旧作ヤマト考察協会

第一作から完結編まで、旧作宇宙戦艦ヤマトを出来る範囲で現実的に考察するブログです。

呼称問題 コスモタイガー・ブラックタイガー

 


 ブラックタイガーと言えば、ガミラス戦役でヤマトの直掩と敵艦隊への長距離攻撃を担った名戦闘機である。コスモタイガーはその後継機としてヤマトの盾となり矛となり、最期まで徹底して任務を果たした最強クラスのマルチロール機である。

 


 面倒なのは、ものすごく肝心な場面でごちゃ混ぜになってしまったこと。

 さらばでは統一できていたのだが、ヤマト2でうっかり最後に注釈を入れなければならない展開が発生したのである。大した問題ではないといえば大したことではないのだが……矛盾としてどうにも歯がゆい為、考察を行いたい。

 矛盾は出来るだけ解消するのがこのブログだから。

 

 

 

 

 ブラックタイガーとはなんぞや

 まずはヤマト艦載機の話ではなく、エビの話である


 ブラックタイガーとはウシエビの事で、クルマエビ科の中でも大型種。

 そのうち、小型ないし中型の個体の市場における通称としてブラックタイガーと呼んでいる。意外にも英名でも無ければ英語圏一般名でもないから驚き。

 生息域は南シナ海を中心として、西方はインド東岸から東方はパプアニューギニアまでの熱帯や亜熱帯である。が、同じぐらいの温度帯で盛んに養殖され、各地で主要な産業の一角を占めている。北限は何と東京湾周辺で、すごく頑張れば天然物のウシエビを日本でも食べられる。更に汽水域や淡水域も活動範囲に入り得るというかなり性能の良いエビ。食べたらおいしいのは大抵の人がご存じの通り。


 ブラックタイガーという名前は見た目からつけられたネーミング。別に深い意味があるわけでは無い。


 先ほど小型ないし中型を呼ぶと述べた。


 では大型はどうなるのか。

 これ、実はシータイガーという通称がある。そんなに深い意味を込めたネーミングではないと思う。で、大きさはどれぐらいかと言えば最大30センチ。かなり大きいんです。

 稀に物凄く大きな海老天とかエビフライを見たことがあるだろう。食べた事なくてもテレビで見たことぐらいはあるだろう、その中身はこのシータイガー。ブラックタイガー2本繋げて、の場合もあるが一本物の場合は十中八九シータイガー。通販で物凄い異彩を放つ宣伝をされているのも冷凍シータイガー。

 


 ブラックタイガー
 シータイガー。

 


 ブラックタイガー
 コスモタイガー。

 


 多分、たまたまだと思う。が、それはそれとして、ブラックタイガーの後継機のネーミングとしてシータイガーをもじったコスモタイガーはドンピシャなセンスではないだろうか。

 

 

 

 何が錯綜?
 第25話で古代君がうっかりコスモタイガー隊の事をブラックタイガーって呼んでしまうんですよね。都市帝国の動力炉が停止、ここまでこぎつける為に払った犠牲の数々を想う中で出た言葉。

 今まで普通に「コスモタイガー発進!」って命令していたから、どうなるんだろうねと。無理やりこじつける。

 

 


 まず、ヤマト航空隊のコードネームないし愛称としてブラックタイガー隊が定着していたという可能性がある。
 別に飛行隊ごとに愛称が付いていても何の問題も無い。

 新鋭戦闘機ブラックタイガーで構成された戦闘機隊という意味でのブラックタイガー隊なのか、コスモゼロを含んだ戦闘機隊という意味でのブラックタイガー隊なのかは判然としない。

 テレビシリーズにおいてはコスモゼロは元来隊長機として描かれており、多少能力に差があると思われる。その能力の差を鑑みて機体ごとに命令を下していたとすれば、ブラックタイガーをわざわざ呼び分ける必要もゼロではなくなる。
 これが第一シリーズ。

 

 第二シリーズ=ガトランティス戦役においてはガミラス戦役と同じくまた古代専用機としてブラックタイガーではなく、コスモゼロがヤマトに搭載されている。やはりブラックタイガーとコスモタイガーとは性能に差があっても不思議はないのだから、一々呼び分けて出動させるというのも疑問というほどではないはず。
 また、ヤマト航空隊のコードネームないし愛称としてブラックタイガー隊が定着していたならば、機体がブラックタイガーからコスモタイガーに代わっていたとしても、愛称はそのままという可能性は十分ある。
 ブルーエンジェルスやブルーインパルスがやたらめったらに愛称を変えるかといえば、そんなことはない、それと同じ。
 だからあの第25話の感慨深いシーンで、ずっとヤマトに貢献し共に地球を守って来た勇士たちという意味でブラックタイガー隊と表現した。と無理やり説明を付ける事も出来なくはないだろう。


 説明を付けようとして、やって出来ないのはヤマトの良いところ。

 はじめっからしっかり設定を作ってくれた方が良いに越したことはないが。

 

 


 はっきり言って、この手合いのマニアでなければ気が付かなかったり突っかからなかったりしない部分は案外製作陣も忘れている可能性もある。大した問題ではないし。だってあのタランをヤマトⅢの製作陣主力は忘れやがったんだから。

 ただ、しらふで見た時にフッと疑問がわいてしまう。それだけの事。

 結構そういうのがリアリティを担保する上で重要だったりするのだが。