旧作ヤマト考察協会

第一作から完結編まで、旧作宇宙戦艦ヤマトを出来る範囲で現実的に考察するブログです。

護衛戦艦 アリゾナ――過武装戦艦――

 

 護衛戦艦アリゾナはヤマトⅢに登場した地球軍艦艇である。

 威風堂々な見た目と共に、あの出渕氏がデザイナーを務めた事で若干過剰気味に高い評価を受けている戦艦。この艦の真価を誰もまともに批判的に見ていないので私が思いっきり批判的な目で考察しましょう

 みんなデザイナーさんの事が好きすぎるからさ……。

 

 

 

 ――データ――  

 艦名:アリゾナ 
 類別:戦艦/艦級名不明 

 全長:不明 
 全幅:不明

 主機:波動エンジン(別に補助エンジン4基を艦尾搭載)
 兵装:艦首波動砲1門、艦上部前部三連装主砲2基、同艦尾1基、舷側三連装副砲・片舷につき1基、艦首前部魚雷発射管艦下部6門、同上部6門、煙突型対空速射パルスレーザー砲1基、艦橋基部連装対空パルスレーザー砲・片舷につき2基、同艦橋中部側面・片舷につき1基 
 艦載機:不明

 

 ヤマトに類似した艦首形状ではあるが、外部塗装を青く内部塗装を赤くして仕切り版を内包した横扁平な波動砲口と青いケツ顎なバウとなっている。また、主力戦艦の艦首上部のアレが引っ付いている。艦橋部は主力戦艦とほぼ同様で、しかし艦尾は補助エンジンの配置の関係もありアンドロメダ的。艦橋の真後ろには煙突があり、ヤマトと異なり色が青。艦前部艦底インテークの前縁は青だが主砲塔の前盾は普通にグレー。艦後部艦底インテークは内側が赤と、塗装が割合凝っている。ただ、艦尾ノズルがどうなっているのかは画面上からは分からない。

 

 


 武装
 艦首波動砲に加えての艦首方向へショックカノン12門ミサイル類発射管12門を備えた前方に対する大な投射力を持つ。また、アンドロメダと同様な武装があるとすれば、艦首の大ショックカノンと艦橋部の衝撃砲群の搭載も見込める為、更に投射力が上がる。

 ただし、舷側方向への投射力は6門がせいぜい艦尾砲塔はフィンに邪魔されるが、これはアンドロメダと同じように戦闘機の機銃と同じようにあらかじめ同期させていれば問題はないだろう。また仮に死角が出来ても自艦が回避行動を取ればいいだけであり、騒ぐ必要はない。他方、艦尾方向へは3門と決定的に能力が下がり――仮に旋回しつつ砲撃を行えば舷側砲も3門は使えるだろう。が、あまりにの火力が小さい。後方の警戒に難がある傾向のヤマトシリーズにおいて、これは危険

 舷側砲6門からなる上下方向への強力な投射力がある事は敵襲に対する安心材料になるだろう。一方で、普通に艦を下降させたり上昇させて最大仰角で砲撃をすれば、宇宙戦艦であるからこそカバーできるはず。舷側砲にあんまり意味があるとは思えない。

 

 要は、非常に武装過多。その割に中途半端な配置で絶賛、持ち腐れ中。出渕裕デザインだからわざわざ言わなくてもいいような文句を言っているわけでは無く、どう考えても武装過多。第二期巡洋艦の考察記事でも述べたが、武装過多。あの艦も艦の規模に比して危険なほど武装過多。

 

 やはり、主砲と同じか一回り小さい程度の舷側砲なんていらんだろ。挙句に射角も異なる。完全自動化であれば、不安はペイできるだろうが生身の砲術員が砲塔内にいるとすれば――これは狙える目標に差がある為に舷側砲と上面の砲塔とで、一々目標設定を変えて指示しなければならない可能性がある。となると、必然的に指示が出しずらくなり結果無用の長物化してしまう。舷側砲塔の砲術長が勝手に砲撃を指揮できるのであれば話は別だが。また、射角からして艦軸線方向以外では舷側砲は使用できる場面はない。

 劇中、ヤマトは全9門の主砲と6門の副砲を同時発射することはほとんどなかった。あっても砲塔毎に時間差を設けた砲撃であり、完全に同時にぶっ放すのは6門がせいぜい。これはアンドロメダでも同じ。

 全門の同時射撃は単純に必要がないという事と、波動砲発射の為にそのほかの攻撃を全て中止することから見えるように波動エンジンの短時間でのエネルギー供給量には一定の限度がある(これ、割と暗黙のルール)ヤマト世界では、実は何でもできるわけでは無いという二つの理由を設定できるだろう。

 

 アリゾナの機関出力がヤマトやアンドロメダを大幅に上回っていない限り、結局の所同時発射できるのは6門がせいぜいと予想できる。仮に出力不十分な状態で全門を使用するとなると12門同時発射になる故に、計算上はヤマトのショックカノン1発より2/3から最低で1/2ほどの出力になってしまう。

 この場合、敵に対して向け続けられる砲はせいぜい4門程度の射撃能力しかなく、挙句に一発当たりの貫徹力は当然低下し、最悪全門無意味になる。何かあった際のスペアの砲塔という位置づけならば理解もできるが、しかし……位置取りが悪い。上面砲塔に損傷が起きた場合、舷側砲を活かすためには必然的に艦を傾斜させるなりをして味方艦隊や敵艦隊と“水平線”の差を修正しなければうまく射撃が出来ない可能性がある。

 何度も述べるが、人間が射撃にかかわった場合は、自身の“平衡感覚を操れる”高度な能力を持った砲術員が必要になる。

 


 あの堂々たる煙突は、煙突型のパルスレーザーという話だが――一体どんな使い方をするのか。砲の展開方向によっては全く使い物にならない

 ばたっと側面が開いて180度全周に攻撃できるようになるのかもしれない。しかし、そんな変なギミックを突っ込む必要性がないし、そこまでしてパルスレーザー砲を載せる理由があるには思えない。対空戦力として、艦載機及び艦橋部のパルスレーザー砲群があるのだし、別にいらんのでは?
 艦橋部のパルスレーザー砲群、この割と多めに配された砲群はあってしかるべきだし、仮に艦載機運用能力が低いとあらば、なお正当性がある。こちらは削ってはならない設備だろう

 

 全体として、ゴテゴテし過ぎであんまり意味のある武装がない無きゃ無いでいいような武装ばかりが目立つ。デザイン的には収まりがいいのではあるが、メカデザインとしては疑問

 出渕さん、あんた小林誠のこと言えないよ……?

 


 波動砲拡散タイプか、後に繋がる拡大波動砲かは不明。

 すぼまった扁平な砲口のからして、完結編に登場した拡大波動砲っぽい――他方で中央に仕切り板がある為、たとえ普通の波動砲でも拡散タイプにならざるを得ないだろうから、拡散波動砲が妥当だろう。

 間を取ろうつまり、高威力実現のために収束率を高めた拡散波動砲。一発一発のエネルギー塊の威力増強を行い、従来の拡散波動砲の様な面への攻撃ではなく、収束波動砲の点への攻撃に近い影響範囲を求めたモノ。一発一発の貫徹力が劣り、拡散する際にエネルギーロスが予想される拡散波動砲――貫徹力は高いが巨大艦隊相手にはどうしても効果範囲が狭い収束波動砲。その両者の良点を損なわないように、欠点を補うようにした波動砲と想定できるのではないだろうか。

 当然ながら拡散以前及び以後も波動砲の収束率の向上が見込める為、貫徹力や味方艦隊の頭越しの発射も可能となるはず。一隻でも攻撃に成功すれば、敵艦隊に対する強力な牽制効果を発揮できるだろう。

 

 


 艦載機の有無
 多分ある。艦底部の形状からして、底が平ら。デッドスペースが少なく収容が出来そうな艦容は護衛戦艦の内でも、この艦ぐらいビスマルクは全武装が隠顕式である為、内部スぺースは当然少なくなる。それを考えると艦載機運用能力は極めて小さいとするのが妥当だろう)。

 アンドロメダ的な艦尾というのも鑑みると、あの艦が艦載機運用能力を付与されていたのだから、アリゾナも多少はあってしかるべき。また、ヤマトを彷彿とさせる外観というのも含め、やはり艦載機を搭載していても不思議はない。

 むしろ、艦載機運用能力がないのであれば――同時期の〈プリンス・オブ・ウェールズ〉や〈ノーウィック〉らと差別化が図れず、競争設計的な艦容の差の意味がなくなってしまう。

 はっきり言えば、艦載機を積んでない方が失望する

 


 だが、運用能力は多分……あんまり高くないと思う

 まず、艦載機運用能力を確保しようとすれば艦の規模が大きくなる。航空隊の能力を確保しようとすれば当然、複数機を搭載する必要が有る。また、損傷や故障の際の補用機も載せる必要が有るだろう。

 劇中において、さほど機動性がなかったとはいえ、敵襲に対する即応体制が構築されていた。艦隊戦を旨とするならば、複数艦を以てデメリットをカバーしたり、能力の違う艦隊を複数集結させて戦闘を行う方法は十分とれるはず。

 航空戦力を確保するのは難しい万能艦を建造するメリットは希薄。これらを考えれば、ヤマトⅢ当時の穏健とはいえ再拡大期に突入しつつあった地球とはいえ、万能艦に固執すると想定するのは妥当ではないだろう。

 

 当然、航空戦力を載せられるのであれば載せたいだろう。私も載せたい。

 それにはヤマトの成功という下地がある。だが、あの成功は優秀な航空戦力の育成が必要という確固たる事実を突きつけてくる。他方、優秀な航空戦力であるとかその卵はガトランティス戦役で大損害を受けている。さらにウラリア戦役で地上の航空隊基地も損害を受けた。

 そこから考えて、偵察部隊以上を擁することは困難と思われる。将来的に運用可能な部分を残したとしても、劇中登場したあの時点では〈アリゾナ〉に運用能力を全力発揮できる余地は地球にはなかっただろう。


 また、第2期地球艦隊で色々懲りた訳であるから、太陽系をはるかに超える遠征を行えるような艦を創るよりも、太陽系やその外殻を成す地域を確実に守れる戦闘艦を建造した方がよっぽど地球の為になる。

 アメリカ建造なのだろうが、アメリカ人は殊、軍事に関しては大抵の人間が常識的な判断や設計を行う。しくじれば即座に修正や取りやめの判断を下せる集団である。恐らく200年後も同様だろう。それを考えても、外向きな艦隊よりも内向きな艦隊建設。万能艦よりも武装に方向付けをした艦を建造する可能性が高い。


 
 無論、艦載機運用能力はあって損になる事はない。単艦の活動に大きく寄与できるからだ。自衛隊護衛艦だってヘリを搭載するのはマスト。あの新鋭フリゲートだってちゃんとヘリを積んでいる。

 ただ、数に関しては多少議論の余地はある。少なくていいのか、多い方がいいのか。

 アリゾナに関して言えば、搭載できる機数自体を多めに確保したとしても、運用そのものは常用10機弱に落ち着くのではないだろうか。防衛軍の事情からし。そうはいっても、搭載するのは十中八九、コスモタイガーやその系統であろうから、たとえ搭載機数が少なくても、パイロットがそれなりなら十分安心できる。

 コスモタイガーであれば偵察も格闘も雷撃も何でもできる為、数機集まれば敵を牽制することは可能だろう。他に若干数の雷撃艇を搭載できれば、なお善し。

 

 


 全長の推測
 多分、ヤマトより微妙に長い。アンドロメダと大して違わない程度だろう。ドックと艦の大きさの関係がアンドロメダの当該描写とさほど違いがないのだから、多分大体同じぐらい。ざっくり280メートル程度と推測しておく。

 つまり――
 全長:280メートル
 主機:波動エンジン
 艦載機:コスモタイガーⅡ偵察機型、翼が折りたためるものとする)
 搭載機数:常用5機+補用2機(舷側か艦尾にカタパルトがあるものとする)

 

 正直、これで十分。偵察や簡単な露払い程度なら十分できる艦載機運用能力。同時射撃に難があるとはいえ、手数の多い大量の武器。見た目よりは活躍できなさそうだが、私が期待したほどの駄目戦艦ではなさそうである

 一方、アンドロメダやヤマトに対して再設定を行ったのと同様の再設定を行うと次の通り。
 全長:680メートル
 主機:波動エンジン
 艦載機:コスモタイガーⅡ(単座タイプ)
 搭載機数:常用25機+補用5機

 

 この艦載機搭載量であれば、軽空母程度の能力を確保できるし、大量の対艦戦闘装備を有しているのだから強硬偵察はお手の物だろう。

 アンドロメダをより攻撃にしたような艦であり、地球人的な「なんでそっちに進化させるかな?」な雰囲気さえ感じられ、あるいみヤマトシリーズらしい艦になったといえるのではないだろうか。

 

 


 運用・立ち位置
 基本的には実験的戦闘艦という立ち位置になるだろう。

 波動砲口が今までにない形であることや、艦首が青色塗装である為、普通の戦闘艦ではないだろう。また、艦載機運用能力の再確保を試みた場合はなおの事、実験として説明できる。

 

 アリゾナが次期地球艦隊の主力戦艦となるのか、或いは新しい戦闘分野の為の戦艦なのか、旗艦なのか。どんな目的で建造されたのかによって立ち位置が変わるし運用も変わるだろう。

 もし次期主力戦艦のプロトタイプであれば、危険ではあるが、地球の規模からすればやらざるを得ない総華主義的戦艦。

 もし新しい戦闘分野の為の戦艦ならば、強硬偵察用の戦艦。ヤマトを念頭に置き、ヤマトが常に新しい地球の脅威に一番に突っ込んでいくその役割を担わせる新戦艦。

 もし旗艦であれば、アンドロメダの進化版という事になるだろう。

 困ったことに、どの想定もあり得る。どの想定も可能にできるだけの能力をアリゾナは備えているため、絞り込みは出来ない

 

 

 基本事項

 地球勢力圏の一部拡大を鑑みて、アリゾナの活動範囲は太陽系圏内および多少の外縁部と想定可能。別にヤマトⅢ当時の勢力圏よりも拡大する喫緊の必要性はないし、太陽系外に外交関係のある国は存在して居ないため、支援艦隊を仕立てる必要もない。

 であるならば、惑星基地から出撃する戦闘機部隊やあるいはガトランティス戦役の残存空母の救援を望める。また、航洋能力が低いであろう駆逐艦などの防空艦を自身に張り付けて行動が可能単独行の場合は当然ながら味方の援護がない為、強勢相手には戦わず逃げて弱勢相手には先制攻撃を掛ける

 これらの運用における基本事項はアリゾナが次期地球艦隊の主力戦艦だろうが、旗艦だろうが関係ない。

 


 戦闘的な運用であれば、巡洋戦艦のような強行偵察。太陽系の外殻を定期的にパトロールを行う。或いは、敵性国家の襲撃を受けた場合に最初に接触を行う部隊の中核。

 内向きな運用では尋常ではないぐらい強力なフリゲート、つまり通常時は長期的に運用可能な警察権行使の拠点

 他にも、複数隻を建造し、練習艦に類別してパイロットとクルーの同時育成さえ可能だろう。

 

 

 戦艦として、実戦でどれだけ役に立つかはともかく、幾らでも使い道のある艦船と言える香取〉や〈鹿島〉みたいに。

 


 


 劇中の登場・活躍
 第12話に移民局発足と探査本格開始に伴い所定の宇宙港に開港された護衛戦艦の1隻として登場。20話において出動、第23話でスカラゲック海峡星団β星で残骸を晒す。

 しかし、船外にクルーが這い出ていた事を考えると――ボラーの襲撃から命からがら脱出したが、当然地球に帰還することもできずに漂流。クルーを抱えたままβ星に墜落、それでもクルーは生存していたが、何の支援も得られなかった彼らに残された時間はほとんどなかった。という事だろう。

 その意味ではクルーの生存性が高い、安全な戦闘艦だったと言えるかもしれない。


 復活編ディレクターズカット版で海王星軌道にて登場、旧作ファンを吊り上げる作戦に参加しそれなりに戦果を挙げた。

 

 

 

 活躍の想像

 大まかなプロットとしては――当然、最初は艦載機を繰り出して偵察行動を行う。

 しかる後、敵艦隊補足と同時に直掩としての艦載機を緊急発進、調査船を退避させつつ前進。艦載機を敵艦隊に向かわせるか、或いは調査船の護衛に回すかは艦長の性格に依ることになるだろう。

 

 第一に艦首波動砲を持って先制攻撃。敵前衛あるいは前縁部を出来るだけ、大きく削る。第二に構わず突進してくる敵艦隊に対してはご自慢の主砲群を以てこれを迎撃。前面に展開する敵艦隊に対して3次元的砲撃を加えるだろう。12門がほとんど同時に火を噴き、旋回しつつ後部主砲の射角に敵艦隊を収めつつ砲撃。撤退する敵艦に対して追加攻撃を行ってもいい。この際に艦載機隊に敵艦隊を圧迫させ、自艦の射角に確実に押し込めるという戦術も取れるだろう

 第三に航空戦力や小艇に対してはパルスレーザー砲群がコンピュータ制御で目標を各個自動補足でこれを撃滅。味方艦載機を呼び戻して防衛戦闘を行う。艦首魚雷は砲撃とかち合いかねないため、敵艦の接近まで控えるだろう。

 

 多分、少数勢力の敵であれば十分撃破できる大量の敵艦を前にしても、撤退のタイミングさえ間違えなければ戦力を保持したままの撤退も可能だろうこの武装で撃破できないならば諦めるしかない。

 残念なのが、第二段階に戦闘が移行した時点で、敵戦力の方が強大というのが確定。となると、この艦が活躍するという事は味方は大いに劣勢で……。

 

 

  色々カッコいいシーンを想像できる。が、艦首波動砲の性質がどんなものかで緒戦の戦果が大きく変わるどんな波動砲を搭載しているかが、決定的な影響を与える戦闘艦は他にないだろう

 拡散波動砲で大きく仕留められれば大艦隊を一隻で迎え撃てるし、収束波動砲であったならば巨大要塞相手に大立ち回りが可能中間だったら、司令官の頭脳の出来に戦闘経過が左右されるだが、通常の収束波動砲では漸減が不十分でどうあがいても敵艦隊の圧迫を圧倒できなくなる。ゆえに、通常の波動砲では全くの……役立たず

 つまりは第一波攻撃の方法によって、その後の戦闘も楽になるのか、或いは困難になるかが変わる。ボラー連邦に敗北したことを考えると――やはり収束タイプか拡散率を絞った波動砲を搭載していたかだろう。通常の拡散波動砲であれば、たった一隻でバルゼー艦隊を行動不能にさせられたのだから、ボラーとて退けられただろう。

 仮に、ボラー以外の敵であればアリゾナは勝てたかもしれない。が、質より量を以て戦う相手に一発一発の火力重視の波動砲は――食い合わせが悪かった