旧作ヤマト考察協会

第一作から完結編まで、旧作宇宙戦艦ヤマトを出来る範囲で現実的に考察するブログです。

ヤマトⅢ 地球側登場人物の考察

 

 久々のテレビシリーズであるヤマトⅢでは地球側でも懐かしい面々の他に、新たな登場人物も多数現れ結構なボリュームを成す。

 なお、今期から軍人や公職者の被る帽子の顎紐が腰(俗にいう鉢巻)と同じ色に変更された模様。今までは黄色で目立ったが、今回からは全く目立たなくなった。

 

 

 

 氏名:団彦次郎(英語版:Dan Hammer)
 年齢:不明
 階級/役職:宇宙開発気象局一等技官/気象観測船船長
    容貌:Full beardな髭

 艦長用の濃紺コートと同じほぼ同じシルエットだが、両の肩口に黄色い錨のマークがあしらわれていたり、コート全体に黄色い縁取りが成されている点が違う。また、胸に何の勲章かは不明だが略綬が、恐らく肩にも肩章があしらわれている。帽子も鉢巻が紺色で容貌と相まって、宇宙戦士っぽい。その為、アルファ星第4惑星警備隊司令よりも軍司令官っぽい。最も特徴的なのは黄色いジャボだろう。

 若干高圧的な態度が鼻につくし、人の話をあまり聞かないタイプ。揚羽財閥を揚羽コンツェルンと呼ぶところも、何ともお洒落さんで。どう考えても頑固な人物だが、その裏返しで義侠心は溢れており悪い人では決してない。プライドの高さとそれに見合った振る舞いの出来る人といえば、一番聞こえのいい表現だろう。

 判断力はかなり高い方だろう、元々宇宙気流に巻き込まれたがそれを何とか脱出に成功し安全な空域まで離脱出来たのだから。また、ダゴン艦隊の強力さを理解しヤマト誘導の罠に使われると理解したうえで、SOSではなく退避要請を放つなど優先順位をかなり明確にして行動に移す。その流れる様な判断は彼が凡人では決してない事の証左だろう。実際、気のゆるみ勝ちなダゴンが指揮を執ったから勝ったのであり、彼の副官が指揮を執っていたならばヤマトは圧倒され負けていた可能性すらある。

 ヤマトとの出会いは――宇宙気流に巻き込まれ観測船の機関が損傷したため立ち往生していたところを、たまたま付近を通っていたヤマトに救援される。

 その際の様子から古代の名前を知っているらしく、ヤマトが駆け付けたと分かったが為に観測船の護衛を依頼したした模様。また、あくまで艦長を見込んでの事だったらしく、他のクルーには目もくれなかったのが大分印象悪いが同時に古代艦長に対しては真っ正直に対峙。ヤマトの任務を知った上での行動という点、自分の仕事はそれと同じぐらいに重要だという自負があるとみて相違ない。方針決定の会議が行われている際の時間つぶしで自分にワインとステーキにスープやらハムかなんかの前菜やらサラダやらのもてなしを受けた際はヤマトクルーがいつもこれを食べていると勘違いし贅沢だとキレる――短絡的な行動ではあるが半面、もてなしをする必要がないという意味ともとれるし自分は贅沢ははするべきではないという考え方を持っているともとれるだろう。公僕という立場であるとか任務に就く際の気概という点では大変に生真面目・実直な側面を有するのが見受けられた。

 揚羽武の父・蝶人と知り合いでヤマト乗り組みをした武に感銘を受ける妙に純粋な所もあるのが団船長の特徴で、ヤマトの任務やそれに携わるクルーの気概に触れた結果、会議の結論と同じ頃に同じ結論を自分で出して無人宇宙気象観測ステーションへ単独行を行う。その後部下二名と共に作業に当たっている最中、ダゴン率いる第17空母艦隊の攻撃を受けた際にはSOSではなく罠だと警報を発しヤマトを退けようとした。驚くほどの胆力のある人物である。

 最期は――意外と堅い観測船で脱出を試みるも猛攻に次ぐ猛攻を受け観測船は爆散、すぐ隣のロス第154惑星に脱出ポッドで不時着するも重傷を負い、収容に現れた揚羽にヤマトに対し古代艦長に対し第二の地球を見つけるよう、現宙域を離れるように言葉を残しこと切れた。

 お見事な最期と言えるだろう。とにかく高潔で孤高なのに情熱家、それに見合うだけの振る舞いと威厳を有する大人物といえよう。

 

 

 氏名:アルファ星第4惑星警備隊司令本名は不明
 年齢:不明
 階級/役職:不明(中佐程度と推定)/アルファ星第4惑星警備隊司令
    容貌:短髪口ひげ、薄茶色の髪質、小さい黒目、覇気のない表情。

 キャプションは警備隊司令第7話に登場した人物で先に述べたように物凄く気迫にかける覇気のない顔で、部下も同じように気迫に欠ける。司令の制服は形式こそさらばの空色な制服に近いが、左右に二つづつあるボタンで留める形式かつ内側の生地は黄色ではなく赤と結構違う。肩にも階級を表す肩章がついているのかもしれないが、判然としない。軍帽の鉢巻きはヤマト2の艦隊司令官たちとは異なり、紺色。

 部下たちはベルトこそしているが、くすんだスカイブルーの生地で前で留めるタイプの学生服然とした制服であり……これが余計に覇気のない要因と思われる。

 

 ひょっとすると、警備隊は防衛軍とは違う指揮系統なのかもしれない国土交通省の外局である海上保安庁のように、宇宙移民省の外局として警備隊があるとすれば制服の系統が大きく違ったとしても不思議はないだろう。無論、いざという時には海上保安庁のように自衛隊に組み込まれる可能性はある。第2話で襲撃された際は戦闘衛星が防衛軍の指揮の元に集結して防衛線に当たっていたが多分……明確な外敵あるいは多数の敵に対峙した場合は即時に防衛軍が中核として戦闘を行うという事前のプロットがあるとすれば何とかなるはず。

 先に述べたように第7話に登場したが、その後は不明。確かに圧倒的戦力を有する第18機甲師団艦隊相手に傷ついた手勢を率いることになったとはいえ――指揮能力は残念ながら低く、小型の警備艇を宙に浮かせてヤマトとドックをカバーする程度の策しか打たなかった、これはほぼ無策と言っていいあの気迫ゼロで逆によく全滅しなかった。11番惑星と冥王星に加えアステロイドべルト基地から出撃した惑星パトロール艦隊と合流したのかは不明だが、彼らが到着するまでよく持たせたと思う。反対に何とか戦い抜いたからあの気迫ゼロ=燃え尽きた状態だったのかもしれない。そう言う事にしてあげよう

 

 

 氏名:サイモン(フルネーム不明/Dr. Simon Probe)
 年齢:不明
 階級/役職:民間人・教授/地球連邦大学宇宙物理学部長
    容貌:フラウスキー少佐的な金髪、ふっさふさの口ひげを有するアメリカ人。詰襟のシャツに濃紺のウエストコートを常用する。

 第一話にて太陽の燃焼異常増進を観測データから読み取りこれを認識し地球連邦大統領に通報。大統領はこれを危険な情報と認識し太陽エネルギー省の黒田博士に相談――その結果、サイモン教授の意見は退けられる。それでもサイモン教授はめげずに懇意の藤堂長官を頼り危険性を説いた結果的にこれが黒田博士に対して闘争を仕掛けたと捉えられてしまった様子で、地球連邦大学総長が直々に首を言い渡しに訪れるに至る。

 性格は実直だが全く空気が読めないタイプと言えるだろう。

 まず総長に話を通す、知人経由で黒田博士に意見を問う、これらの下ごしらえをしてから大統領ないし藤堂長官に話を持っていくのが筋。しかして、一足飛びに大統領に話をしてしまったのである。総長だって気分は悪いだろう、黒田博士も気分悪いだろう。藤堂長官に話を持っていったのも、これ大統領が後で知ったら気分悪いだろう。そう言ったところを考えていないというのが、悪く言えば独りよがり。ただ、良い面もあるだろう――真面目で臆しない性格というのは人間的には十分魅力的。藤堂長官が好きなタイプだ。誰に忖度することなく、正しいと思ったことを実行するというのは生中な事では出来ない。

 ただ、それで日本的な組織において活躍できるかといえばそれはない。アメリカ的な組織であったとしても、あまり一足飛びに物事を進めると結構キレる人がいるらしいからアメリカでも無理かもしれない。結果、サイモン教授は在野の専門家として或いは独自に財団でも立ち上げてそこで研究を続ける他ないだろう。多分、それがサイモン教授にとってのベストだと思われる。

 第1話と第2話に登場したが、権力闘争に敗れアメリカへ帰国した。その後どうなったかは不明可哀想だが当然と言える結末

 

 

 氏名:黒田(フルネーム不明/Dr. Dubiaius)
 年齢:不明
 階級/役職:博士(専門は不明)/太陽エネルギー省観測局長(公務員・文民
    容貌:意外とシャープな輪郭、黒髪、口ひげの日本人。ライトブラウンの背広とレッドブラウンのネクタイを常用。

 第1話及び第2話では太陽燃焼の異常増進を認めず、表面温度の上昇をよくある現象として一笑に付した。しかし事態は好転せず太陽は異常増進を続け――ついに第7話で態度を変え、太陽燃焼の異常増進を認め対策を練り始め第8話において太陽冷却作戦を実行に移すが失敗。その後の行方は不明。多分、引責辞任はしただろうがアカデミズムの中では十分に立場を維持しているとみて問題ないだろう。異常増進自体がイレギュラーであるから逃げ道はある。

 昨今お茶の間をにぎわせた学者なのか政治家なのか扇動者なのかわからないタイプの学者に見えるが――実は学者にはよくあるタイプ学者はアカデミーに属している限りは政治抜きでは語れないのである。たまに学者が政治を出来ない奇人変人ばかりのように思っている人もいるが、確かに奇人変人もかなり多いがしかして自分の立場を守れるだけの政治力と身の回りに万が一が起きないように程度の気遣いが出来る人がほとんど。ノーベル賞を取るような学者も奇人変人だとしても大抵は周りからの評判が高かったり、業界では圧倒的な発言力を誇るのが常。そしてその業界での常識は世間では全く通じない……。学内政治、あるいはそれに類する闘争が出来ないタイプは大抵、政治力がないのではないく才能がないから浮上できない。考えてみればわかる事で、自分が傍若無人に振る舞えば上司に当たる学者にも迷惑がかかるのだから一般人程度には人付き合いをするのが当たり前といえば当たり前だろう。政治力がなくともただ者でなければ大体、誰か政治力のある人が後ろ盾になってくれるものなのだ。別に学会に限らず、建築やお笑いやそれこそ政治の世界では頻繁に見られる光景である。

 黒田博士に関しても同じだし、黒田博士が動かない=地球連邦大統領府が動かないという事でサイモン教授は藤堂長官とコンタクトを取った。ある意味先制攻撃を受けたから、防衛のために反撃で大学に圧力をかけただけ。大変セコイ、汚いやり口ではあるが別に違法ではない。

 正直、印象はよくないし性格もよくはないだろう

 裏から手を回してサイモン教授をクビにするのは中々性格が悪い。しかも、しれっと方針転換して太陽燃焼の異常増進を急に認めて制御計画の先頭を走るのだから面の皮が厚いという他ないだろう。マイナスのエネルギーを照射して太陽の燃焼異常増進をおしとどめようという考え方も対症療法的で、はっきり言えば官僚的。

 だから表面的な付き合いならば全く問題ないむしろ一緒にいて楽しいぐらいかもしれない。また、敵にさえならなければ付き合いやすいタイプだろうし或いは自分が権力者ならば……

 学者としての能力は平凡だが、考え方が官僚的で完全に学者としての自分の足を引っ張っている。何といっても負のエネルギーを照射して冷却、太陽の燃焼異常増進をおしとどめようとしたのは根本対処ではなく対処療法でしかないのだから発想が硬直的。ごく一般的な観測からの学者として分析は十分出来るとは思われるが、しかして何かを大きく転換するクリエイティブなタイプの学者ではないことは断言できる。

 

 

 その、出番・影響力の少ない面々――

 移民本部会議の面々:第12話と第19話に登場し、第12話の方では色とりどりの制服が集まり、長官(つまり本部長)らを合わせて21人と大所帯。赤いちょっとロン毛な副本部長らしい人物が取り仕切っていた。一方で第19話はカーキ色ばかりで政治家らしいため会議の性質と面々が少々異なっているらしい。こちらは第12話とは違い、長官をヒステリックにつるし上げていた。役に立つような面々ではない。

 

 戦艦〈ヤマト〉戦闘班砲術科第一砲塔:キャップこと坂巻浪夫(Greg)仁科春夫(Ben "String" Bean)が指揮するのが第一砲塔。

 キャップは鷲のくちばしのような髪型で一見すると科学忍者隊。第4話からの登場で、第6話の食堂防戦でも多分登場、第7話では酒場を荒らした一人に名を連ねる。アルファ星第4惑星の来歴について簡単な知識を有するなど、見識は広い模様。第7話の奇襲攻撃では帰還後、砲撃を指示し圧倒されかけた戦況をちゃんと回復するため砲術長としての能力は十分らしい。雷電にぶっ飛ばされるなど、ジャブは早いが体幹は強いわけではないらしい。砲術以外は得意ではないらしく、テーブルを雷電にぶちかまそうとしたところ、うっかり赤城に振り下ろしてしまう大ポカをやらかした。第22話で再び登場し、グスタフ艦が放った惑星破壊ミサイルを撃破しようと試みたが、勝手違う第二副砲と第三砲塔を指揮したためか当たらず……。最終的に戦死したかは不明設定上は加藤四郎の同期でイカロス天文台時からの乗り組みとの事。

 仁科は第7話から登場した、平田を軽薄にした感じの見た目の茶髪男。キャップと一緒に酒場を荒し、古代艦長の命令には従っても島副長の命令には従わないと豪語したヤベェやつ。キャップと同期らしいが、口ぶりを見ると二人ともガトランティス戦役に護衛艦辺りに乗り組み従軍しているとするのが妥当だろう。各種戦闘の敗北をナチュラルに各艦航海班の腕と考えていても不思議はない。じゃないと仁科がエグイ傍若無人な輩になってしまう。ただ――砲術科の手腕を称える揚羽と土門にプロは甘くねぇんだよと答えるなど、口が悪いだけかもしれない。戦死したかは不明

 

 戦艦〈ヤマト〉生活班炊事科:古代の親友平田一Alan Hardy、チーフ幕之内勉Tsutumu "Whizzer" Makunouchi)などが所属するのが炊事科。

 髪は短くもみあげも襟足もまったく遊ばせていない真面目人間な平田は古代の同期。第4話では味見を担当、また同話で深夜に古代の面倒=訓練後の楽しみであるレモンティーを用意している、雪より奥さんをしていた人物。意外と戦闘指揮が出来る人物で、第6話の〈ヤマト亭〉大食堂での戦闘ではテーブルを盾にして抵抗線を敢行したものの……最期はガルマン駆逐艦の突入に伴う白兵戦で古代ら戦闘班到着前に重症を負い、戦闘終了時にはすでに戦死ガミラス戦役からの生き残りの最期である

 幕之内チーフは度付きグラサンが特徴的で第4話に登場、訓練中にクルーの食事を用意すべく大鍋をかき回し部下に指示を出していた。第4話では〈ラジェンドラ〉の艦内気圧や大気組成などから知的生命体は同じ環境でしか発生しないと仮説を立てるなど論理的思考の持ち主であることを見せた。また、味見は雪の仕事らしいが同話にてラム艦長にBタイプのディナーを実際に用意したのはチーフである。真田副長の同期でガトランティス戦役生き残り19名の内の一人という話らしいが、画面上には全くそれらしいエピソードは出ていない。第20話ではおたまで深底鍋を叩いて楽し気な様子を見せたが、これがかなり印象的。

 最期を迎えたかは不明だが、大丈夫だろう。

 

 赤城大六(Ace "Toughy" Diamond):戦艦〈ヤマト〉機関部所属の元輸送船機関長で新人ではないらしいがいつヤマト乗り組みになったのかは不明、あだ名が‟宇宙のトラック野郎”。揚羽をヤンキーにしたような見た目で、大変気取り屋なご様子。

 第7話で「待った! その喧嘩、俺が買ったぜ」とヘルメットをバスケットボールのように人差し指の上でまわしながら初登場、「よく聞け! 元輸送船機関長、宇宙のトラック野郎赤城大六とは俺の事よ」と啖呵を切り、更に喧嘩を辞めて仲直りしないと、俺のど根性見ることになるぜと述べた親分肌なトラック野郎。キャップが間違って彼の頭を椅子でぶん殴った時、仲裁人を殴るとは何事だとキレたが、仰る通りごもっとも。第13話では占拠しようとしてきたバース星の囚人相手に食って掛かろうとするが太助に制止された。長幼の序というか、先輩後輩の関係は大事にする人物らしい。

 戦死したかは不明。まあ、機関部員だしヤマトが沈んでないから多分大丈夫だろう。

 

 雷電五郎(Goro "Buster" Block):戦艦〈ヤマト〉航海班航海科所属。島を航海班長様と呼ぶほど尊崇している人物で航海班相撲チャンピオン。島をゴツくしたような容姿で、凄く背が高い。詰襟に白い斜め線が加えられているため、新乗組員。設定上は宇宙開発大学付属高校出身らしいが画面上は全く出ていない。第7話ではスナックで大暴れした一方、第8話ではコスモハウンドに乗り鋳込み古代をサポート。第20話で喜びのあまり同僚をぶん投げまくる。

 戦死したかは不明。地味に外に出る人物であるため、ヤマトⅢで生き残っても完結編では果たして……。

 

 板東平次(Heiji "Beaver" Bando):眉間のほくろが印象的な戦艦〈ヤマト〉工作班技術科所属で今作における真田副長の右腕的存在、2における新米と同じ。詰襟に白い斜め線が加えられているため、新乗組員。

 地味に第1話の宇宙戦士訓練学校の反重力ドームのシーンにも登場第4話の訓練時に宇宙服のヘルメットを前後逆さまに着るアホな姿や、訓練後に土門と一緒にソファーでぐったりするだらしない姿をさらしたものの第7話では戦闘班と航海班の欠けたヤマトで防戦すべく、艦橋でレーダー員として敵ミサイル補足に当たった。また、第18話で真田副長と共に工作班分隊のオペレーターとして太陽制御任務にも当たる。第21話では真田副長と共に惑星ファンタムの調査に当たった。

 以降の登場はないため、最期を迎えたかは不明

 

 京塚ミヤコ(Penny Aycur):戦艦〈ヤマト〉生活班医療科所属看護婦第2話佐渡酒造と共にアルプス秘密ドックに現れたが、あの感じだと彼がスカウトように思われる。そのまま二人は一緒にヤマトへ乗り込む。

 第9話で他の女性クルーと共に下艦

 

 藤堂晶子(Wendy Singleton):南十字島で相原が出会った想い人。藤堂長官の孫娘で移民計画本部長秘書つまり祖父の右腕。左目に泣きほくろの茶髪ロングな女性で、一見すると真田澪的な容姿。第3話や最終話などに度々登場した

 多分死んではいない。だが、以降の登場はない。

 

 山上一家:山上老人トモ子トモ子の夫の3人でバーナード星第1惑星を開拓すべくヤマト到着の5年前に地球を出発。寒い環境に必死に慣れそれなりに幸せな生活を送っていたが風土病によって夫が倒れ、それにより望郷の念の湧いた息子夫婦に故郷を捨てた山上老人がブチ切れ乗って来た宇宙船を爆破してしまい、それ以降地球帰還を目指したトモ子は付近を通りかかる宇宙船へこっそりSOSを送っていた。そんな苦しい境遇の一家である。第8話と第9話に登場したが残念ながら第8話で角刈り夫が第9話で額から頭頂部にかけて禿げた老人がヤマト艦内で絶命。残ったトモ子は身ごもった子ともに警備艇へと移り地球への帰還の途に就いた。

 揚羽一家:揚羽蝶武の母の3人家族。第2話に登場した揚羽財閥当主の蝶人は長官の友人でヤマトの改造費用を提供したが、息子が可愛いあまりに彼の軍人としてのキャリアを裏からつぶそうとするエスタブリッシュメント全開な人物。ただ、重病の妻には弱く結局武の出征を認めた。東起デパートの稲森社長を見習った方がいいと思う。それに引き換え奥さんは高潔で自分の命さえ息子の道が切り開けるならばと投げうつ、さすがオカン。二人の容貌としてはブラウン系のスーツに身を包んだ口ひげの男性と幸薄そうなご婦人。

 一方の武(Michael "Flash" Contrail)は判りやすいロン毛のハンサムボーイで戦艦〈ヤマト〉戦闘班飛行科所属。詰襟に白い斜め線が加えられ、当然だが新乗組員。宇宙戦士訓練学校でも優秀だった様子で、かつての山本や坂本に比べれば劣るもののコスモタイガーの割と優秀な乗り手。気の合う友人・土門と共に度々無茶をやらかす。第13話では囚人処刑中のレバルス隊長をコスモタイガーで射殺するなど、活躍。最大のやらかしはルダ王女と相思相愛になった事……最期は第25話、土門が致命傷を負ったシーンを目撃かつ、このままではハイドロコスモジェン砲発射叶わないとみた事からベムラーゼ首相旗艦機動要塞のインテークらしき箇所へ特攻して果てた。その後、シャルバートへ迎え入れられる。ちなみに、第4話の訓練時にヤマト艦内で同期と共に迷子になって出撃が少し遅れた。

 

 土門一家:父母土門竜介の3人家族。第1話で父母は結婚記念日の行事として太陽観光に臨んだが、そこでダゴン艦隊が放ったプロトンミサイルの流れ弾により遭難。残念ながら古代らが捜索に当たったが、遺体は見つからなかった。眼鏡をかけた白いジャケットの紳士とポニーテールと言っていいのかわからないがそんな感じの髪型のご婦人である。14時東京発水星経由の太陽観光船に乗ったのが、運の尽きだった

 黒髪の毛先を遊ばせている以外は古代とほぼ一緒の容姿な竜介(Jason Jetter)。詰襟に白い斜め線が加えられ、当然新乗組員。彼は宇宙戦士訓練学校をトップで早期卒業するも、古代の無茶な人事により戦艦〈ヤマト〉生活班炊事科勤務となる。結果、古代に猜疑心を抱くも、拳で話し合った結果和解。度々生活班として艦外任務に従事し、たまたま舷窓を見た際に目撃した次元潜航艇の潜望鏡を発見――更に異次元戦闘を選択科目で履修していた為、対次元潜航艇戦の指揮を執る。そのまま事実上の戦闘班移動・艦橋勤務となり、第20話の惑星ファンタムでの調査にも従事。揚羽とはかなり馬が合ったらしく、第一志望が通った彼を羨むだけで反発は全く見せなかった。また、度々二人で無茶な行動をしでかす。最期は第25話、ハイドロコスモジェン砲の掩蓋を作動するため甲板に出てボラー艦載機の銃撃を受けた意外だが、割とミソジニーな所や無防備なシャルバートを見て征服しようと言い出すなどかなり粗暴な気質がある

 

 東京空港職員の皆さん第2話で災難に遭った方々。太陽の異常により電波障害が発生し、一切の機器に支障がきたしてしまった為に空港を閉鎖しようとしたが手遅れ。「まただ」という発言があった為――普通に考えれば、そもそも便数を減らすなどの措置をするのが上策だと思うのだが通常業務を行い衝突事故が起きてしまう。

 商用機パイロット第2話で災難に遭った方々パート2。全体として青いカラーリングに袖口が白と黒の一周横じまをあしらった制服を着用している。ヤマト2で登場した空港職員に似たような恰好。機長は金髪おっちゃんだが、副機長はほぼ映っていない。機長で計器異常でほとんど横倒しになった機体を水兵に戻し、緊急着陸(というよりも不時着なのだが)を試みた。しかし副機長の見た通り、着陸しようとしたB滑走路には自家用機のような小型ジェットが進入中。機長は驚愕の表情を見せ、最早どうにもならない機体はそのまま自家用機を踏みつぶし双方が致命的な損傷を受ける。そしてそのまま火だるまになって爆散した。ずっと帽子をかぶっているぐらい几帳面な人なのだから多分、着陸のほぼ最終段階での事故だろう、避けられる感じはしなかった。

 

 地球連邦大学総長:髪も髭もロマンスグレーな新渡戸稲造第2話に登場し、サイモン教授を首にした。死んではいないと思うが、もしかすると熱中症で……

 

 宇宙戦士訓練学校第1話に登場した校長教官。ハゲの博士然とした髪型で口ひげがあるのが校長の特徴、目がバッキバキなのが教官の特徴。それぞれ早期卒業の決定と訓示、早期卒業生を訓練場からピックアップ――ひょっとすると射撃訓練が最終試験だったのかもしれない――する役目を負っていた。他にもエイブラハム・リンカーンみたいな見た目で白と赤の制服に身を包んだ教官が登場し、古代と会談を持っていた。

 死んではいないと思うが、存外教官も配置換えで前線に出向くのが地球防衛軍でありひょっとすると護衛戦艦に乗って――という事も有りや無しや。

 

 〈SNACK CENTAURUS〉のご主人第7話に登場。ちょっと額の広い口髭を蓄えた赤毛のおっさん。勤務中に酒を飲んでいいのかと疑問を呈す、普通の感覚の持ち主。哀れにもヤマトクルーの乱暴狼藉で店を破壊され。ビール樽まで穴をあけられ――必死に塞ごうと試みたが、叶わなかった。昔は繁盛していたと思われるが、スナックは現在、閑古鳥が鳴いている。

 多分、最期は迎えていないはずだがスナックの経済状況は厳しいかもしれない

 

 ケンタウルス座駐留 地球防衛軍警備艇艇長第9話でほんの一瞬だけ映った人でヤマトから退艦した京塚ミヤコら看護クルーを収容する。服装含めアルファ星第4惑星の警備隊長と大差ないが、黒目が大きく少しだけ覇気のある人物。「〈ヤマト〉、航海の無事を、お祈りいたします」とセリフがあり古代は「ありがとうございます、〈ヤマト〉発進します」と応じた。ケンタウルス座駐留地球防衛軍警備艇はガトランティス戦役で登場したパトロール艦であるが、艦体がグレー一色の波動砲口や砲の前盾て或いは艦橋の前半部がクリーム色に塗られている。ノズルコーンやフィンの色は不明。驚きなのが、甲板上に出た面々が皆宇宙服を着ていない事。ヤマト第一作でシールドが展開されていたシーンがある為、多分そんな感じなのだろう。艦長なのだから大佐程度の階級のはず。

 アルファ星第4惑星の援護に向かってあげてもよかった気がするが、一方でたった一隻のパトロール艦で何が出来るかは疑問。ワープ明けの拡散波動砲発射であれば何とかなったかもしれないが、ワープ明けに砲撃は不可能。エネルギー充填中にダゴンに襲われる可能性の方が高い。だから出撃しなかったのは無理もないが――ただ、何か失態に見えてしまう。まあ、襲撃後の配備という可能性もあるだろうし、微妙なライン。

 

 他にも何人かいるのだが、情報が無さすぎて判らん

 

 

 ヤマトⅢにおける登場人物は結構思い込みが強い傾向があると言えるだろう。裏を返せば信念のある、気骨のある人物と言えるのだが――しかしてそれが当人たちの立場を悪くする傾向に働いているのは悲しい限り。

 挙句に、空港での電波障害などで大惨事を起こす。これ、ヤマト2でもテレサの祈りやナスカの奇襲で似たような事が起こっていたのだから、対策は講じられたたはず。だのに何もしなかった……これは現実にもある話で、皮肉とかあぶりだしといった次元を通り越している。ガトランティス戦役に直面し驕りから遠ざかったはずが、また驕りに近づき今回はキャラクターの行動まで問題含みで全員が……正しさとか理想を求めた結果逆に驕りにどっぷりつかっているのは見ていて苦しくなる程。

 また、指揮官やクルーは正直な所……ヤマト2の時代に比べれば結構質が下がったように思われる。単純に、勤務時間と時間外の区別や公私の区別がつかない傾向が強くなっている。何となく放映時の時代背景も頭に浮かぶためあまりいい気はしない。

 ちょっと質落ちたね、地球人