旧作ヤマト考察協会

第一作から完結編まで、旧作宇宙戦艦ヤマトを出来る範囲で現実的に考察するブログです。

銀河系大戦(ヤマトⅢ)参加部隊 ガルマン・ガミラス――北部・西部・南部戦線――

 

 劇中にはほとんど登場しなかったのが北部、西部、南部の3戦線である。ほとんど登場しなかったとはいえ、各方面軍はそれぞれの任務を果たしその戦果は劇中に確認可能。中でも北部方面の中核戦力とみられる北部方面艦隊の勇壮な最期は視聴者の目に焼き付いた事だろう。

 

 

 

 名称:北部戦線/北部方面軍
 規模:複数個艦隊
 戦力:不明
 隷下部隊:北部方面艦隊(司令官グスタフ中将)
 配備地/作戦域:不明(M1678散開星団を作戦域に含む)
 指揮官:不明(恐らくキーリング指揮下ないし、総統直属)
 上位組織:不明

 

 言及
 第21話のガルマン・ガミラスに泥を塗った惑星ファンタムへの懲罰として、グスタフ中将率いる北部方面艦隊に出撃命令が下された。一応方面軍とその隷下部隊として想定してみたが――ただ、軍団としての大枠で描写された事はない。本国のデスラーパレス――総統執務室でキーリングと総統の間で交わされた会話の中でのみ、艦隊の言及に留まる

 故に編成上のみにある概念としての方面軍が存在している可能性と、方面軍は独立した集団だが本国の監督下という場合に加え、方面軍その物がなく直轄部隊として艦隊がそのまま本国に紐づいているという3つの可能性がある。総統の独裁的な権限を考えればどれでも平気でグスタフ中将を出撃させ得るから、どれが妥当かは正直判らないが……北部方面軍は概念上の組織で、艦隊は事実上総統府直轄というのが穏当なのではないだろうか。

 任務は――ボラー連邦とガルマン・ガミラスの境界面防衛を担う軍団という可能性が最も高い。西部、東部、南部の戦線が落ち着くまでは後顧の憂いを断つため、侵略というよりも差し当たっては防衛が任務という事になるだろう。

 しかし、先に述べたように軍団としては存在していない可能性もある。16・17世紀の帝都ウィーンかというぐらいにボラー連邦に近いガルマン・ガミラス本星を考えれば、軍事力その物はおいていても総統府直轄で組織として形骸化していても、能力さえ維持できていればいいのだから。

 

 

 名称:北部方面艦隊
 規模:1個艦隊級
 戦力:旗艦1、大型戦闘艦4→旗艦1、駆逐艦複数(10隻)
 配備地/作戦域:不明
 指揮官:グスタフ中将
 上位組織:北部方面軍(キーリング指揮下か、総統直轄)

 

 大型艦艇を中心に編成された戦闘艦隊で、忠誠心あふれるグスタフ中将に率いられた。指揮系統は不明で、キーリング指揮下なのか、総統直轄なのかは分からない。ただしそれは書類上の話で合って、事実上の総統直轄というのは間違いないだろう。戦力から考えて元来は他の隷下別部隊と共に行動し、敵に当たると思われる。

 

 戦力構成
 第23話で森雪が戦艦5、小型艦10と読み上げたが――全長比と描写からいって、小型艦は中型戦闘艦の事だろう。艦隊総数は15隻で、計算上は描写の3倍の戦力という事になる。近距離戦闘艦が5隻、中距離ないし遠距離戦闘艦が10隻とバランスが良い。数もヤマト世界ではそこまで極端に数が少ないわけでもない。

 大型艦も全長から言ってそこまで近接戦闘というわけでは無いから、割合に中距離戦闘が強い艦隊と表現できるだろう。


 戦力の内訳としては――基幹たる大型艦5隻の能力がどうも、近接戦闘特化な武装であるとか戦況を一気にひっくり返すタイプの戦闘艦が多い。戦闘の初っ端から戦う艦ではないだろう。特に旗艦たるグスタフ艦は惑星破壊ミサイルを擁し、これは使う場面を選ぶ。更に、大型戦闘艦もブーメランカッターミサイルを擁しているが、これもまた戦闘初期に使うような代物ではないだろう。

 どの艦にしても、補給が効く可能性は非常に低い。これが地味に問題で、対艦戦闘において前線にはあまり出したくない、危険さをはらむ。こいつら5隻、あんまり火力が高くないしね。ブーメランカッターミサイルもどれほどの威力かわからんし。

 

 劇中に登場したこの艦隊の立ち位置は想定として、旗艦とその直属の護衛艦という事だろう。戦力の内容や数から言って、対艦戦闘において中核的な役割を果たすとは思えない。対ハーキンス艦隊での戦闘ではあまりの戦力差と奇襲的な登場によって、強制的に戦闘に参加させられたが――本来は第18機甲師団艦隊に見えるように、大量の中型戦闘艦や駆逐艦などに任せるべきところだっただろう。

 

 この艦隊の中核たる中型戦闘艦は多数の攻撃手段と長めの砲戦距離を有するため、大型戦闘艦よりずっと戦力として信頼度がある。この中型戦闘艦が前面に立てば、ダゴン艦隊ほどではないが、それなりに火力を見込めたはず。ではあるが――圧倒的に多数のボラー艦隊相手である為、艦隊総門数60の長砲身砲を以てしても戦闘の優位に立てる時間は長くはないだろう。

 そして何より――絶対的に隻数が少ない。少なすぎる。本来はもっと数の多い艦隊で戦闘を行うはずだろう

 

 だって危ないじゃん。方面艦隊の主要指揮官たるグスタフ中将が、この規模の艦隊のまま敵と戦うとは思えない。北部方面艦隊の全力がこれでは、ただの東部方面軍の一部隊である第18機甲師団艦隊より規模が小さいという事になってしまう。方面艦隊と冠している割にあまりに弱勢。

 大体、優秀な指揮官を簡単に戦死させかねない環境をわざと作るのはまともな艦隊編成ではない。当然、本星を守るべき近接の国境ラインである北部方面の守備が……この弱勢では簡単に敗北してしまう。

 その重要さから言っても、劇中に登場したグスタフ艦隊はあくまで北部方面艦隊の基幹戦力としての存在であり、通常はこの艦隊の10倍近い戦力を有しているとみて不思議はない。

 つまり、このグスタフ艦隊は北部方面艦隊第一戦隊とかそのあたりの扱いとするのが妥当なのではないだろうか長々と引っ張ってこの程度の結論で申し訳ないが。


 劇中においては、任務が惑星ファンタム破壊やヤマト臨検程度である為、グスタフ中将も何の疑問も持たずに赴いたが――たまたまハーキンス率いる第8打撃艦隊と鉢合わせしてしまい、ヤマト死守の厳命も相まって本当ならば戦わずに退避すべきところを突っ込んでいった。

 元から敵に勝つことを目的として調整された戦力では無かったため、体当たり突入で相打ちに持ち込むほかなかった

 

 戦術・元来の戦力構成

 先に述べたように、本来はもっと巨大な艦隊の中枢を担っていた艦隊だろう。

 グスタフ直属の艦隊の様子を見るに、対艦戦闘及び対空戦闘を想定可能な兵装である。これを拡大すると――それこそハーキンス艦隊全力やボラーの本国艦隊の襲撃に備える艦隊であることが推測可能。

 つまり、敵の空襲を速射砲たる回転砲塔による迎撃で倒し、敵戦闘艦隊に対しては長砲身砲塔を以て迎え撃つ。最悪、勝てそうにない状況では旗艦に搭載した惑星破壊ミサイルをぶっ放してダゴンよろしく後方の惑星ごと艦隊を殲滅する。という戦術。ベースとしてはダゴンのような機動戦ではなく、がっつり砲雷撃戦で正面切って戦うというスタイルだろう。基幹艦隊の構成があの通りであれば、艦隊全力はそれだけのキャパシティがあるとみて不思議はない。

 

 しかし実際の戦闘には、直属の艦のみの参加となり、あまりの戦力差でまともに抗すことが出来なかった。画面上に映った戦力だけでもハーキンス艦隊の方が3倍から最大で7倍近い巨大戦力である。これではどうやったって勝てない……無理やり力押しで敵前衛を突破、旗艦めがけて特攻する他なかった。

 何なら、体当たり突入だって難しかったはずだ。それをやり遂げたのは他ならぬグスタフ中将の執念によるところだろう

 

 劇中の活躍
 第21話に登場、激怒した総統の命を受け惑星ファンタムに鉄槌を下すべく出撃。続く第22話にて、あーだこーだのたまう古代君をガン無視して惑星ファンタムを破壊。さらに第23話にも登場し、ヤマトが黙ってかっぱぐったルダ王女をもらい受けるべく臨検を試みた。

 しかしそのタイミングで総統の通信とハーキンス率いるボラー第8親衛打撃艦隊がヤマトに接近。新たな命令であるヤマト死守を実行すべく、ヤマトの盾となる形でハーキンス艦隊の攻撃を引き受け――しかし戦力差は著しく、最期まで命令を完遂すべく体当たり突入を決行。グスタフ艦隊はハーキンス艦隊を道連れに壊滅した。

 

 

 

 名称:デスラー親衛艦隊
 規模:複数個艦隊級(本国艦隊扱い)
 戦力:旗艦1、大型戦闘艦3以上、中型戦闘艦12以上→旗艦1、デスラー砲艦複数、駆逐艦複数
 配備地/作戦域:ガルマン・ガミラス本星/総統の護衛
 指揮官:デスラー総統
 所属:不明(恐らく総統府)

 

 デスラー総統の旗艦たるデスラー艦を護衛することが任務の艦隊であり、総統の命を受ければ敵艦隊の攻撃も惑星制圧戦も辞さない。航空戦力を持たない反面、対艦戦闘に関しては強力な反抗能力を持つ艦隊といえるだろう。

 所属がわからないのだが、グスタフ中将の救援のために陣容を整えての戦力投入が早いタイミングで行えるという事を鑑みると、東部や西部や南部方面の所属ではないだろう。ガルマン・ガミラス本星駐留で北部方面軍と合同ないし協調をしつつボラー連邦と対峙するのが恐らく立ち位置として妥当だろう。

 よって、北部方面に振り分けて記事内に記述する。

 

 戦力構成

 第24話登場戦力は、グスタフ艦隊に近い。というより同じ。つまり、旗艦とその護衛を行う大型戦闘艦、対艦戦闘を前面に立って受け持つ中型戦闘艦という編成だ。直属の護衛艦隊という事だろう。仮に対艦戦闘においては――あの戦力では、ハイパーデスラー砲に頼るほか、グスタフ艦隊の応援にならない。

 本来の編成はもっと駆逐艦や戦闘空母などを擁した、バランスの取れた戦闘艦隊であるとみて不思議はない。たとえるならば、ヤマト2で集結したガミラス残存艦隊のような編成だろう。

 一方、第25話登場戦力は直属の護衛艦を失った後。対艦戦闘において最前面に立つ戦闘艦の中でも火力の高い艦のみを抽出して決戦用に編成し直した艦隊だろう。大型戦闘艦ははっきり言って対艦戦闘には大して使えないし、戦闘空母を繰り出すにも――ベムラーゼを仕留める為に航空戦力が必要とは思えないから居なきゃ居ないでいい。

 元来の編成ではないだろうが、しかし総統なりに戦場と戦闘の性質を考えた上でひねった艦隊編成であろうと説明できる。決戦用の強力な砲戦のみを目的とした戦闘艦隊

 

 戦術

 第24話においては、デスラー艦に敵を接近させない。これが第一。故に中型戦闘艦が前面に立って敵との戦闘を受け持ち、敵の接近に際しては大型戦闘艦が盾になるのだろうが――総統の性格からすれば、多分デスラー艦が最前面に立って敵に突っ込んでいくんだろうな……。乾坤一擲とばかりにハイパーデスラー砲、ぶっ放してゴルサコフ艦隊を殲滅したし。

 第25話においてはデスラー砲艦が第一波攻撃かまし、敵陣に風穴を開ける。そのままデスラー砲をぶっぱなしつつ敵艦隊を圧倒する、或いは中型戦闘艦が前面に立ち敵陣深く切り込む。仮に敵に接近された場合はデスラー砲艦では敵わないため、中型戦闘艦がその攻撃を引き受ける。あくまでハイパーデスラー砲は最終手段――一応はこの戦闘プロットでシーンは進んでいったし、妥当だろう。

 

 劇中の活躍
 第24話および第25話に登場。第24話、シャルバート星上空では艦隊が総統護衛部隊のみの参加かつ奇襲をされてしまったため、敵わず。ハイパーデスラー砲で逆転を狙うほかなかった。

 第25話では対艦戦闘編成にシフト、今回はベムラーゼ親衛艦隊に対して奇襲を敢行、その艦隊を全滅に追い込んだ。だが、ブラックホール砲の反撃にあい、艦隊はほぼ壊滅。揚羽の犠牲によって生じた機動要塞のウィークポイントへハイパーデスラー砲を叩き込み、殲滅に成功した。

 

 

 

 名称:西部戦線/西部方面軍
 規模:複数個艦隊
 戦力:不明
 隷下部隊:
 配備地/作戦域:不明
 指揮官:ヒステン・バーガー
 所属:不明

 

 言及
 第4話にて司令官たるヒステン・バーガーがビビりながら御前会議に出席。62パーセントの支配権獲得に軍団の1/3の犠牲を払う、割に危うい指揮能力が数値として現れる。普通なら、この時点で作戦能力はほとんど喪失状態であるはずだが――この際、あと2回失敗した場合は死刑と予告されていた。総統、大甘判断……。
 第9話にてヒステン・バーガーが自ら陣頭指揮を執ることで80パーセント越えの支配権を確立した。ガイデルへ新鋭空母艦隊を派遣した事を考えると、ヒステン・バーガーの火事場の馬鹿力+失った分の艦隊で何とか巻き返したのだろう。

 さらに第12話では支配権を100パーセント到達し、勝利を確定。総統に褒められるに至った。以降、言及・描写なし。
 

 

 

 名称:南部戦線/南部方面軍
 規模:複数個艦隊
 戦力:不明
 隷下部隊:
 配備地/作戦域:不明
 指揮官:クロッペン
 所属:不明

 

 言及
 第12話において、西部戦線のヒステン・バーガーと共に勝利達成を総統から祝福された。どのような戦力であったのか、どのような戦闘過程であったのか、全く推測できるような描写はない。

 そのため、全く不明