旧作ヤマト考察協会

第一作から完結編まで、旧作宇宙戦艦ヤマトを出来る範囲で現実的に考察するブログです。

ガルマン・ガミラス兵器群 大型戦闘艦――大型護衛艦――

 

 

 大型戦闘艦は非常に目立つ見た目で、図体もかなり大きく、旗艦級戦艦の隣には必ず存在する大型の戦闘艦艇である。しかしながら、全くのいいとこなしで終わってしまった戦闘艦でもある。

 今回はこの艦を考察したいと思う。

 

 

 ――データ――

 艦級名:不明
 全長:492メートル
 武装:ブーメランカッターミサイル艦首2発、艦首旋回砲塔(輪胴砲塔)1基、同砲艦央部1基、同砲艦橋前部直列2基、同砲舷側デッキ片舷1基、艦央部連装固定砲1基、艦橋基部長砲身砲2門(推定)
 
 全体としてガミラスグリーンの塗装だが、艦首のブーメランミサイルは黄色い。上面図はインカ帝国が用いた斧型青銅貨。中心となる細長い艦体、艦尾周辺は横に迫り出したプラットホーム状のインテークとなり、その底部にフィンが1本ずつ。艦橋とその後方に一本ずつフィンが設けられている。艦首の形状は中型戦闘艦と同様、どこかガトランティスの大戦艦に近い。艦央部底部にもインテークが設けられている。
 艦橋形状は他の大型戦闘艦と類似しており、具体的には戦闘空母と同形式。物凄く背が高いはずだが、艦橋部分がコンパクトにまとめられているため背が低く忌める。色合いも艦橋前半がオレンジという部分が戦闘空母と同じ。

 劇中では特に何も呼ばれもしなかったが海外ではBattleship〈Galmus〉と呼ばれているらしい。ちゃんと戦艦扱いしてもらっている模様。

 

 

 武装
 輪胴砲塔ないし回転砲塔と呼ばれるガトランティスの通常兵器を装備していることが特徴。艦体が大型である為、かつての大戦艦と最低でも同等の火力のある砲塔であろうことは想像に難くない。砲門数は12程で、大戦艦のそれより多少、火力が高いか。どうせ、相も変わらず2門程度しか同時射撃できないため、砲門数の多さは必ずしも火力向上には寄与しないが。

 

 艦首方向への火力は砲塔5基(困ったことに、固定連装砲の背後の砲塔は、連装砲に邪魔されて艦首方向には攻撃不可)+固定砲2門である為、12門が想定可能。舷側方向へは5基10門が想定可能。後方へはこれはキツイことにプラットホーム上の2基4門しか指向できないため、火力は非常に低い。なんでか駆逐艦と同様の艦橋砲が2門ついており一応火力向上に寄与しているようだが、ガルマン・ガミラスは火力不足を感じるとこの艦橋砲を付けたがる傾向にあるらしい。艦首方向への攻撃が基本だから無駄ではないとは思うが、固定砲台ゆえ効果的とは断じて言えない。あったところで焼け石に水というか霧吹き……。

 これらの砲が有する射程は不明だが、ヤマトとボラー艦隊の間に突入したという事もあるが、場合によってはボラー砲より射程が短い可能性も十分ある。結構不安材料……


 固定の連装砲は――見た目がデストロイヤー艦に近いもので、ぱっと見デストロイヤー艦が艦央部に埋め込まれているような状態。明らかに大型火砲であり、射程が長いか或いは火力が高いかのどちらかだろう。大型戦闘艦とデストロイヤー艦との全長の比較からして、かつての目玉砲と同等の物か。

 でも固定らしいので、2門の艦橋砲と同じくいざという時に使えない事の方が多いだろう。実際、スカラゲック海峡星団戦では使えなかった。


 ミサイル兵装がどうやらない、という点について――これはかなりヤバい。

 艦載機や敵小型艦艇に対する攻撃は回転砲塔の速射性をもってすれば十分対処可能だし、あの回転砲塔は平気で高い仰俯角を確保出来る為、迎撃には何の問題もない。しかし、遠距離及び中距離に使える武装が、固定連装砲のみというのがかなり問題で、脆弱もいいとこ。近接戦闘に対してはどこの180度前方に対しては10門がベースで使える為、安心が出来るが――できれば近接戦闘になるまえに何とかしたい。が、この戦闘艦については特にないのだ。

 

 

 ブーメランカッターミサイル
 ――ありました、ミサイルは艦首に一発ありました私、一つ前の章で嘘言いましたね

 デスバテーターみたいな形状のミサイル、それがブーメランカッターミサイルである。艦全長の1/5の全長と艦幅の半分の幅の巨大ミサイルだ。ただ、劇中の使用は全くない為、どんなものなのかは不明。

 ブーメランであるからには、戻ってくるのか、楕円軌道を描いて進んでいくのか。明らかに縁が鋭い為、カッターっぽいというのは間違いない。が、これ――ある意味があるのか不明。もしかしたら質量兵器の一種かも。
 他にミサイルがないのかと言えば、もしかすると、インテークの付け根部分に片舷1門が可能性としてあるかもしれない。

 

 図体の大きさに比べ、武装が貧弱。しかも傾向として近接戦闘の砲撃タイプと、かなり癖の強い兵装だ。これは……ちょっと使い勝手悪くないですかね? かつてのクルーザー艦みたいな、何とも表現しがたい立ち位置である。

 

 

 運用
 運用の仕方など、わからん


 装甲は紙に近い装甲。ボラー戦艦の砲撃に耐えられなかったのはある意味仕方がないが、ボラーの戦闘機隊の銃撃にすら耐えられなかった。これは紙装甲だろう。絶対にショックカノンクラスが相手ではひとたまりもない
 次いで、砲撃がほとんどすべて回転砲塔に頼っているため、ベースは近接戦闘だろう。いくら大型でも、ガトランティス戦役時のヤマトの主砲より短い射程という危険がある。である場合、他の長距離砲撃が可能な戦闘艦と組み合わせなければこちらが一方的にやられてしまう可能性が高い。


 防空戦闘艦であるとするならば、ミサイルなりの兵装が足りな過ぎて砲撃に頼る近接戦闘はかなり危険。万が一の場合に対処できない。まあ、回転砲塔の優秀さでカバーできなくもないが
 対艦砲撃用の戦闘艦であれば、砲身付きの砲塔を運用している実績のあるこの帝国がなぜ、それを用いなかったのか。速射性を求めたゆえに回転砲塔であるというのは分かるが、だとしたら物凄く危険なブーメランカッターミサイルを艦首に据えてしまえば――どうぞ撃ってくださいとばかりに非常に危険でやべぇ。前線に出せない。質量兵器であれば、別かもしれないが


 武装の種類がほぼ砲撃に限られ、速射性は高いが遠距離砲撃が期待できない期待できないとすれば、一体どんな場面に出動させるべきか。

 最も適切なのは旗艦の護衛任務であろう。あるいは、艦隊全体の防空。どちらかと言えば、守勢の戦闘艦が妥当だろう。つまるところ前線に立つ艦ではなく、いざという時にのみ前に立って艦隊や旗艦を守るという任務か。だとすると、デスラー砲艦の非親衛艦隊用ないし同一コンセプトの汎用化艦という事になろう。

 別作品だと、銀英伝のアニメに盾艦という大変分かりやすい立ち位置の艦が登場するらしいが、この大型戦闘艦はアレに近いかも。

 

 見た目が堂々としているため威圧目的ないしプロパガンダ目的には有効に使えると思う。実戦で役に立ちそうもないのが悲しいが……。

 

 

 全長の推測
 ヤマト世界では珍しい事だが、どうやら設定の方が全長が大きい数値らしい。


 第23話のスカラゲック海峡星団域での戦闘では、グスタフ中将率いる北部方面艦隊がボラー連邦艦隊へと突入を敢行。その際にこの大型戦闘艦も戦艦タイプAやデストロイヤー艦に対して自爆特攻を試みた。その際の、全長の比較は――どうやら一回り大きい程度の全長であろう描写があった。

 それではこの大型戦闘艦はあって200メートル程度という事になってしまう。設定が木っ端みじんだ……。ボラー連邦の戦闘艦が本当は倍の全長であるとすれば、戦艦タイプAは350メートル程度であるから、それでも設定より大分小型になってしまうが、大型戦闘艦の全長が400メートル台に乗る為、多少は整合性が取れる。
 仮にタイプAの全長が230メートル程度であろうという推測が少なくともバース星守備艦隊の例を見た場合――だから大型戦闘艦はヤマトと同等程度の全長というのが、描写としては妥当なラインか。描写から推測すると、260メートルという事になる。つまるところ、再設定値は580メートル。

 

 問題なのは第24話を前提とした場合。この場合、新型デスラー艦が大型戦闘艦より1.5倍程度大きい。つまり、新型デスラー艦が700メートルであった場合は原作設定値のまま、再設定を行っても900メートル程度が妥当なラインですむが――新型デスラー艦が1.3キロであった場合は860メートルが妥当なラインとなるし、再設定値は1720メートルとなる。
 別に再設定値1.7キロであっても構わないのだがあんまり大きすぎるとせっかくガルマン・ガミラス艦艇の中の大きさの比率はちょうどいい範疇に収まっているため、連鎖的に崩れてしまうから余計な設定変更はしたくない。

 

 

 劇中の活躍
 初登場は第16話の建国記念セレモニーでデスラーパレス上空を飛行してみせた。第21話にて北部方面艦隊を構成する主力艦として登場。

 第22、23話にも登場し、ヤマト死守の為にボラー連邦第8打撃艦隊と交戦、果敢に砲撃を行ったが多勢に無勢。最期は全艦がハーキンス艦隊へ体当たり突入、全滅した。
 再登場は24話で、デスラー親衛艦隊を構成する戦闘艦としてシャルバート上空に展開するも、ボラー連邦の奇襲に遭い大損害を負った。