旧作ヤマト考察協会

第一作から完結編まで、旧作宇宙戦艦ヤマトを出来る範囲で現実的に考察するブログです。

暗黒星団帝国兵器群 巨大輸送艦――優秀で不明な大型艦――

 

 巨大輸送艦はヤマトよ永遠にの冒頭付近、暗黒星団帝国の奇襲作戦時に地球連邦首都上空に姿を現した。真っ黒なカラーリングと、真っ赤な差し色。極めて不気味でな姿の不明な大型艦艇である。

 この艦の輸送力によって地球は大変な苦境に立たされることになった。

 

 

 ――データ――

 艦級名:不明
 全長:不明(1,650メートルか550メートル)
 全幅:不明(500メートルか163メートル)
 全高:不明(550メートルか158.4メートル)
 武装:不明


 ガマ口的な艦首、のっぺりした……リモコンのような外観である。

 艦底部艦後部にインテークらしきものがあるが、これが降下兵用のハッチ。高さは3メートル、幅は5メートルほどか。1ハッチにつき一人ずつ一列で合計4ハッチ。艦容は4ないし5対1の割合でさほど細くはない。

 フィンっぽい何かが艦前方の真ん中に1本、後方に2本設置されている。艦首部底面は円形の盛り上がりが両舷端にあるが、何かは不明。また、艦底央部に円形ハッチがある。上面にも突起があるらしいが、劇中では描写ナシ。

 特に名称について細かい設定はないらしい。一方海外ではPlanetary Assault Ship〈Invader〉と呼ばれている模様。惑星強襲揚陸艦ってかっこいい響きだが、クラス名は侵略者と捻りがあるのかないのか微妙なライン。

 

 

 全長の推測
 描写から推測すると、兵員降下用のハッチを考えると幅は30メートルが妥当と思われる。無論、私の目測が大惨事という可能性は非常に大きい為、余裕を持たせて倍ほどあっても問題ないだろう。が、設定値として世に言われている幅ではない。

 よって、全長も150メートルか倍の300メートルぐらいが妥当であろう。高さは20メートル弱から50メートルほどか。
 設定値の方が圧倒的に大きい、珍しいパターンだ……

 

 

 巨大輸送艦・その輸送力
 収容・輸送力は不明。
 降下兵と戦闘爆撃機とパトロール戦車を多数収容しているとみられる。数は不明。また、掃討三脚戦車も恐らく輸送しているだろうが――数は多くない模様。
 パトロール戦車は全高8メートル、掃討三脚戦車は54メートルらしい。が、描写的には多分――0.7倍ほどが妥当と思われる。ただ、掃討三脚戦車は胴体部はどう見積もっても脚部の1/3ほどしかない故に計算上は高さが14メートルほどまで圧縮可能。パトロール戦車も、どう考えても6メートル前後だろう。


 だが、描写のままではどう頑張っても〈おおすみ〉から〈ボブ・ホープ〉や〈ワトソン〉程度の範囲に収まる。これらは概ね300名の兵員を載せられ、〈おおすみ〉は戦車18とトラック38+αを、〈ボブ・ホープ〉や〈ワトソン〉は合計1000両。6層も収容甲板があり、露天だって可能。普通、車両甲板は6メートル程度だろう(写真からの推測)であるから、これらを鑑みる。

 〈おおすみ〉を基準に考えると甲板は1層がせいぜいだろう。ここにパトロール戦車を載せ、ウェルドックを掃討三脚戦車用に使い、描写に忠実な計算では――

 パトロール戦車18両
 掃討三脚戦車2両
 戦闘爆撃機1機
 兵員300名

 ぐらいとなるだろう。輸送艦としては割としっかりした能力を持つ計算。

 他方で〈ボブ・ホープ〉や〈ワトソン〉を基準にすると、層を合併して3層500両=1層150両前後へ。これを前提とすると――テキトーに計算してトロール戦車80両、掃討三脚戦車15両、戦闘爆撃機8機、兵員300名ぐらいを見込む。貨物輸送艦というより揚陸艦だろう。収容可能な物資からして、そもそも揚陸艦だが。

 


 設定値を元に計算すると――
 1層を戦闘爆撃機用に、2層目をその物資補給用に。恐らく横5列、必要かどうかは別として200列弱を見込む。高さは40メートルは確保。
 3層目を掃討三脚戦車として10列70列でこれは戦闘爆撃機収容に互換性を持たせるように高さ40メートル程度としておく。
 パトロール戦車は4層目に収容し、50列200列ほどの配置を見込む。高さは20メートルで十分だろう。
 兵員は出来るだけ多い方が有利なため、1層丸々を兵員用にして3000名ほどか。都市制圧は相手のやる気によって大幅に危険度が判るが、激戦を見込んで3倍の9000名を、同じ分だけを兵員用の装備として確保すると高さは床を除いて60メートルほど。
 床は装甲や構造を鑑みて5メートルほど、板としては10枚ぐらいか。全てをひっくるめると、250メートル。簡単な整備ないし再生産等の工作艦としての能力を持たせるとすれば、残りの容積のうち半分を供出できるだろう。大して速力であるとかが必要な運用はされていないため、これらの想定から洩れた分の容積をエンジンに回す。

 

 全長:1,650メートル
 全幅:500メートル
 全高:550メートル
 武装:なし
 収容力:戦闘爆撃機・通常1000機(最大1500機)/掃討三脚戦車・最大700両/パトロール戦車・1000両/兵員・9000人

 

 投入する輸送艦の数にもよるがはっきり言って、半分でも構わないと思う。半分でも十分降下部隊は高い戦闘力を持った部隊として機能するだろう。

 設定として流布されている中の最小値であるとすれば、これらの数値がほぼ半分か1/3弱ほどとなる。戦闘爆撃機200機/掃討三脚戦車150両/パトロール戦車250両/兵員4000人ぐらいを目安として挙げられる。

 極めて強力というか、強力すぎるほどの輸送力をもつ艦艇といえるだろう。1キロ超えの巨体のキャパシティというかポテンシャルはスゴイ

 

 

 劇中の活躍+α
 劇中に登場したのは1隻のみ。上空に滞空していただけで特に何かを能動的に行ったわけでは無い。そりゃ兵を降下させたが、艦として何か攻撃を行ったわけでは無い。出番はそれだけである。短い

 

 運用として予想されるのはまず太陽系圏内の全ての基地を沈黙させ、さらに降下地点のはるか上空より兵を下ろして艦は出来るだけ敵の攻撃圏外に置いておく。仮に首都の防衛機能をほぼ封殺出来た場合は直接降下し、より速度を速めた輸送活動を行うのだろう。

 うん、輸送艦ではなく揚陸艦。機能からし揚陸艦としての任務を良く遂行できるような構造になっており、これは結構関心する。他方で、自衛能力の如何に関しては描写にないのだから、測りようがない。多分、低い方だろう。

 

 1隻だけの登場ではあるが、艦隊に編入されているのが1隻だけとは考え難い――どうなんでしょうか。相当高空から降下兵が首都上空にものすごい数降りているため、多分結構な数が地球に来航していると思われる。

 1個都市に対し、直接降下が1隻、上空待機が2隻ほど、地球連邦主要都市の50ほどを攻撃しようと思えば――150ほどが見込まれるか。仮に、大型の数値を採用した場合は……1都市1隻で十分だろう。

 しかし、描写が少なすぎて投入する定数がいまいち推測できない。無念。

 

 

 

 描写に従うと、驚くほど微妙な能力であるが――原作設定値はかなり大型を採用されているため十分な能力を確保可能。むしろ、描写が足かせになるから珍しい輸送艦とうたっておきながら揚陸艦としての側面が強いが、この手合いの艦はヤマトにおいては珍しくない。しかし、ガトランティス輸送艦より一段高まった有機的な運用が可能な揚陸艦に仕上がっているといえるだろう。

 艦艇として結構ポテンシャルもあり、詳しく描写してくれれば暗黒星団帝国軍という組織自体を深く考察する上で好材料になったはずだ。だが、残念ながらほとんど描写がなく、ワンカットのみの登場となってしまった。非常に惜しい