旧作ヤマト考察協会

第一作から完結編まで、旧作宇宙戦艦ヤマトを出来る範囲で現実的に考察するブログです。

地球艦隊 訓練指揮監督艦/警備艇/気象観測船

 

 

 訓練指揮監督艦、警備艇、気象観測船はほんの数カット現れただけの艦艇である。ただ、数カットのみである故に詳細な設定があるはずもなく……できる範囲で考察したいと思う。

 

 

 訓練指揮監督艦
 ヤマトⅢ第4話に巡洋艦2、駆逐艦1と共に登場。第二期地球艦隊を構成した駆逐艦に酷似するが、殆どの武装やあの巨大インテークが廃されているため全体的にのっぺりなデザインに変えられている。ただし、カラーリングはほぼそのまま。と思いきや、艦首先端のほんの短い部分が黒く塗られ、艦尾はなぜかノズルコーンがなく、尾を切られたマグロ。代わりに艦尾底部に小さなフィンが2本生えている。

 明らかに艦橋は一段プラスして階層を挟まれて大型化。その割にあの工場の地図記号のようなアンテナは廃されている。
 艦底部の丸い楕円突起や艦橋の丸さなど、何だか地球軍の駆逐艦をモンカラマリに頼んで改造してもらったような見た目である

 

 推定データ 駆逐艦のデータと同じ)
 全長:112メートル(ないし149.3メートル)

 全幅:14メートル
 自重:3,500トン(ないし6,000トン)よりは軽い
 主機:波動エンジン
 乗員:45名
 武装:パルスレーザー砲艦橋前部1、後部1基

 

 全長の推測に関しては割と自信があり、同時に登場した巡洋艦をホールディングして居る基地のアームとの大きさの比較からして、仮に両者が同じものであればこれは当然比較対象となる。その様子から推測するに、さらばやヤマト2における巡洋艦駆逐艦の大きさの比率がそのまま当てはめられるだろう。

 故に駆逐艦と同規模の艦であることがほぼ確定。問題は駆逐艦の全長が原作設定値自体が微妙にぶれている点……。

 

 劇中の活躍
 ヤマトⅢ第4話、アステロイドベルト基地にて係留されてそこから地球防衛軍の各艦の訓練を指揮していた。

 恐らく、駆逐艦の極めて貧弱であると推測される通信機能を、武装を廃することで確保したというところだろう。巡洋艦など他の艦だと、せっかく不十分な中にも大火力を提供できるのにうっかりその火力を喪失してしまう事になる為、駆逐艦をキャリアに使ったのは妥当だろう。現在の基準から考えれば、内部に射撃シミュレーションシステムが入っていると想定可能。

 が、結局のところ具体的に何をしていたのかは不明。多分、永遠の謎

 

 

 地球防衛軍警備艇/長官艇
 ヤマトⅢに登場した艦艇で第二期地球艦隊を構成したトロール艦とほぼ同様のスペックとみられる。

 ケンタウルス座駐留・地球防衛軍警備艇は全体的にライトグレーで塗装されているが、かつてパトロールが白で塗られていた部分が一通りクリーム色に変更されている。扱いとしては、第二期地球艦隊を前提とすると、戦艦扱いの特殊任務艦という扱いになるだろう。ただし、艦尾の塗装までは不明。だって画面に映らなかったから。
 長官艇は同じように前体的にライトグレーで塗装されているが、艦首と艦尾デルタ型フィン4枚が赤く塗装されている。が、なぜかノズルコーンの先端のみクリーム色で、基部は黒と塗り分けられている。なんだか妙にケツだけおしゃれ。

 

 全長の推定

 第9話においてヤマトとの比較シーンが幸いにもある為、原作設定値においては従来のパトロール艦と同様の全長(当ブログで以前に考察したパトロール艦の記事を参照してほしい)であることが推測できる。 

 推定データ
 全長:180メートル
 全幅:31.5メートル
 自重:23,500トン 
 主機:波動エンジン
 武装:艦首拡散波動砲1門、連装(15.5センチ)衝撃砲3基、舷側3連装魚雷発射管4基、ミサイルポッド風逆噴射装置艦尾舷側4基
 搭載艇:脱出カプセル(内火艇)ないし連絡艇(『ヤマトIII』第18話)/着艦口は艦橋前方にあるオランダ坂の下付近の艦体部分。

 

 一方で、第18話の連絡艇発進描写を前提とすると、長官艇に関しては450メートルにならざるを得ない。以前にパトロール艦を考察した際も、このシーンを参照したため、当然の帰結だが。

 第18話連絡艇描写より推測値 
 全長:450メートル
 全幅:78.75メートル (実質52.5メートル)
 自重:知らん


 劇中の活躍
 ヤマトⅢは第9話ケンタウルス座駐留・地球防衛軍警備艇が登場。個艦名は言及がない為不明。ヤマト乗り組みの非戦闘要員の女子(看護要員10名+バーナード星で拾ったトモ子さん)を地球へ送り届ける為に出動。アナライザー声の恰幅のいい口ひげを付けたおっちゃんが艦長を務めていた。階級は不明だが、黒いコートタイプではなく、古代が新調してもらったコートと同じ青。新しい防衛軍の制服と思われる。
 第18話にも同艦種が再び登場。いわゆる長官艇で、困ったことにガルマン・ガミラスの作業母艦と並んだ時に、遠近法があるとはいえ――ヤマトの4から5倍の巨大な作業母艦と大差ない。要は結構巨艦。元々、フラウスキー技術少佐と長官の面会の為(と昌子が相原とつかの間の再会をするため)に出動しただけで、特に大きな任務をこなしたわけでは無い。正直な所、迷惑なことにヤマトの描写を取っ散らからせたのみで、退場

 

 

 気象観測宇宙船
 この船は宇宙開発気象局所属の非武装船である

 ライトグレーとそうで船首のみ明るい青色に塗装され、同じシリーズに登場したグスタフ艦に近い。ほとんどカラーリングが異なるだけ。先端のみが青く、格納庫シャッターの濃紺の他はすべて白い。護衛戦艦アリゾナと同様のカラーリング形式。この船の印象は別の例え方をすると、スタイリッシュなハンドクリーナー。船首、中央、船尾とそれぞれ若干太くなり、その間がくびれて見える。また、それぞれの前面下部にインテークある。この辺りのデザインは無人艦隊小型艦に近い。


 観測ステーションは通路は2メートル程度、エレベーター部が恐らく宇宙ステーションザーリャのそれに近いであろうから直径4メートルほどか。この観測ステーションとして、戦闘衛星のそれに近い。だとすれば内部はざっくりエレベーターの4倍ほど=16メートル、外板だのコンピュータだのの幅を考えると――32メートルほどだろう。
 ここから推測して、船はステーションの倍ほどだから……全長65メートル幅は15メートル程度だろう。ただし、船尾のエンジン部はサイドに補助エンジンっぽい外部ユニットがついているため、倍近い幅となっている。また、舟艇格納庫がエンジンブロックの上に設けられ、直下の船底部にはフィンが1本ついている。コンドルの頭みたいな船首に比べて、船尾はごつい印象。

 多分、船首と中央部の間のくびれた船体部分にでもステーションとの接続口があるのだろう。少なくとも、こことステーションは接続してホールディングしていた。

 船橋がどこにあるのかは不明。多分船尾辺り。ただ、内部は高さが非常に余裕を持って取られ、6メートルは下らないだろう。幅も10メートルは下らないはず。船長席の前面には左に偏って2名分の乗組員席があり、その前方に10メートル×4メートルぐらいの巨大モニターが床から結構離れた高さの壁面に据えられている。当然、それぞれの乗組員席には何がしかの計器類か操作盤が設けられている。

 

 全長の推定

 あんまり判る要素がないが、一方で描写は大してぶれていないため絶望的な数値のずれはない――と思う。

 とはいえ、全長の推定は無人観測ステーションの内部描写と、観測船と無人観測ステーションの比較を擦り合わせて推測した。そのため、値にずれが生じている可能性は否定できないため、参考値としてほしい。

 

 全長:65メートル
 全幅:15メートル(エンジンブロックは25メートル)
 全高:10メートル(エンジンブロックは15メートル、フィンは25メートル)
 武装:無し
 舟艇:1
 エンジン:波動エンジンと推測
 ノズル本数:船尾並列4、外部ユニット各2
 乗員:3名

 

 劇中の活躍
 10話にて登場、無人気象観測ステーションに向かう途中に宇宙気流に巻き込まれてエンジンに損傷をきたしてしまい立ち往生していた。この船は宇宙開発気象局所属の観測船で指揮官は同局の一等技官団彦次郎。
 ロス星周辺から3000宇宙キロの距離で、この時すでにエンジンの損傷は回復していたのだが――途中で見かけた不明大艦隊に脅威を感じ、SOS信号を発振。たまたま受け取ったヤマトの来訪に接し、これに護衛を頼んだ。
 護衛依頼の最中にひと悶着あったが、結局は快く依頼を断念し観測ステーションに向かった。観測ステーション到着後、ダゴン艦隊の攻撃に遭遇。ダゴンの意図を気づいていた団隊長はヤマトに退避するように勧告する――が、古代のバカは反対に「気になる」などと薄弱な理由を述べて急行を決定。
 観測ステーション共々第一波攻撃には耐えたが、続く雷撃でステーションは爆発。間一髪脱出したものの、戦闘機の銃撃を受けて真っ二つに爆発。ロス第154惑星へと墜落した。大気圏を自由に離脱・再突入できる船らしく、爆発してもある程度は形を保ちつつ墜落した模様。団船長も即死はしなかった――が治療は間に合わなかった。