旧作ヤマト考察協会

第一作から完結編まで、旧作宇宙戦艦ヤマトを出来る範囲で現実的に考察するブログです。

ガミラス兵器群 高速空母――ストーリーに埋もれた新鋭艦――

 

 高速空母(十字空母)は視聴者にガミラス有機的デザインを決定的に刻み付けた戦闘艦艇である。残念ながら登場シーンは少なく、むしろ2199でヒットした艦艇ともいえた。なんかイラっと来るが、考察してみたい。

 

 

 ――データ――

 艦名・艦級名:不明(通称:高速空母/十字空母)
 全長:不明(予想:260メートル強)
 全幅:不明(予想:260メートル強)
 自重:不明
 武装:不明
 搭載機:不明(予想:最低40機)
 機種:ガミラス戦闘機

 

 デザインは4本腕のヒトデ。4つの目のような黒い半円が生えているため、側面はカマキリの顔に見えなくもない。ヒトデの裏はガミラスパープル。胴体部の底にエンジンノズル的な何かがある一方、艦載機射出口は腕にある。

 正直な所、軍艦というより海底生物な雰囲気が強い。

 艦級名は劇中では特に呼称されておらず宇宙空母ないし高速空母としか呼ばれていない。また、個々の艦名が読み上げられることもなかった。海外だと〈Vindictive〉と艦級名が付けられていたりする様子。

 

 

 全長の推測

 搭載機であるガミラスの戦闘機が約20メートルという設定があり、そこから換算するとアームは70メートル強、中心からアームの先端までは130メートル強で全長は260メートル強となる。高さは不明だが、20から30メートルは下らないだろう。艦央部は直径120メートル。
 腕一本につき約10機強を発進させたため、収用機数は最低でも40機となるだろう。中央部ならば3段ほど、アーム部でも2段ほどが積める。中央は円状に並べるとして2列か3列、アーム部でも2列。半円で6機程詰めるだろうか。一周だと12機かそこら。一段内側だと10機か9機程だろう。
 ここから概算すると……アーム部は一本につき8機、中央部は42機かおまけして50機。総計すると、82機が最大搭載機数となるだろう。最大機数を収容する必要はないから、70機前後ぐらいで十分だろう。つまり――


 全長:270メートル
 全幅:270メートル
 全高:60メートル
 自重:不明
 武装:不明
 搭載機:常用60機+補用10機
 機種:ガミラス戦闘機

 

 数値を再設定するとしても……いや描写から推測したのだから妥当な値になっているはず。最悪、多少高さを盛れば、燃料等の格納も可能になるから、空母としての機能は確実に確保できるはず。
 仮にヴィジュアルというか、他艦との比率をそろえるならば――戦闘空母の再設定値に基づいた再設定を行うとしても、1.5倍程度にして405メートルぐらいだろう。この場合は120機程が常用として見込まれる。

 全長:405メートル
 全幅:405メートル
 全高:90メートル
 自重:不明
 武装:不明
 搭載機:常用120機+補用20機
 機種:ガミラス戦闘機

 

 艦内部にCICのような部署があり、中央に円形の大型ガミラス的モニターが配置され、更に一回り小型のものが幾つか、さらに小型のものが幾つか配置されている。室内の壁4面は円形の舷窓のような外部の状況を映すモニターになっている――と推測できる。面積は恐らく18畳から26畳の間と広いのか広くないのか微妙なライン。多分20畳前後が妥当なラインだろう。床置きモニターのせいで大分スペースが取られるため、あんまり広くはないか。

 

 

 武装/運用

 武装は艦体最上部に設けられたミサイル発射機構より放たれるガミラスミサイルに頼る。7発を同時発射可能であるが、発射機構が円形なのかどうなのかは描写がアレなので判然としない。艦載機の攻撃が通用しなかった場合の鷹の爪的なイメージなのだろう。

 基本的に快速であることを活かす運用、それも対艦戦闘が大前提なのだろう。イメージとしては三段空母に電撃戦に随伴可能かつ火力支援が可能な能力を付与したという事。つまり、三段空母の前線展開型

 であるならば、対艦兵装が中心とした武装であることも合理性は保てる。しかし、空母のくせに敵空母艦載機の攻撃にかなり脆弱というのは問題アリ。特に、ヤマトという航空戦力の塊のような存在が登場したとあらば――たとえ最新鋭であったとしてもこの高速空母はコンセプト自体が対応不可能。運用を中止する、少なくとも銀河方面軍における配備が中止されたとするのが妥当だろう。

 これをほとんど登場しなかった事に対する説明としたい。

 

 

 劇中の活躍

 ヤマト第一作の2話と4話に登場。

 第2話においてがれき状態のヤマトに対し大気圏内辺りで艦載機群を放出、艦自体もヤマトに接近して観測を試みるも――ヤマトのショックカノンに返り討ち、大爆発をしてしまった。

 第4話においては月軌道のヤマトを迎撃に出動。艦載機を放出するもブラックタイガー隊によって阻止され、艦によるミサイル攻撃に移行――するも着弾直前にヤマトがワープ。これ以降の出番はなかった。

 

 

 残念ながら活躍はしなかった

 多分、大人の悪い癖で忘れちゃったのだろうが、それで話を終わらせてしまうのはあまりに寂しい。この途中でフェードアウトした事実に妥当であろう説明を付けるならば……ヤマトという砲力と航空戦力を併せ持った、ガミラスにとっては新しい敵に遭遇したことで以前の対地球戦のドクトリンや戦闘プロットが全く通用しなくなってしまった。だから、最早時代遅れな上に潰しの効かないこの艦は、以降の戦闘に顔を出さなかった、出せなかった。そう説明可能だろう。

 よく言えば、このテキトーな扱いによってガミラスという勢力の歴史であるとかを推察できる非常に強力な情報となり得たのではないだろうか。

 劇中において活躍はしなかったが、視聴者の妄想の上には十分活躍したといえる。

 

 リメイクで出世したんだからいいんじゃない? 知らんけど。