旧作ヤマト考察協会

第一作から完結編まで、旧作宇宙戦艦ヤマトを出来る範囲で現実的に考察するブログです。

暗黒星団帝国兵器群 グロデーズ――海防戦艦――

 

 グロデーズはヤマト接近に際し、デザリアム星の防衛とヤマトの地球帰還阻止を目的に出動したヘビー級の戦艦である。しかも、御大のデザインがほぼそのまま採用されたといわれる戦闘艦でもあるのだ。

 


 ――データ――

 名称:グロデーズ(艦級名か個艦名かは不明)
 全長:不明(380メートル説)
 全幅:不明
 全高:不明
 武装:無限β砲2門、艦橋上部大型砲1門

 

 ヤマトよ永遠ににのみ登場。

 艦のデザインは全体的にイモムシで、中央に赤いピラミッドというか突起があることが特徴。イモムシ戦闘機の巨大版と言うような感じがしなくもない。艦首には角状の突起があり、これは大型砲でもある。

 誤解を恐れずに言えば、破壊神バトラ。ほとんど同じ感じの見た目、いい意味で言ってるつもりです。ゴジラより好きだもの、バトラ。
 ちなみに海外では名称こそ〈Glaudez〉と同じだが、Heavy Battleshipつまり重戦艦という分類になっている。プレアデスより格上設定らしい。

 

 全長の想定、再設定。

 比較的大型艦で、ヤマトより一回りは絶対大きい。ヤマトより100メートルは大型に設定されている模様で、確かに無茶な描写&設定というほどではない。恐らく、幅や高さは100メートルほどはあろうか。

 艦橋がどこにあるのかが判然とせず、艦首の唇みたいになっているところにあるのか、“顔”の真ん中にあるのか、何だかわからない。どこであるにせよかなりのスペースがあり、巨大戦艦のそれよりも大幅に大きい。幅こそ、案外15メートル程度かもしれないが奥行きはゴルバ並みのスペースといっていいだろう。

 デザインとしては、高い位置に設けられた司令官席の前方に観測員らの席が横並びに4隻ほどと、他の艦に比べて非常に簡素。ただ、司令官席と観測員の席の間が非常に離れているのが特徴である。

 

 艦橋分の容積は確保できない事はないだろう。幸いにも幅が狭いのだから、丁度いいぐらいかもしれない。何か意外。
 という事は、再設定の緊急性はない。ただ、巨大戦艦などを3倍ほどに変更しているため、ヴィジュアルをそろえる為に3倍に拡大してみる。3倍ぐらいに拡大してスペースを確保しておいて損はないだろう。何の損かは不明だが。

 

 全長:1140メートル

 全幅:300メートル

 全高:300メートル

 

 これだけ確保できれば、特に角の下の部分であれば、いくらでも奥行きが確保は可能だし、幅も20メートルどころか30メートル近くが確保可能。いくらでも内部に多数の砲を確保可能だし、まさか競り負けるとは思わなかいぐらいに口径の巨大な無限βというものを格納可能になるだろう。

 

 

 

 武装
 火力はそこそこ高く、僚艦4隻と共に巨大な主砲一門でもそれなりにヤマトの攻撃を封じることに成功した。結局、封じきることはできなかったが

 速射性はヤマトのショックカノンなどと同等で、取り分けて速射出来るわけでは無いが、決して遅くはない。まあ、かなりの大型砲であるにもかかわらずヤマトを粉砕できていないのだから、砲自体の威力はそんなに期待できないだろう。よくて巨大戦艦のそれと同じ程度。
 ただ、この艦には無限β砲がある。


 無限β砲は詳細不明の砲であるが、決戦兵器としてこのグロデーズ級にのみ搭載されている。艦首に2門、一門ずつ格納され発射準備においてハッチが開き、迫り出す仕組み。かなりの大型砲なのだから、それだけでも十分高威力であろうことが察せられる。何より、自信ありげな聖総統の態度から、実験では十分なデータが得られたのだろう。

 ところが――全く意味がなかった。ヤマトの波動砲に競り負け、むしろ逆襲されてしまう。暗黒星団帝国側の計算ではヤマトの波動砲に勝てる計算だったのであろうが、残念。新波動砲の前には無力だった。

 

 

  運用

 運用は海防戦艦だろう。そこそこの装甲を有し、機動性や航洋性は捨て、巨砲を搭載して接近する敵艦や上陸部隊を迎撃する。それが海防戦艦。まれに航洋性がある者もあるが、それはそれ。

 グロデーズも、同様の運用であれば、他の艦に比べて非常に艦橋クルーが少ないというのも、任務が極めて限定的ゆえと説明できる。シフトを組む必要すらないレベルで、本土以外において全く運用する必要はない、何ならクルーは通常は陸上勤務レベル。という想定が可能で、これが妥当であれば、グロデーズは巨大戦艦のような指揮戦闘艦では無く純粋な火力のキャリアという事になるだろう。

 そしてまた、単独での活動はあり得ず母星なり要塞なりの支援を受けての物に限定される、ゆえに武装も非常に偏ったモノでも運用に支障はない。

 暗黒星団帝国は存外に守勢に回りがちというか、方向性が守勢的。その意味では、グロデーズは暗黒星団帝国にとって建造してしかるべき艦と言えるだろう。数が少ないのも、あまり本土に侵攻されることがないからとか、無限β砲への換装が済んだのが5隻であったとか、色々説明可能。

 

 

 劇中の活躍

 聖総統スカルダートの命令により緊急的に発進、ヤマトを射程圏内に捉えると即座に砲撃を開始した。主砲の攻撃はヤマトの装甲をさほど貫通はしなかったものの、大きな衝撃を与え、内部のクルーに物理的なダメージを与えた。

 聖総統は確実なヤマトの殲滅を狙い、無限β砲の使用を命令。これに応えてグロデーズ級5隻は全艦発射準備、完了と共に砲撃を行った。が、ヤマトの波動砲に見事に競り負け、飲まれて撃ち抜かれてしまう。

 そして次々に誘爆してしまい……

 

 

 グロデーズは暗黒星団帝国の中でも極めて異質なデザインである。

 何せ、主軸を提示したのが他の艦艇のデザイナーと異なるのだから。結局、どうして登場したのか――作品制作の上での意義は不明。

 ただ、この存在がもたらす描写の複層化は、間違いなく暗黒星団帝国の背景を描くことなく重層的に演出するのに役に立ったといえよう。