旧作ヤマト考察協会

第一作から完結編まで、旧作宇宙戦艦ヤマトを出来る範囲で現実的に考察するブログです。

銀河系大戦(ヤマトⅢ)参加部隊 地球――新惑星探査――

 

 銀河系大戦において、地球は侵略の意図を持たずして巻き込まれてしまった。全ては新惑星探査計画に基づく行動ではあったが、しかしながらボラーの攻撃を受け、悲惨な結果になった部隊も少なからずあったのである。

 

 

 新惑星探査計画(第1期)
 名称:新惑星探査特務艦ヤマト
 規模:特務部隊
 戦力:戦艦1
 作戦域:りゅうこつ座腕・オリオン腕近接地域、地球より1万5000光年の範囲(いて座ロス方面)→Aブロック(調査範囲に変更なし)
 指揮官:古代進
 所属:地球防衛軍→宇宙開拓省・宇宙移民本部
 監督者:藤堂長官


 第3話より発進。第7話よりアルファ星域へ到達、第4惑星にて警備任務。第8話よりバーナード星域第1惑星(探査計画第一の惑星)へ到達、5年間粘った山上一家をピックアップ、同時にダゴンの前進基地を破壊した。第10話および第11話にて白鳥座方面でひと騒動とダゴンのリベンジに遭うも無事突破。

 第12話以降、地球本国での計画変更によりヤマトは宇宙移民本部の計画した新惑星探査計画に組み込まれ、探査を続行する。同話中にバース星に到達。

 第16話にてデスラー総統の招待によって天の川銀河中心に近いガルマン・ガミラス本星へと到達。翌話に二手に分かれ、真田さんは地球へ一時帰還。ヤマトは新惑星探査を続行する。第19話でシャルバート巡礼船に遭遇、第20話で惑星ファンタムに到達し上陸。しかし第22話にファンタムが粛清される様子を目撃――翌第23話、スカラゲック海峡星団β星に到達するも成果なし。第24話にてシャルバート星へと到達、ハイドロコスモジェン砲を受領し太陽系へ帰還を目指す。第25話、太陽系帰還を果たしたヤマトは直ちに太陽制御を試み、死闘の末に大きな犠牲を払いつつ成功した。


 経路:地球(我らが母星)海王星~第11番惑星ラジェンドラ号護衛任務・予定になし)アルファ星第4惑星(アルファケンタウリ・特に予定航路になし)バーナード星第4惑星白鳥座61番星いて座ロス星N0154(付近に無人気象観測ステーション)白鳥座61番星バジウド星系第4惑星(バース星)N801星系ガルマン・ガミラス本星(予定航路になし)惑星ファンタム(いて座方面、ボラー及びガルマン・ガミラスの勢力境界面・予定航路になし)スカラゲック海峡星団(目的地はβ星)シャルバート星(亜空間内、所在不明・予定航路になし)太陽(我らが太陽系の中心たる恒星)

 作戦結果:新惑星発見の任務には失敗するも、太陽制御に成功

 

 

 名称:気象観測船
 規模:特務部隊
 戦力:非武装船1
 配備地/作戦域:
 指揮官:団彦二郎
 所属:宇宙開発気象局(宇宙開発局)


  第10話バーナード星から白鳥座方面への間で遭難。不明な宇宙気流に巻き込まれるという不運と、ダゴン艦隊に遭遇する――が、発見されないという不幸中の幸い――の連続だった。観測船のSOSを受け取ったヤマトが接近、船長はダゴン艦隊の存在を脅威に考え護衛を頼んだ。しかしヤマトも待ったなしの任務であったため協議の結果、これを拒否。船長の方もヤマトの任務の重大度と本気度に感銘を受けて断念。見送られながら無人観測ステーションへと向かった。

 しかし、無人観測ステーションに到達すると、そこでダゴン艦隊の空襲に遭遇する。その勢力の大きさに驚愕した船長は危険の信号をヤマトに発信。幸いにも、船長らは間一髪ステーションから脱出したものの、攻撃の手は緩まず。船に銃撃を受けるに当たり、爆散――ロス第154惑星で破滅的遭難した。

 

 イマイチ立ち位置が良くわららないのがこの船。宇宙開発局内の気象局なのか、宇宙開発気象局なのか、テロップとセリフが微妙に齟齬が生じている。多分、宇宙開発局自体は宇宙開拓省の下位部局なのだろうと推測は可能。全く、武装がないため、余計にダゴン艦隊の襲撃に抗することはできなかった。たとえ武装があっても大して役には立たなかっただろうが……。

 地球の勢力圏のほとんど外にあるこの無人観測ステーションに非武装の船を何の護衛もつけずに送り出す地球連邦の危機意識の驚くべき低さ――いや、無さは特筆に値するこの危機意識の無さが太陽燃焼異常増進を、手が打てなくなるまで放置した原因といえるかもしれない

 

 

 新惑星探査計画(拡大――12話より始動)

 計画承認者:連邦大統領
 指揮官:藤堂長官地球防衛軍司令部長官兼務)
 所属:宇宙開拓省・宇宙移民本部
 探査方面:いて座・ロス方面、こと座・ベガ方面カシオペア方面イプシロン方面プロキオン方面
 探査分担:アジア州/Aブロック(銀河系中心、いて座・ロス方面)、北アメリカ州/Bブロック(こと座・ベガ方面)、南アメリカ州/Cブロックカシオペア方面)、ヨーロッパ州/Dブロックプロキオン方面)、アフリカ州/Eブロックイプシロン方面)

 探査船仕様:第4期地球艦隊駆逐艦に類似した船橋、断面四角の船体、船体後方左右のインテーク、船首両舷に半円の突起を持つグレーの船。非武装船。

 移民船仕様:中央船体の中央左右に断面3角形のブロックを設置。下地は黄色、最終的には船首以外はミッドナイトブルーで塗装。航続距離1万5000光年。非武装船。

 

 黒田教授が太陽制御に失敗した後、連邦大統領が恥を忍んで藤堂長官に打診したのがこの新惑星探査計画の拡大である。すでにあった宇宙開拓省の傘下として新たに設置した宇宙移民本部が監督する地球人類の命運をかけた一大計画。

 すでに出動したヤマトに加え、他に4方面へと惑星探査を敢行。太陽系を中心として移民船の航続距離を鑑みた半径1万5000光年の範囲を探索する。また、ボラー対ガルマン・ガミラスの銀河系大戦の状況を鑑み護衛戦艦を各船団に随行させてその安全を確保した。

 

 探査と場合によっては戦闘が絡むため、縦割り行政では有機的には動けない。故に横のつながり確保する理由で藤堂長官がこの計画の指揮に当たる――事前に予期していた唯一の政府関係者である事も関係しただろう――。つまり、この計画は全て長官マターの案件で彼に全てが一任されている。

 大統領の責任は? と聞きたい気もするが、その段階になったら人類滅亡だから命を持って償うという事か……。

 

 

 名称:ヨーロッパ州探査艦隊
 規模:戦隊級特務部隊
 戦力:戦艦1(プリンス・オブ・ウェールズ)、探査船1
 作戦域:Dブロック/プロキオン方面(ヤマト=銀河系中心部とほぼ正反対の方角)
 指揮官:不明
 所属:宇宙開拓省・宇宙移民本部

 

 探査方面及び名称並びに戦力は完全に推測

 ヨーロッパ州がどこを中心に探査するかは正直な所推測のしようがないものの――艦の形状から言ってガトランティス戦役を踏まえた形状。万が一、ガトランティスの残存戦力が存在していた場合、その戦訓を踏まえた戦闘艦の方が有用だろう。多分、ここの護衛戦艦は拡散波動砲を備えているだろうし、大量の敵艦隊をさばくにはこの艦が最も有用。逆算して、恐らくプリンス・オブ・ウェールズを擁するヨーロッパ州プロキオン方面を探査するのが相応しい。

 

 多分、対峙する可能性があるのはボラー連邦の服属国か、全くの独立国家だろう。たとえボラーの属国だとしても、天の川の銀河の反対側である為、必然的に影響力が低下する。

 この探査艦隊のルートは天の川銀河の辺縁からアンドロメダ銀河方面をめぐるもので、可能性は低いがガルマン・ガミラスの西部方面軍前縁とかち合う事もあるかもしれない――もし、ヤマトと総統が再会したタイミングなら、支援さえ見込める。仮に敵対したとしても、拡散波動砲で粉砕すればいいだけ。

 これは相手が独立勢力であった場合も同じ。天の川銀河の辺縁に位置するため、高度な文明のある惑星国家は多くはないだろう。仮に文明が恒星間航行宇宙船を有していない惑星の場合――干渉するのはマズイ。誰がどう考えたってマズイ。戦力の小さい惑星国家であった場合、地球がその宗主国として――移民はできないだろうから、意味がない。

 

 今後の為にも立ち回りはぜひ、うまくしたいが、あまり深入りする必要のない探査ルートと評せるか。そもそも論として、かなり天の川銀河の辺縁に当たる為、人類移住に適する星は少ないだろう古い星が多く、うっかり寿命間近な星に移住しても意味ないし。正直、見込みは薄い探査ルートかも……しれない。

 作戦結果:失敗。ただし、調査領域が他の調査領域より敵対勢力の規模が小さい可能性が高い為、無事帰還した可能性は十分ある。第23話でも、ボラー艦隊の襲撃があった事は明かされたが、悲惨な結果であったかは定かではない

 

 

 

 名称:北アメリカ州探査艦隊
 規模:特務部隊
 戦力:戦艦1(アリゾナ)、探査船
 作戦域:Bブロック/こと座・ベガ方面(ヤマトの調査ルートの丁度となりの空間)
 指揮官:不明
 所属:宇宙開拓省・宇宙移民本部

 

 探査方面及び名称並びに戦力は完全に推測。スカラゲック海峡星団がどこにあるのかが不明なため、調査する方向の推測も立てられない。

 β星がもし、ガルマン・ガミラスの東辺に寄っているならば、ベガ方面という想定は成り立たない。一方、ガルマン・ガミラスの北西辺にβ星があった場合は――ヤマトの航路が徐々にこと座方面にずれている事も考え合わせると、北アメリカ船団の調査ルートがベガ方面であると説明できる。

 後者であってほしい。

 

 遭難までの過程はいくつか考えられる。難破したアリゾナの様子からあのβの気象を考えても――結構前に撃沈されたという風に見て構わないはず。

 つまり、ガルマン・ガミラスがヤマトの存在を知る前にたまたま遭遇――こと座・ベガ方面は必然的にガルマン・ガミラスの中枢へと進出せざるを得ないルートであるため、当然ながら襲撃を受けた。攻撃主体の想定としては南部方面軍あたりか。この後に情勢が変わり、ボラー艦隊と遭遇しすでに損傷を受けた船団は成すすべなく全滅させられた。

 逆に総統との再会後であれば、南部方面軍および中央部隊の支援を見込める。ガルマン・ガミラスが一定程度地球と歩調を合わせてくれるならば、ガルマン・ガミラス艦艇やその星々を一旦の中継点として利用できる機体が高まる為、調査範囲は1万5000光年を超える領域まで到達させても損はない=調査続行した方がいい。ガルマン・ガミラスとしても、勝手に調査をし、多少情報を融通してくれるなら拒否する理由もないだろう。

 ガルマン・ガミラス北辺領域を調査する際の支援は当然、北部方面軍が想定できる。問題はその後だ。北部方面軍の恐らく基幹戦力或いは中核指揮官たるグスタフ中将が惑星ファンタムへと向かった。これで一時的な武力の空白が北アメリカ州探査艦隊周辺で起きてしまったのである。このままガルマン・ガミラスの領域を抜け、ボラー領域との境の位置を調査した場合――ボラーにとってアリゾナは、ガルマン・ガミラスの味方たる地球の戦闘艦という位置づけになるだろう。攻撃しない理由がない。同時に、ボラー艦隊の襲撃を受けた際に援護してくれる同盟相手がいない、裸の状態という事もいえる。

 

 最も幸福なエピソード展開だとしても、最初はガルマン・ガミラスの攻撃を受けて多少損傷。補給を受けるも、グスタフ艦隊のファンタム行きによって軍事力の空白が発生――その空白にボラー艦隊が突撃をした場合。北アメリカ州探査艦隊は援軍ゼロでボラーの巨大艦隊の集中砲火を受けることになる。逃げて逃げて、多少ワープも行い、その結果スカラゲック海峡星団β星に不時着、そこで命運が尽きた。という事になるだろう。

 

 不運な船団の最期は、不運なタイミングでまずい位置で調査を続行していた為に敵巨大戦力と鉢合わせ、遭難してしまった。というように説明できる。どんな想定の場合でも、北アメリカ船団は調査ルートの関係上、悲劇的な最期を遂げざるを得なかっただろう

 アリゾナは恐らく、拡散波動砲ではなく通常の収束波動砲ないし後に登場する拡大波動砲であった――同時殲滅可能な数が限定的だったことも、敗戦に関係したと想定できる。

 作戦結果:失敗、遭難(戦没、船団全滅)

 

 


 名称:アフリカ州探査艦隊
 規模:特務部隊
 戦力:戦艦1(ノーウィック)
 配備地/作戦域:Eブロック/イプシロン方面(おうし座イプシロン星=ヒアデス星団を前提/こと座の反対方向)
 指揮官:不明
 所属:宇宙開拓省・宇宙移民本部

 

 探査方面及び名称並びに戦力は完全に推測。放映当時、ソ連は絶賛アフリカに投資中だった。正確に言えば、共産圏の国は大抵がアフリカと関係を深く持っていたし、今も変わらない。アフリカと共産主義の親和性は色々理由があるのだが――

 本当は自前の護衛戦艦〈メロエ〉とか〈ソンガイ〉とか、色々相応しい名前の軍艦を用意した方がかっこよかったし妥当だった。が、差し当たって大国がわざわざ護衛戦艦を回してくれるのだから、それをありがたく受け取るのが政治的にも経済的にも妥当な判断だろう。

 

 この探査艦隊のルートは完全に銀河系中心部より外れる。北アメリカ州探査艦隊の真裏の範囲を探査するわけだが――真面目な話、数Au程度は外縁部方向の星を探査する必要はあるだろう。ハビタブルゾーンがそんな地球と銀河中心の関係性が全く同じでなければ~などというピンポイントはさすがにあり得ないだろう。だから、彼らの調査ルートは無駄ではないが……望み薄。

 より、可能性の高いように調査ルートを拡大した場合、旧ボラー領域ないし親ボラー勢力の領域に侵入する必要が有る。仮にこのルートを調査に含んだ場合、5ブロック中最も巨大な調査領域かつ悪い事にガルマン・ガミラスの東部方面軍が大攻勢をかけているその真裏を調べることになりかなりやべぇ。

 現実的に、彼らが気を付けるべきはボラーでもガルマン・ガミラスでもなく、未知の宇宙そのものだろう。地球連邦も割合に天の川銀河辺縁への興味は見せていなかったのだから、ほとんど何もわかっていないとみて不思議はない。しかも調査範囲は後代にならざるを得ない。多分というかある意味、ノーウィックは敵と戦う必要はないかもしれない――あまり期待できない護衛戦艦だから航路的には丁度いいかもしれないが、あのちょっと推進力に疑問のある……正直不安な工程だ。

 作戦結果:失敗、帰還は可能なルートだが気を緩めれば即遭難。調査船かノーウィックかは不明だが船団の一部は帰還(第23話ボラーチウム100検出の件より)

 

 


 名称:南アメリカ州探査艦隊
 規模:特務部隊
 戦力:戦艦1(ビスマルク)
 配備地/作戦域:Cブロック/カシオペア方面北アメリカ州ヨーロッパ州の間の調査領域)
 指揮官:不明
 所属:宇宙開拓省・宇宙移民本部

 

 探査方面及び名称並びに戦力は完全に推測。何でビスマルク南アメリカ州の護衛戦艦として設定したかといえば、ヤマトⅢ放映当時、ドイツは東西に分割され、西ドイツは当然西側諸国の影響下にあり、東ドイツソ連に対してネガキャン的なムーブメントを展開していた。つまるところ、西ドイツが念頭に置かれれば、これは英米仏の監督下にある国家。特にこれらの国の中で影響力が国際的に強いのは当然アメリカ。

 アメリカは今も昔もメソアメリカを裏庭とし、南アメリカに対しても影響力を及ぼしてきた。よって、ビスマルクが西ドイツの戦闘艦であればこれは確実にアメリカの影響下にあり南アメリカ州の護衛戦艦に回されるのはこれは当然の流れであるという事。

 本当ならば、護衛戦艦〈ワスカル〉とか〈パチャクテク〉とかが相応しいのだろう。いや、南アメリカ州内で、ちょっと刺激が強い名前かもしれない。が、アメリカが裏で手を回して回航させた護衛戦艦であるからこれを断れるだけの政治力を南アメリカ州は持たないだろう。

 

 調査ルートが非常に微妙なラインで、ガルマン・ガミラスの南部方面軍の担当領域を突っ切り、西部方面軍担当領域に到達する。特に西部方面は発達した惑星国家が多い為に調査中は気が抜けない。仮に戦闘になった場合、損害は免れないだろう。しかもそれらの強力な惑星国家が多い場合――仮に適する星があったとしても、政治的な交渉を経ずして移住は不可能。探査する意義は深いし、宇宙間外交的にも意味はあるが、人類の未来を託すにはかなり細い糸と言わざるを得ないだろう。

 作戦結果:失敗、帰還は難しいか。残念ながらこの船団だけ特に消息が語られることはなかった。

 

 

  

 結果としてはすべて失敗した

 最も順調に探査を行ったヤマト以外の探査艦隊は多くが消息不明で、北アメリカ州探査艦隊は遭難がヤマトに発見されるなどの破滅的な結果が見られた。割と帰還出来そうなヨーロッパ州や、場合によっては帰還できるかもしれないアフリカ州探査艦隊のような例はあるものの、下手をすれば調査結果すら集積できなかったパターンの方が多いだろう。やはり、失敗――もしかすると大失敗に近いかもしれない。巨大国家が2つと未知の宇宙領域の探査という困難を前にしては、仕方がなかっただろうが。

 探査船と護衛戦艦という組み合わせもまずかっただろう。探査船という重荷を背負っての遠征は戦艦側は迷惑だっただろうし、探査船もたった1隻の戦艦の護衛では十分とは言えなかったはず。長期遠征になることは明白だったのだから、艦隊規模での派遣だ妥当だっただろう――当時の地球がそれだけの戦力を投入できたかは不明だが。

 

 実はこの計画自体があまり意味をなさない可能性がある。 つまるところ、ハビタブルゾーンの話だ。

 太陽系が天の川銀河を回る公転軌道上の恒星系が、天の川銀河におけるハビタブルゾーンであった場合、おのずと焦点は絞られる。ガルマン・ガミラスの領域は無理やりに近い形で移住した可能性はある。が、そこへ移住するとすれば当然ガルマン・ガミラスのよくて同盟国入りという事になるため、容易には決断できない。天の川銀河ハビタブルゾーンでは、人類移住が可能な惑星ではすでに惑星国家が誕生している可能性が高く、移住は難しい。ボラーの勢力下という可能性もある。

 政治的な障壁を取っ払う事が出来れば、北アメリカ州探査艦隊及びヤマトの探査ルートは望みがあった。南アメリカ州探査艦隊もヨーロッパ州探査艦隊も微妙だが、ヨーロッパ州の方が位置からして新惑星発見の見込みはある。アフリカ州探査艦隊も、一定程度見込みはあるのだが――人類移住の望みは薄い。

 その意味ではどの調査船も無駄足……だったかもしれない