旧作ヤマト考察協会

第一作から完結編まで、旧作宇宙戦艦ヤマトを出来る範囲で現実的に考察するブログです。

ガルマン・ガミラス兵器群 新型デスラー艦――総統の新決戦兵器――

 

 新型デスラー艦(3代目デスラー艦)はガルマン・ガミラス帝国軍艦隊の中で最大の戦闘艦であり、栄えある総統座乗艦、つまりガルマン・ガミラス艦隊総旗艦である。

 


 ――データ――

 艦名等:不明(通称・新型デスラー
 全長:702メートル(ないし1,350メートル)
 
主機関:波動エンジン1基、エンジンノズル2基
 兵装:ハイパーデスラー砲1門、瞬間物質移送器1組、大口径回転速射砲塔舷側デッキ片舷2基、同砲塔艦橋前方3基、艦底部超大型ミサイル2基

 

 形状としては、大型戦闘艦に近い。だが、インテーク付きの両舷プラットホームの後方に更に同型縮小型のインテークが上に乗っかり、更に上部に大型フィンが生えるている。このプラットホーム後方左右には、2代目デスラー艦と同様の瞬間物質移送器らしい構造物が付属。このプラットホームと艦体接続ぶに回転砲塔2基、プラットホーム底部に惑星破壊ミサイル1基を懸架装備。プラットホーム後部にはノズルコーン付きエンジンノズルついている。第一回転砲塔と同じ位置の艦底部にもインテークがあり、ハイパーデスラー砲の砲口と第一回転砲塔の大体中間あたりの艦底部にもフィンが伸びる。
 艦の胴体部も大型戦闘艦と同様だが、更に前方、艦首に扁平なハイパーデスラー砲の砲口が設けられている。艦央部上部にもインテークが設けられ、後方に縦直列で3基の回転砲塔が配置。

 

 艦橋の形状は割と独特で、地球戦艦ビスマルクの艦橋の上に更に大型戦闘艦の艦橋が乗っかっているような形状。艦橋後部から生えるフィンは3つ。
 艦橋内部は中央から入り口までが幅4メートルほど、8メートル強のランウェイになっている。艦橋内部にはほとんどあの円筒モニターは設置されておらず、割とすっきりした内観。艦橋の幅は恐らく、12メートル強だろう。物凄い事に、四角い3枚大窓と、台形の大モニターが艦橋前部に据えられている。ランウェイより一段下がったところに艦橋内部前方を一周できる通路、大型の羅針儀らしい円筒モニター。これより一段下がってM型に近い床面がある。ここには多数のモニターがある為、戦闘時にはオペレーターが張り付くのだろう。全くオペレーターの描写はない故、不明。

 

 ちなみに――劇中では特に呼称されることはなかったが、海外では指揮巡洋艦(Command Cruiser)と分類され〈Desslar〉と艦名を付けられている。分類に疑問がある一方、最後の総統旗艦であるから艦名がデスラーというのも、中々に趣ある感じのネーミングといえよう。

 

 

 

 全長の比定
 第24話、大型戦闘艦と共に親衛艦隊を構成していた際のシーン。ここで、おおむね大型戦闘艦の1.5倍程度より少し小さい程度だった。つまるところ、800メートル弱程度。仮に設定が700メートルであった場合――100メートル違うと差は大きいが、それでも大して全く話にならないほどの差とは言えない。よって、780メートルが妥当なライン。1.3キロは正直大きすぎる。
 第25話の後半シーン、ヤマトと比較した際の描写では恐らくヤマトの3倍はくだらない。780から800メートル程度である為、やはりこのラインが妥当だろう。
 仮に再設定を行うならば、ヤマトの再設定値の大体3倍である1740メートルが妥当なラインとなる。

 

 

 武装
 艦首方向へ7基14門を指向可能。舷側方向へは10門と微妙に減少し、後方へは指向不可能。艦の全長と比べて見ても、他の艦の回転砲塔より大型という事はない模様で、それを考えると取り立てて火力が高いとは思えない。対艦戦闘だと、能力としては極めて限定的にならざるを得ない。その代わり、7基の回転砲塔を擁するため、敵艦載機の攻撃に対しては十分優位に防空戦を展開できる。自衛火器としては十分な装備といえるだろう。

 いつ、ガトランティスから回転砲塔の技術……もらったんでしょうね? 総統。


 注目すべきは何といっても決戦兵器・艦首ハイパーデスラー
 これはアナウンスでは戦艦3、空母8の艦隊――実際には戦艦8がゴルサコフ艦の右舷側に展開していた。左舷側にも同数、さらにアナウンス通りの数を加えた場合の隻数は24隻。どう考えてももっと多いだろうが、描写にはない為不明。

 ただ、これらすべてを一発で一掃したのだから数など関係ないだろう。関係ないと言えるほどの威力を持つのがハイパーデスラー砲である。

 

 厳密な威力の如何は不明だが、のちにベムラーゼ首相旗艦機動要塞を機能不全に陥ったのちとはいえ葬った。その際と先のゴルサコフ艦隊を葬った際の描写と考え合わせると――数十キロ単位は確実かつ容易に効果範囲が及ぶ。恐らくはヤマトの波動砲よりも威力は高いとみて不思議はないだろう。拡散波動砲に近い効果範囲ではないだろうか。加えて、カウント無しの急速充填が可能らしいのが非常に強力。奇襲的な砲撃が可能――敵には回したくない……。

 この圧倒的な威力増強は常識的な理由付けとして、新たなる旅立ちのゴルバ戦があげられるだろう。あの時ゴルバを葬れれば、ガミラス星もスターシャも消滅せずに済んだのだ。事実上の敗戦。その理由はデスラー砲の威力不足だった。艦隊戦用であれば、あれでも十分だったが――対要塞戦では歯が立たなかったのだ。その反省をもって、デスラー砲の威力を大幅に増強した。不自然さなど全くない説明ではないだろうか。


 ハイパーデスラー砲だけでも十分な武装だが、惑星破壊ミサイル2発を上乗せして装備している点を考えると、少なくとも大型の小惑星はこの一隻だけで葬れる。正確に言えばただの大型ミサイルだが、大きさから考えて小型弾頭の惑星破壊ミサイル。

 人類が居住可能な惑星に対しても、惑星破壊ミサイルでその半分ぐらいを吹き飛ばすことは可能だろうし、ハイパーデスラー砲で残った部分についても大損害を与え、事実上惑星を十分に崩壊させられる。

 

 

 運用・立ち位置
 武装傾向として――デスラー砲艦も同様だが、恐らくこの艦はハイパーデスラー砲キャリア艦といって差し支えないはず。この想定ならば、ハイパーデスラー砲以外は対艦戦闘には疑問符のつく自衛的兵装に限っているという点も筋が通る。更に、丸出しで抱える惑星破壊ミサイル2発――艦隊の最前線に位置して敵に突っ込んでいくよりも、後方に位置していた方が味方としても安心材料だろう。


 運用の戦闘面は――とにかく決戦兵器を抱えて戦場に到達し、艦隊が優勢な場合は後方に位置して戦闘指揮を行い、艦隊が劣勢な場合は戦況を一挙に変化させる重大な一手をぶっ放す。それなりの自衛火器を擁し、多少の護衛艦艇と共に行動すればその安全性はかなり高まる事は確実。能力としてはこれで十分だろう。
 戦闘以外に関する運用は当然、移動総統府だろう。必ずしも大きいとは言えない艦体ではあるが利用不可というほどの手狭ではないだろう。内部にミサイル類を擁している描写も、そのような外観上の特質もない。大型の決戦兵器をグロデーズのように艦内格納しているわけでもない様で、そうであるならば十分指揮通信能力は見込まれる。
 


 劇中の活躍
 第24話、ヤマトを追ってシャルバート星宙域への親征の際に出撃。シャルバート上空で待機中にゴルサコフ艦隊の奇襲を受ける。イラっと来た総統は艦首を90度反転させ、「ボラー連邦にガルマン・ガミラスの真の力を見せてやる」とすかさずハイパーデスラー砲発射準備に掛った。カウントは特になく、発射しゴルサコフ艦隊を丸ごと光芒の中にとろかしてしまう。

 続く第25話、ヤマト救援のために太陽系に突入。デスラー砲艦隊がデスラー砲の一斉射撃を以てボラー艦隊を粉砕する中、艦隊旗艦として最前線に位置。首相旗艦機動要塞の放つブラックホール砲の連射に、その巨体に搭載した機関で振り切り攻撃のチャンスを狙う。ヤマトとの共闘の中でベムラーゼ首相旗艦機動要塞が機能不全に陥ったタイミングでハイパーデスラー砲を発射。これにより長年の宿敵を葬り、かつヤマトの太陽制御の障壁を取り払った。

 

 ヤマトの太陽制御成功を見届けた後、まるで新たなる旅立ちのラストシーンをなぞる様に新型デスラー艦は太陽系から去っていった。