旧作ヤマト考察協会

第一作から完結編まで、旧作宇宙戦艦ヤマトを出来る範囲で現実的に考察するブログです。

バース星兵器群 旗艦級戦艦ラジェンドラ号――栄光の武勲艦――

 

 旗艦級戦艦はボラー連邦に限らず、ガルマン・ガミラスにおいても用いられるワンオフ戦艦の事である。なかでも印象深いのが、ラム艦長率いる哀れで勇敢なラジェンドラ号。今回はこの武勲艦について考察したい。

 

 

 バース星守備艦隊旗艦:ラジェンドラ(英語表記:Legendra)

 艦級名:不明
 全長:不明
 エンジンノズル:大型並列2基。小型並列2基(大型ノズルの上に配置)
 武装:艦前部格納式砲塔3基、艦尾固定式大型副砲1門、/未確認だが――舷側ミサイル発射管2門、大型ミサイル格納庫、舷側格納式対空砲塔片舷4基

 

 栄光あるバジウド星系第4惑星バース。りゅうこつ腕域に属するこの星の防衛力を担う守備艦隊、その旗艦がラジェンドラである。

 ベースはボラー連邦戦艦Bタイプだが、艦上面が張り出し気味な点が異なる。また、艦橋のレーダー形状など細部は案外Aタイプ。艦首にはなぜか開口部がある――しかし、何かしらの意味のあるシーンはなかった。フィンは艦橋背後の1本のみの模様。


 艦橋は形状として、どちらかと言えばガルマン・ガミラスの大型戦闘艦に近い印象。大きなガラス張りの――ヤマトの艦長室にも似たような雰囲気。
 艦橋内部はざっくり高さが体育館内部の倍はあるだろう、かなり高い階高を有する。モニターは側面に大型の物が複数あり、それぞれに観測員が付き、平時は椅子が床面まで下がり使用時は適切な高さまでせりあがる。艦橋後方中央に位置する艦長席は非常に高い位置に据えられ、その下は乗組員も用いる通路が設けられている。初代マクロスの人型になった時の艦橋に近い。面積でいえば――バスケットコート2面ほどか。その前方は一段上がった観測モニター用の空間があり、上部にもモニターがぶら下がる。ここはぐんと狭くなり、バスケットコート半分ほど。
 全体的にガラス張り的な様子だが、実際に宇宙の景色が見えているのか全天球タイプの映像投影なのかは不明。猛烈に巨大な空間であるが、かなりの部分がこの窓関連であり、モニターが所せましと並ぶというわけでは無い。悪く言えば、こけおどしか……。

 

 

 武装
 特筆すべきは煙突状の副砲。ボラー連邦の戦艦にしては珍しく、後方への攻撃能力を有した戦闘艦。しかも、これが一発でガルマン・ガミラス駆逐艦を葬れる結構強力な兵器だったりする。固定砲台なのか、基礎部分から多少旋回できるのかは不明だが、それなりに有効な兵器と言えるだろう。


 艦首方向へは3基6門を攻撃力として集中可能。この時点で、他の戦闘艦より明らかに攻撃力が高いと言えるだろう。1.5倍程度はエネルギー投射量が高い。

 問題のボラー砲があるのかないのかだが、これは不明。ベムラーゼ艦のようにボラー砲が無い艦もある為、形状的に多分ない。そうはいっても、元々エネルギー投射量が高く、加えて装甲の分厚さで砲の使い勝手の悪さをカバーしていると考えられるため、タフネスさで他の艦より長く砲撃を行えると予想可能。

 その点においては他の艦より2倍以上は十分高い火力と言えるだろう

 

 なんだかミサイル兵装が貧弱なのが不安で、スピードの速い近接戦闘ではちょっと弱含み。この艦は、形状からいって大型ミサイルを格納している可能性があるのだが……これはこれで前線に出る戦闘艦として不安大。

 もしかするとラム艦長の判断で大型ミサイルは降ろして、砲戦特化している可能性もあるし、あの被弾に耐えられたのはミサイル兵装を切り捨てたから、と説明も可能だろう。

 

 

 先にも述べたが、この艦の特徴であり最大長所はその堅さ

 バース星守備艦隊はバース星周辺域と前面域、後方の3地域にまたがって3回にわたりダゴン艦隊と激烈な戦闘を行った。その中で艦隊は毎回大幅な編成変更を行っていたラジェンドラ号は毎回参加し、ほぼ毎回最前列で艦隊を率いたのである。特に、艦隊ボロボロになった後ろ2回の戦闘では、完全に先頭を切ってダゴン艦隊と砲撃戦を行っていた。

 3回の、スパンの短い激戦。これに生き抜いたという事が最早恐ろしいレベル。あの様子というか、展開から言って、恐らくはまともな整備補修は受けていないだろうそれで3回も戦い、一応は戦闘力を残したまま太陽系圏内へと退避に成功した

 驚くべき生存性といえるだろう

 

 

 運用・立ち位置
 バース星製の戦闘艦であるのか、ないのかは不明。ベーシックな旗艦級戦艦であるのかも不明。ただ、明らかに旗艦級戦艦である事は確実。

 

 装甲も明らかに他の戦闘艦より分厚いらしく、実績から言って火力も高い模様。そのため、これらの特徴を生かすにはラム艦長が敢行したように、味方艦隊の先頭に立って敵艦隊に対し突っ込んでいくのが基本の戦術になるだろう。打たれ強さは折り紙付きであるし、僚艦の為に敵艦隊に対して突破口を形成するのが第一か。

 少し性質の違った運用としては、あの大型艦橋であるとか、艦体の大型さを生かして迎賓用や総督用のヨットとしても十分活用できるのではないだろうか。英戦艦〈ヴァンガード〉みたいな感じの役割。

 

 

 全長の推測
 第5話にて、ヤマトとの比較可能なシーンがある為、それをもとにするとヤマトとほぼ同じ全長。つまり、260メートルか再設定値で580メートル程度。割合に艦幅がある為、120メートル近くか再設定値で230メートルほどを見込む。


 ただ、タイプBと比較して小型という事はない。あのタイプBがバース星配備の艦のみ280メートルで、ボラー本国艦の全長が600メートルクラスというアクロバティックな着地をしない限り――このラジェンドラ号も約800メートルが予想値となり再設定値では2キロに及ぶ。ところが、前述の通り、第5話のシーンがある為、ヤマトと同等であるという設定が動かせないという矛盾が生じるちょっとまずい……


 とはいえ、ボラー連邦の旗艦級戦艦として小型の部類に入る戦闘艦であることに変わりはないと言えよう。

 全長:260メートル(再設定値:580メートル)
 全幅:120メートル(再設定値:230メートル)
 第13話タイプB前提全長:約800メートル(再設定値:2000メートル)
 第13話タイプB前提全幅:約440メートル(再設定値:900メートル)

 

 

 劇中の登場
 ヤマトⅢ第一話に登場、ほぼ艦橋内部の描写のみ。第2話以降もバース星守備艦隊旗艦として登場、ダゴン艦隊と対峙した。その際には艦隊の先頭を切って前身、ダゴン艦隊に砲撃を加えたものの敵わず。艦隊は壊滅状態となり、退避。

 第5話にて、近接した宙域である太陽系へワープアウト。そこで敵意の無い事と地球の中立を犯さない事を条件に海王星ドックに入渠、ここでエンジンと装甲部の補修及び物資補給を受けた。追跡してきたダゴン艦隊との取り決めにより、有余時間いっぱいまで補修を受けた後、ラジェンドラ号は海王星ドックを発進。ヤマトおよびコスモタイガーの護衛を受けつつ、第11番惑星空域まで進出――ここでダゴン艦隊の不意打ちを受ける。

 前話よりなし崩し的に始まった戦闘であるが、第6話にてラジェンドラ号も副砲を以て応戦を開始。しかし砲門数はほとんどゼロかつ、すでに受けた損傷は回復していない状況によって、なすすべなく第11番惑星軌道にて戦没した。

 

 

 ラジェンドラはバース星に配備された戦闘艦中、最強といって差し支えない。 また、最も頑強に戦った戦闘艦だろう。これは艦の性能もさることながら、ラム艦長の指揮と乗員の指揮によるところが大きい。

 まさに武士道、騎士道に準じた武勲艦と表現できる