を張ることもできない

 主砲6門も速射が可能であれば何とかなるかもしれないし、圧倒的多数で密集隊形を取ればいくらでも対空戦闘は可能なのかもしれないが――今度は対艦戦闘では団子になって粉砕されてしまう危険性がある。


 小型艦が防空任務に就くという考えもあろうが、だったら艦砲が微妙に大きく、対空兵装は純粋にダウンスケールしただけであり、ひょっとすると火力不足かもしれないない。
 

 縦型連装波動砲
 どんなタイプの波動砲かは不明。砲口からすれば第二期地球艦隊やヤマトのそれに近いが、そうであれば――通常の収束型波動砲という事になるだろう。位置も離れているため、恐らく干渉は小さいものになるだろう。という事は、単なる収束波動砲を二発いっぺんにぶっ放すという可能性が高い

 そうした理由は不明


 この艦の大型の艦体であれば十分内部に収容できるはずだが、それをしないのだから外付けにした理由を説明せねばならない。

 アンドロメダの様に接近して、だからこそ拡散タイプへと波動砲を転化できたのであれば、二門を離せば収束のまま発射できる――砲口よりもそこに掛る圧力やタキオン粒子量が問題であって、それが威力に繋がるのであれば砲口の大きさは関係ないだろう。

 あんまり高荷電状態で、しかもうねうねとエネルギー流をあちらこちらへと流すと、当然膅発事故の危険性が出てくるだろう。順序としては外部ユニットにエネルギーを供給して、そのユニット内に薬室を配して波動砲発射準備を完了するのが当然だろう。

 

 全長の妥当性

 無人艦である為、人員の為のスペースは必要ない。そのため、必ずしも大型である必要はない。特に艦載機を収容する必要も運用できる能力もない為、これを省くと艦の全長は驚くほど小さいもので済む。

 つまり、原作設定値のままで十分。残念ながらこの艦はどこからどう考えても拡大する必要性はない。

 

 劇中の活躍
 劇中は単純に派手に爆発した以外に特にない。味方艦艇と衝突した以外に特にない。自律システムがなく、カザン率いる黒色艦隊に散々に打ち破られた挙句、地上のコントロールセンターを破壊されて完全に崩壊。

 射撃練習の的になってしまった

 

 

 

 

 無人艦隊小型艦無人艦隊の数的中核を担う戦闘艦である。戦力としてレベルは高くはないが、数で敵を押し切る戦術において十分に役に立つポテンシャルを備えた艦だ。

 

 ――データ――

 艦級名:不明
 全長:180メートル
 全幅:43.5メートル
 全高:55.4メートル
 武装:艦首小口径波動砲1門(艦底部、外部ユニット)、艦橋前方3連装砲塔1基、艦底部前部3連装砲塔1基、艦尾連装固定砲1基、舷側前後連結連装砲台片舷1基、艦首3連小型固定砲片舷1基、連装機銃片舷3基、艦首ミサイル発射管6門

 

 艦容は無人艦隊大型艦のダウンスケールが否めない。若干、艦首が切り詰められ、下方にのみ外部ユニットの波動砲口が据えられている。砲台も機銃も片舷1ずつ減じられ、増槽もない。なぜか波動砲を除く艦首部が赤く塗られている。エンジンノズルは大型艦と同じ。

 ちなみに、海外ではDestroyerと分類されているが名称はUnmannedと捻りがない。大型艦と完全にかぶっている。

 

 武装

 大型艦より際立って前方集中武装
 艦首方向であれば大小合わせて16門の砲に加えて6門のミサイル発射管を指向可能他方で艦尾方向には9門の砲しか向けられない。9門に加えて艦首砲を旋回させればある程度艦尾方向にも射撃可能ではあるが、それでも艦首方向への火力集中には劣る。地味に問題なのが、側面方向には6門だけしか向けられない事であり、非常に脆弱。これは困った……

 ミサイル兵装は大型艦の半分強程度の大きさから考えて、威力も半分程度であろうことが推測される。無論、これが運用に自衛も想定した上での装備であれば恐らく有効に働く。武装大型艦よりもバランスが取れている傾向にあるのは結構意外

 

 立ち位置・運用

 立ち位置がいまいち不明で、大型艦の護衛なのだろう、或いは波動砲の総エネルギー量の確保という事だろうか。少なくとも単艦での運用はあり得ないというか、無理

 防空艦と対水雷艦の両立を兼ねた戦闘艦という立ち位置が一番説得力があるだろう。この場合、十中八九拡散波動砲であろうし、そうでなかった場合は対艦戦闘力が決定的に足りない事になる。この艦に高い対空戦闘力があるという事にしなければ……存在価値が端っから疑われることになるし
 ざっくり評価すれば――あったらあったで使える艦といえるだろう

 ただ、ローテクな制御法の無人艦隊にあっては正直、数が多すぎて指揮の邪魔になったかもしれない

 

 全長の妥当性

 無人艦である為、人員の為のスペースは必要ない。そのため、必ずしも大型である必要はない。特に艦載機を収容する必要も運用できる能力もない為、これを省くと艦の全長は驚くほど小さいもので済む。

 つまり、原作設定値のままで十分。残念ながらこの艦はどこからどう考えても拡大する必要性はない。

 

  劇中の活躍
 劇中は単純に大型艦と共に派手に爆発した以外に特にない。味方艦艇と衝突したのは印象深いが、全部やられ描写。

 自律システムがなく、カザン率いる黒色艦隊に散々に打ち破られた挙句、地上のコントロールセンターを破壊されて完全に崩壊。迎撃に都合のいい艦首方向ではなく、最も脆弱な側面からの攻撃を受けたのもかなり痛く、射撃練習の的になってしまった

 

 

 見た目は決して悪くない大型艦・小型艦共に愛嬌のある造形で、特に小型艦などは非常によくまとまった見た目で好印象。外付け波動砲や完全無人艦というのもかなり インパクトがあった。現代の技術を前提としたリメイクなどを行えば、非常に強力な戦闘艦隊にも、物語にメリハリをつけるキーにもなるポテンシャルを持った戦闘艦である。

 だが、色々ご都合主義がぬぐえない描写の数々のおかげでその輝きが全く持って鈍ってしまった。何となく登場させられた形になった護衛戦艦群以上に、哀れな感のある戦闘艦といえよう。自律機能が無いのはこれ、痛すぎますって……