旧作ヤマト考察協会

第一作から完結編まで、旧作宇宙戦艦ヤマトを出来る範囲で現実的に考察するブログです。

銀河系大戦(ヤマトⅢ)参加部隊 ボラー連邦①――バース星――

 

 

 バース星はボラー連邦に属する惑星国家であり、ペルセウス腕のオリオン腕・太陽系前面域に位置する――天の川銀河ハビタブルゾーンに位置する。極寒の惑星で政治的な自立はないものの、自国民で運用されるおおむね自前の戦闘艦隊を有する強力な半独立国である。

 

 

 名称:バース星防衛軍
 所属:バース星(バジウド星系第4惑星)
 運用者:バース人

 規模:複数個艦隊
 配備艦種:戦艦タイプA/タイプB、大型空 母、バルコム艦型戦闘空母
 総隻数:約200隻

 配備地/作戦域:バース星
 最高司令官:ボローズ総督
 艦隊総司令:ラム艦長

 隷下部隊:バース星守備艦隊、バース星警備隊(レバルス隊長指揮下)、バース星陸上軍

 

 バース星防衛軍(仮称)はバース人によって運用されるバース星守備の為の戦闘部隊である。しかしながらその艦艇はボラー連邦正規軍準拠そのもの。恐らく氷上戦車などの陸上兵装もボラー連邦正規軍準拠であろうと推測できる。また、最高幹部や監察はボラー連邦本国からの派遣された人物が担う模様。その意味では独自性がない軍だ。

 一方で、ラム艦長のようなバース人高位司令官も存在し、運用そのものはバース人によって行われているため、独自性がゼロというほどではない。ダゴン艦隊の勢いに抗することはできなかったものの、初期においては互角に戦って見せた点など軍事教練的には十分成熟した課程とその教育を施すことのできる環境なのだろう。

 艦隊の数も200隻近い数を見込み、数の上では下手をすれば地球より軍事大国。また、陸上戦力も相当数が配備されていると見込まれる。

 ダゴンが手こずるのも無理はない。

 


 名称:バース星守備艦隊(主力艦隊)
 規模:2個ないし3個艦隊/第一陣総数20隻以上、第二陣30隻以上、第三陣約50隻。
 戦力構成:戦艦タイプA/タイプB多数、大型空母多数(6以上)、バルコム艦型戦闘空母(12以上、14)
 戦力総数:約120隻

 配備地/作戦域:バース星周辺域
 指揮官:ラム艦長
 所属:バース星
 運用者:バース人

 

 バース星を守備するために出撃した大型の戦闘艦隊である。戦艦と空母がバランスよく配備されており、計算上は非常に強力な艦隊。ただし、ボラー連邦本国艦隊に比べ、可能性として小型艦艇を配備されている可能性もある為、必ずしも本国艦隊に匹敵する戦力であるとは限らない。
 特徴的なのがバース人で運用されている点で、乗組員は劇中登場は全員が緑色の肌をしたバース人である。

 

 戦力構成
 第1話ではタイプAおよびタイプBを中心とした砲戦艦隊が前面に立ち、ダゴン艦隊を迎え撃った。
 更に続く第2話の前半部においても20隻近いタイプBを投入し果敢に攻撃を行った。しかし、後半部においては戦艦の数は減少し、代わりに大型空母を前面に出して砲戦を行った。総数は恐らく、合計30隻程度だろう。
 第3話でもう一度ダゴン艦隊に対し戦闘を挑み、その際は戦闘空母を集中投入し戦力を整えて攻撃を開始。戦闘空母はこれが12、ワープアウトして撤退したのが14程。他にも後続感があった為、総数で30程が見込まれる。

 

 第1陣の戦力は第2陣の戦力より劣るか、総数が劣るかといえば不明で惑星破壊ミサイルの爆発に巻き込まれた艦艇を見落としているため――描写的には最も陣容の強力であろう第3陣と同格としても問題はない。

 

 実際の戦力
 恐らく航空戦力はほとんど有していないと思われるダゴン艦隊との決戦に出撃した艦隊は100隻を見込み、更にそれなりの数の守備艦隊を温存していた事を 考えると――バース星艦隊の総数は200隻近い。しかもそのうち空母が戦闘空母に限っても30隻、大型空母も含めると50隻は下らないだろう。これらの空母に搭載する戦闘機はざっくり1万機は見込んでおく必要が有る。


 ところが、バース星は流刑地に近い扱いである。

 星は寒冷地らしく、大規模な食糧供給は見込めないし、10年前は独立国であったが結局ボラー連邦に飲み込まれた事を考えると戦力供給は自由にはならないのではないだろうか。つまるところ、航空戦力は数百機がせいぜいで、殆どの空母がボラー本国からの貸与であって自前で建設した戦力ではない、とみるのが妥当だろう。これでは航空戦力を使うタイミングがないし、おいそれと使えない。
 そうはいっても、空母は火力供給源となり得る。だから戦艦ないし巡洋艦扱いで空母や戦闘空母を編入し、敵艦隊前面に押し出した。苦渋の決断だろうが、当然の判断ともいえる。

 

 結果、総投入砲門数が最低でも400門。第一陣でも80門の火砲を集中的にダゴン艦隊にたたきつけた。その結果、ナレーションでは圧倒されているように説明されたが、実際にはむしろバース星守備艦隊の方がダゴン艦隊を圧倒し勝利に近づいていた。

 

 戦術
 ラム艦長に取れる作戦は限られていた。航空戦力がいまいち確保できない中で、味方より機動性に優れる敵艦隊と戦うのである。割合に強力な火力を以て地道に砲撃戦で敵を押し留める他、方法はない。


 実際、劇中の第一会戦において多数のタイプBとタイプA及び大型空母を投入し一定程度圧倒する事に成功した。だが、惑星破壊ミサイルの爆発に巻き込まれ味方の大半が消滅。続く第二会戦でもタイプBを大量投入したものの、高機動戦――しかも、左右から攻撃されるという大惨事。この時はどう頑張っても左右どちらかの戦隊にしか攻撃できないし、片方を攻撃すればもう片方に艦尾を狙われるという大ピンチ。直進して敵艦隊を振り切る他に手段はなかっただろう。第三会戦では大型空母を戦艦として多数投入し、アルファ星第4惑星への砲撃に気を取られたダゴン艦隊を奇襲攻撃。多少の戦果を得たが、失ったものも多かった。
 第四会戦において、戦艦の類の数は少なく、戦闘空母を大量投入することでガルマン・ガミラスに対してボラー連邦が勝っている基礎的な砲撃力の再充填を敢行。それなりに作戦は当たり、劣勢に追い込まれ撤退する羽目になったが、ワープで撤退できるだけの余裕をつくる事はできた。


 劇中の活躍
 第1話及び第2話、第3話。ダゴン率いる第18機甲師団艦隊と交戦。第1話で惑星破壊ミサイル爆発の余波に巻き込まれて消滅、第2話ではバース星を背後にして敵艦隊と戦うも翻弄され、同話中盤でアルファ星第4惑星上空でも戦闘を敢行。こちらは奇襲に成功することで一矢報いたが、結局は反撃にあい大損害を負う。更に第3話でも登場し、徹底抗戦を試みたが喪失艦多数に及んで戦場を離脱。各艦はバース星に旗艦できた艦もあるだろうが、途中で敵艦との一騎打ち状態になった艦も多数あった模様。


 旗艦ラジェンドラ号のみ第5話と第6話に登場。ボロボロの状態で太陽系へ意図せず進入、海王星ドックで人道的理由から補修を受けた。しかし、ダゴン艦隊の執拗な追跡と奇襲的攻撃を受けて奮戦敵わず、沈没。

 ここにバース星守備艦隊はそのほとんどが壊滅してしまった

 

  

 

 名称:バース星守備艦隊(本星残留組)
 規模:1個艦隊級
 戦力構成:タイプA多数(18以上)、タイプB多数(15以上)、戦闘機多数
 戦力総数:約30隻+航空戦力

 配備地/作戦域:バース星 
 隷下部隊:バース星警備隊(レバルス隊長指揮下)

 指揮官:不明(ボラー連邦本国派遣指揮官) 
 最高司令官:ボローズ総督

 所属:バース星
 運用:バース人

 

 戦力構成
 バース星守備艦隊の残存戦力。元来は戦闘空母などが編入されているのだろうが、先の戦闘で痛手を負っているため――恐らく全艦ドック入り。実質、軽量級戦艦であるタイプAが中心だった。

 

 戦術

 ボロボロ状態のバース星守備艦隊の残存部隊では、どうあがいてもヤマトには勝てなかっただろう。しかも、ついさっきまで味方と思っていた戦闘艦に砲口を向けなければならない乗組員の葛藤と、やたらに強いヤマト。

 場合によっては最精鋭だから本国に残されたという可能性はある。だが、普通に考えてあれだけダゴン艦隊に蹴散らされたのだから、最精鋭を温存しているとは思えない。だとすれば――彼ら残留バース星守備艦隊を例えるならば、ロシア帝国海軍第3太平洋艦隊。

 

 彼らが勝てる戦術などありはしなかっただろう。ヤマト相手だけではなく、ダゴン相手にも敵わなかったはず。

 

 劇中の活躍
 第13話。ベムラーゼ首相の意向を受けたボローズ総督の命により出撃した艦隊。よくある地表偽装型の基地から発進し、速やかにヤマト攻撃を行ったが――左右に艦首を振って巧妙にボラー艦隊の砲撃を逃れて退避。むしろ艦隊の方が旋回不能砲塔の弱点を突かれて全く使えなかった。

 ベムラーゼ首相の意向でバース星が大型ミサイルで破壊される際に巻き込まれ、全所属艦艇は消滅したと思われる。

  哀れ。

 

ボラー連邦兵器群 ベムラーゼ首相旗艦機動要塞――宇宙の腐ったブドウ――

 

 ベムラーゼ首相旗艦機動要塞はヤマトⅢ最終話に登場したその名の通り、ベムラーゼ首相の用いる機動要塞である。その気持ちの悪い見た目と、最悪なタイミングでの登場と相まって非常に評判の悪い要塞だ。

 

 

 データ――すべて不明

 

 

 宇宙の腐ったブドウ
 ファンの間ではゼスパーゼとも呼ばれる機動要塞。他の要塞ブロックの倍以上巨大な中央ブロックの周りから直接生えた細い支柱で中型ないし小型要塞を連結する。18個は確実に連結されているだろう。反対側は描写されていないが、恐らく合計で――25ブロックが連結されていると思われる。
 ブロック一つ一つにブラックホール砲の砲身が1門設けられているらしい。小型の要塞ブロックも小型とはいえ――直径が戦艦の全長の3倍は確実にある。幅だと5倍ほどか。ブラックホール砲は砲身が複数の小口径砲をまとめたような形であろうことが描写から考えられる。


 内部はえげつないほど巨大。ベムラーゼ専用の司令官席が同心円の中心に設けられ、そこに左手側から通路が伸びる。椅子は円形の床の上に置かれているが、床の先は堀。さらに先に土手の如くバームクーヘン的床が、さらに先の窓の手前に狭い円形廊下が設けられている。窓は台形を組み合わせたもので、同じくモニターが天井にも設けられている。恐らく、配下の艦隊とのデータリンクが行われているようで、ヤマトが複数角度から同時に投影されていた。
 オペレーターが何人いるのかは不明だが、3人一組であることには変わりないらしい。シーンによっては12人ぐらいが登場している場面もある。恐らく、この指令室は体育館並みの大きさと階高があるだろう。

 

 護衛艦隊は概ねAタイプの戦艦で構成されている模様だが、あんまりBタイプとの違いがない為――見間違えかも。

 劇中ではベムラーゼ首相旗艦機動要塞と一貫して呼称された一方でファンや業界ではゼスパーゼと呼ばれるのが普通。一方海外はMobile FortressBemlayze-Zethpurge〉と間を問った感じのネーミングを付けられている。

 

 

 武装

 ブラックホール砲が第一の武装である。開口部が多数あるものの、すべてがブラックホール砲であるとは思えないが、ほとんどすべての要塞ブロックに開口部がある。一部はインテークのようなものであるらしく、ここが弱点。

 

 ブラックホール砲は、同時展開はしない模様で1門程度。ただし、連射性能が高く、敵が反撃する前にブラックホール砲を連発して敵を圧倒する。要塞自体を回転する必要はない模様で、砲を展開する要塞ブロックを切り替えることで射角を確保するらしい。だとすれば、あのやたらめったらにブドウかカビかウイルスのような見た目になっているのも、射角を確保するためと説明可能。

 他にも、艦載機や敵戦闘艦の迎撃用なのだろう無数の小口径砲が弾幕を張りまくる

 

 要塞の特徴として、表面の空間磁力メッキ並みと推測可能な装甲。これはタランが総統にむやみなハイパーデスラー砲発射を思いとどまらせる理由となっていた。多分、ゴルバやデザリアム星のそれと同様の形式だし、その防護性能が落ちる理由も同じ。

 つまり、装甲それ自体にも十分対弾性能はあるが内部からの電力供給などによってそれをさらに強固にしていたのである。

 しかし、設計予定外の破孔形成による強度の著しい低下と、内部への誘爆路の形成。揚羽君が開口部に飛び込んだおかげで、開口部という――きっと迎撃時にハッチが閉められたりするのだろう。しかし、それが傷付いてしまった。そこへハイパーデスラー砲を叩き込まれた結果、速やかに内部が破壊され、防衛機能が著しく低下、それによって蕩けるように吹き飛ばされてしまった。と説明できるだろう。

 

 基本的には弱点の少ない要塞といえるだろう。他の勢力の要塞に比べても、攻守ともにかなり強力。強いて言えば補給が若干不安か。

 

 

 全長の推測
 まず、小さめの要塞ブロックの全長の推定。これは簡単で、戦艦タイプA横幅の推測が原作設定値だと――推定70メートルであるから、要塞ブロックはその5倍、つまり350メートル。描写からでは450メートル、再設定値で750メートル程。中程度のブロックはこの1.5倍程度で――要塞の全長は小さいブロックの8倍に当たる。

 つまり、この要塞は計算上設定値では2.8キロ。描写からは3.6キロ、再設定値では6キロメートルとなる。短手は6倍弱であるから、2.1キロの設定値。描写からは2.7キロ、再設定値では4.5キロとなる。


 ヤマト世界のラスボスの要塞にしては結構小さい。ガルマン・ガミラスの東部方面軍機動要塞とほとんど同程度だ。だが、要塞が必ずしも巨大である必要はないし、見るからに大した母港としての機能もないようなので、戦闘用の移動トーチカとして割り切ってみれば、この程度が丁度いいのかもしれない。

 

 

 運用

 恐らく、ベムラーゼ首相のほとんど専用状態の要塞だろう。正確に言えばボラー連邦首相用の要塞。旗艦級戦艦の場合、万が一の喪失は免れないし、あくまでこれは戦闘艦である。まして護衛の戦闘艦をサポートできる母艦機能は当然存在しないだろう。

 ボラー連邦の恐ろしいのは恐らく反乱。差し当たってはガルマン・ガミラスの脅威。もし、戦闘艦であればこれ単独で辺境惑星や空白地帯に展開することはできない。艦隊の維持も難しいし、万が一の襲撃に対して救援を差し向けるまで時間がかかってしまう。下手をすれば旗艦が撃沈されて、国家存立の危機が容易に発生してしまう。

 しかし要塞であればいくらでも艦より大きな規模の機能を確保可能。別にベムラーゼ首相個人の所有である必要はないが、彼や彼の役職に紐づいた存在であろう。

 つまり、移動首相府というのが妥当な線。戦闘の上では移動トーチカ

 

 他方で、あのブラックホール砲。あの威力はすさまじい。どう考えても惑星を吸い込むほどの力はないようだが、それでも艦隊を吸い込むことは可能。守備艦隊がなければ惑星は守れず、あとはボラーの主力艦隊に蹂躙されるほかない。つまり、粛清や敵惑星への制圧戦に使えるのだ

 実際、太陽系へ侵入しガルマン・ガミラス艦隊を消滅させた。あのタイミングで仮に地球へと攻撃の矛先を向けた場合、地球の防衛力ではボラー艦隊相手ですら十分には対抗できない。もしかすると新戦艦が就役しているかもしれない故、これで一定程度反撃は可能だが――結局ブラックホール砲に呑まれてしまいかねない。あのシーンはこの要塞の強力な一面を見せたと言えるだろう。

 

 強力な粛清手段としての側面――恐ろしいほどの威圧感だ

 今まで味方だと思っていた、或いは恐怖ではあったがようやく打ち払った敵艦隊。それがあんな腐ったブドウがいきなり自分たちの星系に突入してくるのである。挙句出撃した守備艦隊が瞬時にブラックホールに飲み込まれ、なすすべなく壊滅してゆく。仮にこのシーンを連邦内にプロパガンダ的に流せば、極めて強力に引き締めるツールとなる。

 要塞自体がかなり強力な武力を有しているため、しかも3万光年を大した時間もかからず、亜空間を通ったヤマトとほぼ同時に太陽系に突入しているその機動性

 圧倒的火力と圧倒的奇襲性を有した恐ろしい要塞であることは間違いない。 

  

 

 劇中の活躍
 第25話=最終話に、満を持して登場。

 ハイドロコスモジェン砲を以て太陽制御を試みるヤマトに対し、護衛艦隊と共にブラックホール砲で猛攻を加えた。しかし、そこへ登場したデスラー親衛艦隊。デスラー砲の一斉射撃を以て護衛艦隊が壊滅させられ、挙句に思いっきり煽られてしまったベムラーゼ首相。当然ブチ切れ、ブラックホール砲を乱射。これによって親衛艦隊への逆襲に成功した。戦闘はボラー側の優勢に進む。

 だが、コスモタイガーの猛攻とヤマトとデスラー艦の両睨みの戦闘というきめの粗さをつかれ、揚羽が要塞のウィークポイントへ特攻。その機会を逃さずデスラー総統は弔いのハイパーデスラー砲をお見舞いし、その光芒の中に要塞は蕩けてしまった。

 

 

ボラー連邦兵器群 第8親衛打撃艦隊前進基地要塞――宇宙の小豆――

 

 

  第8親衛打撃艦隊前進基地要塞は唐突に表れた前進基地で、ほんの数カット登場したのみ。物凄く名前が長いが、特に見た目が変わっているとかではない――データも何もない為、全く持って不明瞭な要塞である。

 

 

 

 データ—―不明

 
 宇宙の小豆。色が本当にあずき色なのだ。悪く言えばゴキブリの卵……この宇宙要塞は、ハーキンス率いる第8打撃艦隊所属のデストロイヤー艦13隻を出撃させたのちは特に出番なし。

 

 発進口は要塞底部横並びに最低4ないし5つ、一隻ずつの出撃である。発進口の幅は恐らく450メートルほどが予想される。この発進口は集合すると櫛のような見た目となり、要塞全体の2/5強を見込む。

 発進口ブロックは中央にあるわけでは無く、後方に要塞の2/5程の未開口部が存在する。さらに言えば、この発進口ブロックは要塞の下方1/3程度の位置にある。発進口は実際の発進口は450メートル×200メートルほどを見込まれ、櫛っぽい両サイドの押壁的な何かの用途や意味は不明。

 中央上辺と下辺に棒状アンテナが幾本か、大型のものが設置されている。

 

 

 全長の推測

 発進口の12倍近い全長であろうことが描写から推定可能。発進口同士の間は約200メートルであろうと予想できる。つまるところ、要塞の全長は5400メートルが見込まれる。幅は2400メートルだろう。再設定を加えた場合、全長13000メートルで幅が5000メートルほどになろう。

 

 仮に、デストロイヤー艦が300メートルを超える戦闘艦であった場合、数値は約倍にする必要性がある。つまり、全長11キロで幅が5キロ。再設定値では25キロの全長と10キロ程の幅となるのである。

 

 

 収容能力の推測

 劇中では不明。最低でも13隻は出撃させた。

 計算上、要塞短手方向には14隻で長手に42隻収容可能。これはギリギリ間で詰めた場合であって、大体9×30ぐらいだろう。段数は4段は十分収容可能なはず。つまり、デストロイヤー艦に限った場合は総数1080隻。戦艦タイプAの場合、最大で13×30であるが、余裕を持たせれば9×20×2程度が妥当。という事は、360隻ほどが推定できる。

 ただ、仮にデストロイヤー艦が300メートルを超えていたりタイプAが400メートル近くであった場合は全ての数値が半分になる。つまり、デストロイヤー艦の収容は最大540隻。タイプAは150隻。

 

 第8打撃艦隊の陣容から考えて、タイプAとデストロイヤー艦を両立させる必要が有るし、要塞自体が前進と銘打たれているため、危険な場面にさらされることを想定しているのだろう。恐らく一定程度の武装が見込まれるし、艦隊の人員を収容する必要もある。そのため、単純に両者を合算することは不可能。

 妥当なラインで――タイプAが4×20×2で160隻。デストロイヤー艦が4×30×3で360隻ほどか。数値が大型であった場合、タイプA60隻プラス160隻ほどを見込む。

 

 劇中の第8親衛打撃艦隊は30×奥行き方向と20×奥行き方向、くさび型陣形に展開した艦隊であるから……第一戦隊は計算上最低でも112隻、第2戦隊は最低でも60。つまり、170隻以上。もう幾らか隻数が多くても不思議はない為、総数は200隻ぐらいか。

 仮にこれが妥当だった場合、前述の第8親衛打撃艦隊前進基地収容力とほとんど同程度となる為、具合が丁度いい。第23話限定の話だが。

 

 仮にヤマト再設定値と揃えるならば――ざっくり、タイプAが640隻に加えてデストロイヤー艦が1440隻ぐらいが見込まれる。めまいがするほどの大艦隊である。

 

 

 立ち位置・運用

 仮に専用に建造されていた場合は当然、第8打撃艦隊の基地。

 仮に、汎用的に用いられる宇宙要塞であった場合、銘打たれているように支配権が確立していない地域と確立した地域の接続点に展開し、艦隊を適宜出撃ないし収容する拠点である。

 危険地域に展開しているとあれば、防衛能力は高いだろう。例え的に集中砲火を喰らったとしても、ベムラーゼ機動要塞程ではないにせよ、一定程度は持ちこたえるだろう、そうであってしかるべき。また、前進基地であるという事は味方の救援までタイムラグが他の拠点に比べて長くなる可能性があるし、攻撃にさらされる機会はこれもまた当然頻繁になるだろう。つまり、この要塞も武装していて不思議はない。

 まあ、まともに劇中に登場しているわけでもないのだから、何とも評しようがない。

 

 

 劇中の活躍

 登場は第19話。ほんの十数秒程度、画面に映っただけ。特にインパクトを視聴者に与えることなく、ただ「小豆みてぇだなぁ……」程度しか印象を残さなかった。

 あとはさっぱりわからない。

 

 

ボラー連邦兵器群 戦闘空母――前衛配備型空母――

 

 

 戦闘空母は大型空母とは異なる、火力強化版の航空戦力基地であり、恐らく前線に立って敵と対峙する艦としても攻撃的な戦闘艦である。

 

 

 ――データ――

 艦級名:不明
 全長:不明
 エンジンノズル:超大型1基、補助ノズル2基(仔細不明)
 武装:艦央部格納式砲塔2基、格納式小口径砲(仔細不明)、(第二主砲基部目玉様砲片舷1基、後部艦体武装格納部片舷4基、艦前部並列格納式副砲2基)
 搭載機 :中型戦闘機Aタイプ、小型戦闘機、上陸用舟艇
 搭載機数 :不明

 

 後部艦体は円形(艦尾側は一部平ら)、前部艦体は半円形で、艦首に開口部が設けられ内部が赤い。艦橋は戦艦のそれと同一。この二つの艦体を比較的太い通路部で結び、一つの艦体としている。後部艦体円盤の前縁はインテークらしい、また、半円の直径部もインテークの模様。艦橋後部から特殊なエンジンノズルが伸び、その左右を通常のエンジンノズルが挟む。前部と後部艦体の下部には平たい矩形の艦体が張り付けられているが、どういう意味なのかは不明。インテークかも。また、エンジンに繋がっているだろう底部の張り出しも同やらインテークらしい。
 全体として青く塗られ、エンジンノズルが黒い。艦橋の形は戦艦タイプBに近いが、レーダーアンテナの長さはタイプAばりのながさ。

 

 名称は特になく、戦闘空母と呼ばれることすら劇中ではない。海外でも戦闘空母〈Bolar〉としか表現されない。何だか可哀想な感じである

 

 

 武装
 武装はいつものプレート砲塔2基4門。副砲らしいプレートが見えなくもない為、これが2基4門。可能性として、艦首方向への投射力はこれで最大8門となる為、下手な戦艦より火力が高い。ますます肩身の狭くなるタイプA。

 しかし、この艦の場合はどうやらミサイル兵装は本当にない模様で、だとすれば砲撃特化型の戦闘空母となってしまう。もしかするとミサイル兵装があるかもしれない戦艦や大型空母より、後れを取ることは間違いないだろう。
 何のために戦闘空母としたのか……わからない。

 

 

 全長の推定
 第22話が比較の対象になるか。いや、ならないか……。9対4でがま口、前部艦体と後部艦体は3対5程度か。全長と幅の比率は7対3。これ前提


 バルコム艦の場合、大型空母とさほど変わらない全長らしいが、発進口はほぼ倍。形状として戦闘空母はバルコム艦に近い為、予想として挙げられるのは発進口が大型空母と同じならば50メートル、より大型ならば65メートル前後となるだろう。故に比率から言って前部艦体の幅は140メートル程度が予想可能。後部艦体は230メートル程度であろう、これらの数値から考えて全長は530メートルと想定できる。
 問題なのは、前々から述べているように、タイプBの全長が600メートルであった場合の事。この場合、全長は1400メートルの幅約600メートルとなる。単なる概算というか推測である為、大きさは当然前後する。

 

 とはいえ結局、大型空母と大して変わらない大きさらしい。

 バルコム艦比較全長:約530メートル(再設定値:約1300メートル)
 バルコム艦比較全幅:約140メートル/230メートル(再設定値:350メートル/570メートル)
 第13話タイプB比較全長:約1400メートル(再設定値:3500メートル)
 第13話前提全幅:約320メートル/600メートル(再設定値:700メートル/1500メートル)

 

 

 艦載機運用能力
 運用される中型戦闘機タイプAあるいはタイプBもしくは小型戦闘機の全長設定が全く分からない。描写からしてコスモタイガーと大差ない。つまるところ全長17メートル程度の幅8メートル程度。これらなら問題ないが大型機だと、艦体の形状からして大して積めない。発進は可能だろうが、いかんせん格納部の長さが足りないのである。

 通常通りの機体を積むことにしよう。

 

 10機ぐらい一気に発艦できるぐらいの開口部から発艦するが、どうもレーンが3つほど用意されている模様。多分、滑走路上の自由駐機ではないだろうから、機体をセットしてカタパルトで飛ばすのだろう。であれば、たいして発艦距離は必要ない。
 格納スペースとして予想できるのは前部艦体。物凄く有機的な形状のおかげで、容積がいまいちつかめない――ため、開口部が大型のパターンを見ると、短手4列の長手14機2段で合計112機は概ね十分に格納できるだろう。仮に再設定を加えるならば、機数は大体4倍の448機が見込まれる。仮にタイプBが600メートルだった場合は、500機程は十分に収容可能だろう。
 恐らく、後部艦体は格納スペースにはならないだろう。だってエンジンがかなり巨大でかつ、艦橋がある為容積をかなり取られるだろうから、艦載機格納に回すだけの余力はないとみ有られる。
 もしかすると着艦口は艦底部にあるのかもしれないが、やっぱり不明。

 バルコム艦比較機数:約110機(再設定値:440機)
 第13話前提機数:約500機(再設定値:2000機)

 

 この大型空母と比較して微妙な機数と微妙な火力では正直存在意義が不明。大型機を積んで艦載内容を変化させる必要が有るだろう。
 

 


 立ち位置・運用
 はっきり言って、大した使い道がない。だって大型空母が結構火力が高いうえに、莫大な艦載機運用能力を有している。これでもう十分ではないだろうか。


 この戦闘空母が大型空母より優れている点は、正規軍の空母相手に2門ばかり艦首方向への投射力が高いだけ。バース星守備艦隊の大型空母では、砲門数は互角どころか突起様砲2門が加わっているため――もし、戦闘空母の艦首にある小さいプレート的な突起が副砲でなかった場合、完敗である。


 強いて言えば一隻失っても艦隊全体の艦載機運用能力から言えば、損失は少ない空母であったとしても、戦艦並みの火力を供給する戦闘艦として前線に配置して敵艦隊と戦うことが可能だろう。

 あんまりいい意味での作戦参加の利点ではないが。まあ、差し当たって無理やり前線に投入して損害覚悟で頑張ってもらうほかない。

 

 

 劇中の活躍
 初登場は第22話の後半。第一は何年か前の回想シーン。ハーキンスの親戚みたいな若めの指揮官が乗り組んだ旗艦仕様の真っ赤なこの艦が登場、後部艦体底部の箱から円盤型の青いシャトルを射出し、ファンタムにルダ王女を流刑にしていた。これが一番の活躍シーンだろう。

 第二の登場は同話中のラスト。ハーキンスがルダ王女の件を思い出し、言われて思い出した首相が万が一ヤマトがルダ王女を奪取した場合の危険性を鑑みて出撃させた第8打撃艦隊の援軍たる第1、第2主力艦隊を構成する戦闘艦として出動。

 続く第23話にも登場スカラゲック海峡星団域にてガルマン・ガミラス北部方面艦隊やヤマトと交戦し、全滅した。

 

 

 大型空母があまりに汎用過ぎて……コイツの存在意義がちょっと判んないや

 

 

ボラー連邦兵器群 大型空母――"戦闘”空母――

 

 大型空母はボラー連邦が抱える大型の航空戦力供給源。更に、バース星などの属国に対しても貸与されている、ベストセラーな戦闘艦でもある。

 

 

 ――データ――

 艦級名:不明
 全長:不明
 エンジンノズル:大型4基、(箱型2基、1基につき下部に小型ノズル2基)
 武装:艦前部格納式砲塔3基、艦橋前部格納式連装副砲塔2基、艦首上面突起部砲片舷1基/第22話:艦前方格納式砲塔1基、艦橋前部格納式砲塔2基、艦首底部3連ミサイル発射管舷側1基、艦央部上面ミサイル発射管片舷2門
 搭載機数:不明
 搭載機種:不明

 

 上面図は概ね、いびつな形の3角形であり。頂点たる艦首は半円形で黒く塗装され、艦載機発進口となっているらしく内部は赤い。発進口の直後からデルタ型のインテークが張り出しており、カナード翼風な印象を持たせる。
 平たい上部艦体とは異なり、下部艦体は角ばった円筒な感があり、艦軸を形成する。エンジンノズルは当然艦尾にあり、底辺が短い台形に配置されている。艦橋は戦艦のそれを二つ縦に乗せたような形。
 艦橋はバルコム艦と同様。故にボラー戦艦のタイプBに近いが、かなり基部がそびえたって、背が高い。

 

 残念な事ではあるが……艦名などが設定された事は今までにない。海外でもLarge Carrier〈Bolar〉とあまり丁寧な設定が成されているとは言えないだろう。

 

 

 全長の推定
 前提として、1対2.5程の比率。ただ、扁平である為に見る角度によってはスマートにも見える。発進口は11対3程度の割合。
 恐らくラジェンドラ号と同規模。つまり、全長260メートルの幅100メートルを見込むあって50メートル前後の増減だろう。少なくともバース星艦隊においてはこの全長

 

 無論、鬼門の後半エピソードを前提とすると、また全長の値が変わる。つまり、幅90メートルぐらいの戦艦タイプBの倍の幅=180メートルであることが第24話にて判明、同時に高さも100メートル程度と判明。故に全長はざっくり400メートル強程度が予想として立てられる。発進口は50メートル前後。


 ところが、あの第13話の大型ミサイル発射シーンの兼ね合いから、タイプBは230メートル程度が幅として見込まれる。よって、この空母の幅は約500メートルに到達し、1.5キロ程度の全長であろうと予測できる。ゴルサコフ艦との比較をどう評価するか、という点によってこの数値が妥当であるかが変わるが――数値のラインというか幅に関しては妥当だと思う。

 

 ヤマトと比較して再設定を行えば、最大で全長3.3キロが見込まれる。

 ラジェンドラ号比較全長:約260メートル(再設定値:380メートル)
 ラジェンドラ号比較全幅:約100メートル(再設定値:220メートル)
 第24話前提全長:約400メートル(再設定値:820メートル)
 第24話前提全幅:約180メートル(再設定値:410メートル)
 第13話前提全長:約1500メートル(再設定値:3700メートル)
 第13話前提全幅:約500メートル(再設定値:1200メートル)

 

 ヤマトⅢの大きな問題として、シーンによって描写のされ方が大きく変わってしまう傾向にあると度々述べて来た。

 タイプBと同じように、この大型空母もかなり大きさに幅がある上、大きさによっては全く能力が変わるのであるが――正直妥当なラインが見つからなかった……。

 

 

 

 武装
 バース星守備艦隊配属の艦の場合、連装主砲2基の後方から艦橋の間に中口径連装砲が2基設けられ、火力が高められているようだが、主砲の基部がせりあがっているため射角が限られる。つまり、投射力は主砲4門+ぴょこっと飛び出た突起砲2門。空母が戦艦ばりの火力を有する必要はないが、そのでかい図体から考えて、下手をすればタイプAよりも頼もしい砲戦艦になり得る


 ボラー連邦正規軍の大型空母の場合主砲が一基減じられて火力がバース星守備艦隊の配備艦より明らかに劣る。しかも、なぜか射角が限られる艦橋前の砲塔を存置するという迷采配。よって火力は正面投射が2門+突起砲2門と大幅に減ぜられている。そもそもこの空母自体が対艦用には過剰な火力を有していると言えよう。
 その割に対空砲がどれだけ積まれているのか不明。仮に、戦艦程度の対空砲であった場合――逆に空母としては脆弱と言えよう。

 

 着艦口は……
 困ったことに、発艦口はあっても着艦できそうな開口部がない。本当に、どこにもない。せっかく開口部を限定し、滑走路を保護しているのに、戻る場所がないというのはこれ如何に。発艦口が着艦口と併用であった場合、これ作戦上極めて危険。万が一、通信ミスで発艦と着艦がかち合った場合、激突事故からの大爆発が予想される。つまり、唯一の開口部が破壊され、空母としての機能が失われてしまうのだ。これは挽回のしようがない。きっとどっかにあるのだろうが、描写されていないだけだろう……


 せめてもの救いが、意外と火力が高いという点であり、空母として使えなくとも戦艦として使えるってなんでやねん……。

 

 

 艦載機運用能力
 困ったことに、これらで運用される中型戦闘機タイプAあるいはタイプBもしくは小型戦闘機の全長設定が全く分からない。多分、どれもこれもコスモタイガーと大差ないはず。戦闘シーンからみて。

 つまるところ全長17メートル程度の幅8メートル程度。 


 まず、艦首発進口の黒い部分は格納スペースではなく、発進スペースだろう。戦闘空母で想定されるカタパルト形式だろう。格納可能なスペースとして恐らく艦体中央ライン――ラジェンドラ号を前提とした場合は幅40メートル程度の部分、全長は200メートル程で高さが20メートル程度か。正規軍の場合は幅60メートルの全長500メートル程度が見込まれる。高さは大体40メートル程度か。
 仮に、ラジェンドラ号ベースで縦11列横3列の4段程度が無理のない値だろう。この値の範疇であれば、仮に底部のもっさりした艦体にも収まる容量となるはず。つまるところ、132機が見込まれる。母艦としての機能以外にも多数ある為、運用能力は多少は少なくなるかもしれないが。タイプB前提では、幅60×長さ300メートル程度を見込むため、6機15列程度の4段で420機が予想される。
 仮に最大値=タイプBが600メートルであった場合を前提とした場合、発進口は180メートルほどだろうから――横14機、縦70機のざっくり5段程度の合計4900機。
 でも、劇中では一度も艦載機を出撃させなかった……。
 
 再設定を行った場合全て数値を大体4倍にする――最大値の場合、これ途方もない数字になってしまう……。原因はボラーの戦闘機が登場勢力中じつは小型傾向にあるからだろう。

 ラジェンドラ号比較機数:約130機(再設定値:520機)
 第24話前提機数:約420機(再設定値:1680機)
 第13話前提機数:約4900機(再設定値:19600機)

 

 

 立ち位置・運用
 当然空母。或いは旗艦級戦闘艦。実際、第一話のは端っこに真っ赤に塗られた旗艦仕様の大型空母が登場していた。


 当たり前だが、運用の基本は艦隊航空戦力の供給源だろう。少なく見積もっても130機、大型であれば400機程度の巨大航空戦力が一隻で提供できる仮に、最大値の1.5キロやその再設定値である3.3キロであれば――その搭載機数は4900から1万9600と頭がおかしいほどの巨大戦力となる

 しかしながらこれほどの巨大戦力。これは失ったらかなり痛い。それを考えると、確かに重武装になるのも理解できるだろう。だが、重武装になると、後方に置いておくのはちょっともったいなくなる結構苦しい矛盾である

 

 仮に、艦載機を確保できなければバース星のラム艦長のように最前線に出して戦艦として運用するのも一つの手だろう。バルコムのように圧倒的多数を用意できるのであれば、艦載機を大量発進させようがさせなかろうが、密集隊形で敵を迎撃すれば火力十分・弾幕十分ゆえに艦隊のどの位置に居ても戦えるゴルサコフのように微妙なラインであれば、旗艦の周囲に集めて航空戦力の供給源。さらに相互に援護して火力を艦隊として航空戦隊として確保

 このような描写と性能を考え合わせると、運用のされ方の内実はこのようなものが想定されるのではないだろうか。

 


  
 劇中の活躍
 ヤマトⅢ第1話に登場、僚艦と共にバース星守備艦隊を構成した。第2話でも登場し、ダゴン艦隊へ猛攻を加えたが反撃を受けてほとんど戦没。
 第22話第23話にて第8打撃艦隊及び第1、第2主力艦隊を構成する戦闘艦として出動、ガルマン・ガミラス北部方面艦隊やヤマトと交戦し、全滅した。

 

 前線でも後方でも戦える空母って強いだが問題は整備者が機能を万全にできるか、運用者がうまく能力を発揮させられるか……

 

 

ボラー連邦兵器群 デストロイヤー艦――多用途任務艦――

 

 デストロイヤー艦はシリーズ後半で登場した戦闘艦である。ボラー艦艇にしては猛烈に直線を多用した異質な艦である。しかも主兵装が明らかにミサイルであるという点も極めて異質。今回はこの艦について考察を加えたい。

 

 

 ――データ――

 艦級名:不明 
 全長:不明(約168メートル)
 エンジンノズル:大型2基、並列
 武装:艦央部6連装スペースロック発射管2ブロック、艦首連装大型格納式砲塔2基、艦前方舷側爆雷発射口片舷4門、格納式対空砲座多数、(連装格納式砲塔4基、確認できず)

 

 分厚い木べらのような艦首――2199のドメラーズⅢに近い――から艦体が伸び、断面が6角形のミサイルブロックが2つ、その上にS-300F フォールトと同様のミサイルサイロが設けられている。艦後尾の推進部はミサイルブロックと同じく6角形だが若干長い。艦橋の形状は潜水艦然としているが、家のテレビアンテナのようなアンテナが艦橋後方から生えているのが不格好。しかも推進部をこの艦橋から延びた構造物が縦軸に横切っている不思議。推進はエンジンノズル2基と大変珍しい程に軽装である。

 全体としてボラー艦艇の割に直線が多く、スマートな印象で不格好な色鉛筆っぽい見た目。また、艦首から艦尾にかけて、空中甲板的に繋がれた構造になっている。艦首のみ黒で他は青色だが、珍しい事にエンジン内部は赤く染まっている。

 艦橋内部は特殊で、複数の窓が組み合わされて一枚のような体の窓となっている。意外にも司令官席がなく、立って指揮する模様。オペレーターは2名ワンセットで椅子に座り、部屋の四隅に配されている。艦橋内部はめっちゃ暗く、明らかに光量が足りない。

 

 細かい艦名などは特に設定されておらず、デストロイヤー艦としか知られていない。海外でもあまり細かい設定を付与されることはなく単にDestroyer〈Bolar〉と若干投げ槍にされている感がある。

 

 

 武装

 武装数からいってミサイルが主兵装。12基ミサイルをほぼ同時発射可能で、容積から言って次弾2から3発を見込める。つまるところ最大で36発をぶっ放すことが可能で、160メートル程度の艦体でこの火力は割と強力。しかも搭載するミサイルは威力は通常のミサイルと同様ではあるが、左右に回避行動をとるなど、ちゃんとしたミサイル。割と珍しい。

 

 なお、途中途中でガン無視してミサイルと述べたが――劇中での言及はあくまでスペースロック。戦闘開始直後、ハーキンスはスペースロックの発射を命じた。つまり、繰り返すが名称はあくまでスペースロック。

 という事は、可能性として……アスロックのもじりか何かだろうアスロックとはやまぐも型から〈あきづき〉までの護衛艦に、バージョンアップを挟みつつ長年搭載された対潜水艦ミサイルで、魚雷の後ろにロケットブースターを引っ付けたモノというのが最も簡単な説明。Anti Submarine ROCket=ASROC

 つーことは、言葉尻だけを捕らえるとロケットであってミサイルではないみたいなことを言えてしまうのだが――このミサイル、二つ前ぐらいのエピソードで登場した惑星間ワープミサイルの子爆弾同様に、ヤマト史上非常に数の少ない、ミサイルらしい高い誘導性と自動的な回避行動をとる、現実の兵器に描写を全力で合わせた非常に細やかな武器である。あの作画、絶対大変だったでしょうね。

 今までヤマト世界のミサイルがミサイルと言いつつ直進しかしないロケットであるという……それに引き換え、名称だけ言えばロケットに近い印象だがこちらの方がミサイル然としているという何とも言えない強烈なギャップ。

 

 

 ミサイル兵装に加え、主砲を艦首に並列配置してミサイルブロックの数と射角と砲塔の数を確保した。

 どうせ左右に旋回できないタイプであることに加えて、他に配置する方法がない為、主砲を並列配置させた。そのおかげで艦首方向に4門とタイプAに近い火力を確保することに成功した。これだとむしろ、艦首の形状からタイプA等の戦闘艦より仰俯角共に大きくとることが出来る。よって、タイプAより信頼感のある戦艦という事に……。

 

 全体として、タイプAにタイプBの要素を加えた戦闘艦といえるだろう。或いは、タイプBの汎用化バージョン。つまり、多様な任務や戦場において活躍を期待できる幅広い武装を有した強力な戦闘艦

 この艦のデストロイヤーは駆逐艦という意味より、破壊という意味の性格の方が強いのではないか。と思えるほど、普遍的にかなりの攻撃力を有していると言えよう。

 

 

 驚くべきはその意外な装甲の厚さで、これはある意味武装

 このデストロイヤー艦、艦体に直撃したヤマトのショックカノンを……案外一撃目は耐える傾向にあるのだ。主人公補正のかかっているヤマトの攻撃を必死に耐えるという、割と珍しい艦

 この現象というか、能力発揮は第19話でも見られたが、特に第23話ではこれが顕著。さらに言えば、直撃した際の角度でそのダメージの大きさが変わるとこじつけられるため――投射されたエネルギーを流体として捉えて受け流すような構造という説明ができるだろう。

 ただ、艦体に限った限定的な耐久力であることに変わりなく、ミサイルサイロを集中攻撃されてしまえば手も足も出ない

 

 

 全長の調整
 幸いな事にタイプAの戦艦より一回り小さい描写が一貫している。そのため、原作設定値であっても問題はないし、再設定値の場合は370メートル程度と、他の艦とも大して齟齬がない。
 が、鬼門の第23話。ガルマン・ガミラスの大型戦闘艦との戦闘において、二回り弱小さい程度というのが比率として確認できるシーンがある。つまり――380メートルが最低ラインという事になる。そのまま再設定してしまうと、値が800メートル程度まで到達してしまう。

 タイプA比較全長:約170メートル(再設定値:390メートル)
 タイプA比較全幅:約50メートル(再設定値:120メートル)
 第23話前提全長:約380メートル(再設定値:830メートル)
 第23話前提全幅:約120メートル(再設定値:310メートル)

 

 

 運用・立ち位置

 先に述べたように、タイプBの縮小版かつタイプAの後継艦とするのが妥当だろう。

 使い勝手が微妙なタイプB、砲撃のみで攻撃の手数が少ないタイプA双方の弱点を解消し、長所であるタイプAの小型感とタイプBの手数の多さを組み合わせた戦闘艦、それがこのデストロイヤー艦といえるだろう。

 

 であるならば、前線に立って敵艦隊と対峙するのが当然の運用。

 タイプAからタイプBの間程度の装甲は有しているらしいし、決して単なる的な紙装甲ではない。火力は砲撃もミサイル攻撃も可能と非常に有力。タイプBが決戦や殲滅の為に温存しておきたいし、味方艦の巻き込みも怖い一方でこのデストロイヤー艦のミサイル兵装はそこまで破壊的ではない。だからこそ、いくらでも活躍の幅が有る。

 今までボラーが決戦に用いがちで、うまく使えていなかったミサイル兵器戦術レベルに落とし込んだ最初の例であり、これは彼らにとって非常に画期的だったと評する事が出来るだろう。

  

 

 劇中の活躍
 第19話にて初登場、ハーキンス中将率いる第8打撃艦隊を構成する主力艦としてヤマトと対峙、全滅した。
 第23話にて再登場。第8打撃艦隊及び第1、第2主力艦隊を構成する戦闘艦として出動、ガルマン・ガミラス北部方面艦隊やヤマトと交戦し、全滅した。
 最終話にも登場、ベムラーゼ親衛艦隊を構成する戦闘艦としての参加だったがデスラー砲の連射で消滅した。

 

 

ボラー連邦兵器群 旗艦級戦艦:ゴルサコフ艦/ベムラーゼ艦

 

 ボラー連邦の旗艦級戦艦の中で、かなり大型であろうことが推測されるのが今回考察するゴルサコフ艦とベムラーゼ艦である。どちらも最高幹部クラスの人物が乗る戦闘艦だけあって、子細不明ながらも強力な戦闘艦である事が予想される。

 実際に強いかは別だが。

 

 

 第2主力艦隊旗艦:ゴルサコフ艦

 艦級名:不明
 全長:不明
 エンジンノズル:1基(伝導管6本)
 武装:艦橋基部大口径砲(ボラー砲)1門、艦首直列配置格納式砲塔3基、艦首ミサイル発射管片舷3門、艦中央部舷側ミサイル発射管片舷3門、艦央部大型ミサイル垂直発射管1門、艦央部舷側ミサイル発射管片舷3門(+艦底部惑星破壊ミサイル格納庫)

 

 ハーキンス艦から円盤を取り除いたような形。あるいは、舷側を削ったラジェンドラ号。珍しくフィンが付いており、艦首底部に角のように飛び出ている。
 艦橋はアンドロメダのようにアンテナ類が躯体の中におさめられているようで、これまでのボラー艦とは様相がかなり異なる。コンパクトなのは外側だけではなく、内部は何だか物凄く狭そう。画面に映った部分がほとんどないが、司令官席とその上にヤマトっぽい円形のモニターが設置されている。

 

 武装

 バルコム艦とは異なり、艦載機運用能力はない。むしろハーキンス艦に近い武装傾向。他の戦艦とは隔絶した砲撃力と圧倒的なミサイル投射力が特徴的で、形状から考えて艦底部に惑星破壊ミサイルが内包されていても不思議はない。

 ハーキンス艦との武装の違いは、おそらくハーキンス艦は快速艦隊の旗艦であり、敵惑星制圧より敵艦隊制圧戦を主眼とした艦隊の旗艦だから、あのような形式になったのだろう。他方、こちらはタイプAおよびタイプBに加えて戦闘空母なども擁する総合的にまんべんなく戦力を有する艦隊である。当然、惑星制圧戦も視野に入るだろう。であるならば、惑星破壊ミサイルをこの艦が保有していても不思議はない。

 一言でまとめるならば、戦艦タイプBの超強化版といったところか。

 

 立ち位置・運用

 第2主力艦隊旗艦としたが、実際は不明。ただ、一話前に登場したバルコムの名乗りから考えて、彼がハーキンスの援軍に持っていったのは第1主力艦隊のみであった可能性がある。その場合、ベムラーゼ首相はあくまで本国にある第1と第2主力艦隊の出撃であったため――流れから言えば、バルコムが残した艦隊をゴルサコフが率いても不思議はないだろう。時系列としても、スカラゲック海峡星団域での戦闘の直後にヤマトはシャルバートへ向かったわけで、派遣時期としてはゴルサコフが第2主力艦隊を率いていてもやはり整合性は取れる。

 

 ただ、バルコム艦との比較――どういう事だろうか。バルコム艦が明らかに通常戦闘艦である青色という事を鑑みると……ひょっとしてこれ、バルコムのじゃね?

 

 仮にゴルサコフ艦がバルコム艦であっても問題はない。

 第8親衛打撃艦隊の援軍として発進した第1主力艦隊及び第2主力艦隊のうち、あの発令から出撃までのあまりに短い期間を考えれば。全艦が発進できなかったとしても無理はない。正確に言えば、全艦発進整わずとも強行で艦隊が出撃した。その中の一隻に自身の旗艦たる真っ赤なバルコム艦もあった――が、バルコムは戦死。

 出撃が遅れ、結果的に撃滅を免れた本国の残存第1・第2主力艦隊をゴルサコフが新たに編成しなおし、バルコムの置き土産を自身の旗艦として持ち出した。

 

 これでも話の筋は通るだろう。艦隊は全艦がベムラーゼ首相の命令を実行したという形になるし、艦隊のナンバリングなんてどうにでもなる。また、ゴルサコフは参謀長であり、他の司令官とは異なり元来は隷下部隊を持つはずはない職務であろう。

 ラム、ハーキンス、バルコムは当然、現場指揮官である。ベムラーゼ首相の場合は戦闘艦をIl-80であるとか、型番IL96-300PU的な扱いをしても不思議はないだろう。しかしゴルサコフは彼の幕僚の一人である。必ずしも自身の旗艦を所有する必要はないはず。

 要は、バルコム艦が、たまたま空きがあった旗艦級戦艦だっから思わずゴルサコフが乗り込んでしまった。という事。

 

 全長の推定
 幅はタイプBより一回り大きい程度か――120メートルほどが予想できよう。高さはこれが意外に高く、タイプBが160メートル程度を見込むため、このゴルサコフ艦は230メートルほどを見込む。
 全長はタイプAの3倍は確実にある(比較できるシーンがタイプAしかいなかった)ようで、ざっくり520メートル程度が予想値となる。ただ、タイプBの全長が本当は600メートルぐらいあるという可能性がある為、そのラインで推測していくと900メートルから1キロは下らない。再設定を行うと――2.2キロほどか。

 タイプA比較全長:約520メートル(再設定値:1300メートル)
 タイプA比較全幅:約120メートル(再設定値:300メートル)
 タイプB比較全長:約900メートル(再設定値:1840メートル)
 タイプB比較全幅:約210メートル(再設定値:440メートル)

 

 劇中の活躍
 初登場は第24話。閉じ行くシャルバート星への亜空間通路に突入してゆくシーンの他はほとんどが椅子に座るゴルサコフのドアップだった。シャルバート星到達後、直ちにデスラー親衛艦隊に対して攻撃を開始、さらに電撃作戦を展開してシャルバート星にも別動隊として用意していた戦闘空母を繰り出し空襲を開始した。

 彼の最終目的はシャルバート星の占領であり、実際的に降下兵を投入したものの――ヤマトクルーの応戦に遭い失敗。艦隊を以てシャルバート星を踏みつぶそうと全身するも、まさかのハイパーデスラー砲の直撃を受けて消滅した。

 

 

 

 ボラー連邦艦隊総旗艦:ベムラーゼ艦(Dreadnaught Bemrerse)

 艦級名:不明
 全長:不明
 エンジンノズル:不明
 武装:艦前方格納式砲塔4基、ミサイル発射管舷側3門
 搭載機:首相専用シャトル


 ベムラーゼ首相がバース星を視察する際に用いた戦闘艦であり、大量の護衛艦隊を引き連れ、同星上空に展開しヤマトクルーを驚愕させた。
 正直形状は不明。ベムラーゼ艦とされる艦のデザインは艦首の後方に折れ曲がった一本角が特徴的。艦首に開口部はない模様。艦尾側に若干のプラットホームを設けてボリュームを持たせた感じ。若干主力戦艦に似ていたり、何だかよくわからない艦。表現は極めて難しく、タイプA戦艦を縦にドッキングしたような形状ともいえるかもしれない。艦央部が若干くびれているらしい。
 艦橋は潜水艦のそれ、艦橋とは別個にアンテナかインテークが艦橋の真後ろに設けられている。艦橋内部はかなり広く、作戦指令室というか、閣議場となっている。列席者は8人。ベムラーゼの席は最も高い位置で、巨大なモニターが正面に来るように設計されている。よって他の列席者は首を曲げて見なければならない。じゃ、目の前のテーブルに埋め込まれたパネルは何だ? 
 いちいち表現しがたいというか――しいて類例を挙げるなら地球の護衛戦艦〈ビスマルク〉をより有機的で流線形にした感じの形状をした戦闘艦と言える。

 

 

 立ち位置・運用・武装

 勝手に総旗艦としてしまったが、実際は不明。ただ、ベムラーゼ首相が乗り込むのだから、一時的とはいえ確実に総旗艦扱いになることは想像に難くない。

 武装は他のボラー艦より明らかに強力で、艦首方向への火力投射が4基8門と破格。ただ、ボラー砲があるようには見えない。あるとすれば、艦橋基部であろうが――疑問。ボラー砲がないとすれば、照準を合わせるには艦首をいちいち廻す必要が有る点、使い勝手が悪い。

 この艦が活躍する場面になって居る時点で基本的にはボラー連邦大ピンチだが……。

 

 

 全長の推測
 これは結構大きい戦闘艦である。画面上から、タイプBの戦艦の倍近い全長であると推測が出来る。つまり、500メートル程度。再設定を行ったとして、1.2キロが妥当な線だろう。ただ、大型ミサイルとヤマトとの比較からは1.2キロと超特大艦となる。再設定値で3キロ。
 一つ確かな事は、ほぼ確実にボラー連邦の旗艦級戦艦の中で最大の艦である事は間違いない。数値を整えると次の通りで――一部数値に乱れアリ

 タイプB設定値比較全長:約500メートル(再設定値:1200メートル)
 タイプB設定値比較全幅:約180メートル(再設定値:420メートル)
 第13話前提全長:約1200メートル(再設定値:3000メートル)
 第13話前提全幅:約340メートル(再設定値:730メートル)

 

 

 首相専用シャトル
 このシャトルは円盤型で、上面中央の盛り上がった部分が白く、それ以外は全てオレンジ色の独特のカラーリングである。物凄くヘンな所に二等辺三角形の底辺を向かい合わせにした形状のヘンな窓が付いている。ベムラーゼの座高が判らないため、推測のしようがないが――窓の16倍が高さであるから恐らく24メートル、直径が60メートル程度か。

 

 

 劇中の活躍
 第13話にのみ登場。バース星上空へ護衛艦と共に展開して滞空――その後は全く何もせずフェードアウト。しかも全容がわかるようなアップさえなかったため、全く持って不明。劇中では何もわからない。