旧作ヤマト考察協会

第一作から完結編まで、旧作宇宙戦艦ヤマトを出来る範囲で現実的に考察するブログです。

ガルマン・ガミラス兵器群 円盤型白色旗艦――ドメラーズ2世、再び――

 

 

 円盤形白色旗艦はデスラー総統がガイデルに派遣した空母艦隊の旗艦である。ダゴンが指揮を受け持ち、これによってヤマトを撃破しようと試みたが――

 第一作を視聴済みの人間からすれば、大変懐かしい見た目の戦闘艦であろう。

 

 

 ――データ――

 艦級名:不明
 全長:不明
 武装:一隻当たり/艦橋前部無砲身3連装砲塔2基(直列)、艦橋後部3連長砲身砲1基、舷側3連装前後連結型砲塔片舷1基6門、牽引ビーム

 

 艦首がくぼんではいるものの、ベースとしてかつてのドメラーズ2世とほとんど同じ。若干艦橋と艦体の比率が艦体の方が大きいか。しかし塗装は同じ。艦橋は階高8メートルは下らない。はずだが、描写によっては4メートルほどで、空間の幅は6メートルが予想される。もしかすると、司令官席の床が2メートルほど高まっている可能性がある為、有る程度は誤差の範囲に収まるだろう。奥行きは8ないし10メートルほどを見込む。
 艦橋前方は左右に分かれてオペレーターが3人程ずつ業務にいそしみ、その後方にウサギの耳か何かのような装飾を施された不気味な椅子がある。ひじ掛けが大きい。司令官席の後方にもオペレーターが左右に分かれて2名ずつ、立って業務を行う。
 最も特徴的なのが2隻一組である点。艦底部で磁力で連結しているらしい。

 かつてのドメラーズ2世と同様、個別の艦名などは劇中では与えらえなかった。一方で海外ではTwin Destroyer〈Gemini〉と呼ばれているらしい。駆逐艦扱いなんですね、コイツ。

 

 

 全長の推定
 比較して推定する他ないが、割に他の戦闘艦とのツーショットやスリーショットが多い為難しくはない

 つまるところ、描写からすれば戦闘空母の艦橋・エンジンブロックと同じ全長。ただ、第11話になるとむしろ第一砲塔ブロックと同じとなる。まあ、どちらにせよざっくり60メートル前後の範囲内に収まる程度だろう。比率から言って高さはざっくり20メートル程度。


 これは大分小型といえるだろう。全体的に大き目な設定値のヤマトⅢの戦闘艦の中で、機能が限定されている分随分と小型。さらに艦橋描写からすれば、艦橋幅は外観上1/6から1/7の幅である為、艦幅は40メートルぐらいが見込まれるため、何ならドメラーズ2世より小さいぐらい

 シーンにより、時折描写に差異が見られるのがこの艦の難点で……ガルマン・ガミラス艦にしては描写同士の齟齬がある珍しい艦かもしれない悪い意味の珍しさ

 

 

 武装
 武装は艦首方向へ12門、艦尾方向へ9門、舷側へは無砲身砲6門から舷側の砲塔が旋回できれば最大9門を見込む。多分、艦尾の砲塔は旋回できないだろう。
 この艦の問題は、確実に旋回可能な砲塔が艦橋前の無砲身砲塔2基という点。これじゃどうにも仰角がうまく取れないではないか。そうなった場合、仮に舷側の砲塔が旋回できなかった場合は迎撃が遅れてしまうし可能な範囲が限られてしまう。これはマズイかも。仮に損傷を負ったとして、損傷の激しい部分の艦体を捨てられるからリスクは少ない。とはいえ、司令官がどちらかの艦体に迅速に移動しなければならないから、そう話は簡単では無い。

 対空迎撃も何気に不安、対艦戦闘はもっと不安――これ、爆雷がない分、実はドメラーズ2世より弱いかもしれない。

 対艦戦闘に限っては


 忘れてはならないのは上部艦体と底部艦体を合わせて、1隻の武装が2倍になる。これは安心材料の一つであり、艦首方向へは24門、艦尾方向へ18門、舷側へは12ないし18門を見込める。ただ、すべての武装が比較的小型である為、大した威力は期待できない。対空砲がせいぜいか


 その中でも割とまともなのが牽引ビーム。これは、あのヤマトですら振り切れなかった。艦自身の推力も含め、そんじょそこらの宇宙気流や艦砲よりよっぽど強力である。

 

 

 

 運用
 敵の大型戦闘艦との対艦戦闘には明らかに耐えられない事が簡単に予想されるが、しかし水雷艇や艦載機程度であれば容易に激は可能であることも予想される。

 そのため、この艦の任務はネーミング通りの旗艦任務及び、艦隊防空だろう

 

 まず特筆すべきはヤマトを大幅に上回りかつ、ブラックホールを振り切れ圧倒的推力。これは結構魅力だ

 そこから考えて武装へのエネルギー供給は極めて強力とみて当然だろう。速射性もそれなりにあるし、ヤマトの煙突ミサイルをある程度まで振り切って高機動を見せた。自在な機動を行いながら弾幕を張れば、艦隊に接近する敵艦載機群にたいし一定程度の撃墜率を見込める。つまり防空艦任務。
 一方で、簡単な武装以外は決戦兵器やビックリどっきりメカを載せているわけでもない為、戦闘指揮や後方支援が主眼の艦艇である事は間違いないはず。

 

 両者を考え合わせれば、敵艦隊と直接砲戦を行う事はない後方に身を置くことが前提の戦闘艦で、通常は指揮通信=旗艦任務に専念万が一に敵機の襲撃を受けた場合に機動力を以て自衛と同時に艦隊防空を行う

 と言うような運用の流れだろうか。

 

 とはいえ――仮にこの艦が防空戦を行わなければならない場面に直面したならば、それはほぼ確実に個々の艦艇が独力で迎え撃たなければならない状態にあるだろう。全体を指揮することは恐らく、不可能。

 他方、この艦が旗艦任務に専念できている限りにおいては防空任務はこの艦が行わなくても味方艦艇が簡単にこなせるだろう。

 性能や立ち位置が割に矛盾しているようにも思えるが、万が一に備えないというのは無謀である為、砲身のブレといえるほどの致命的なモノはないはず。

 

 

 基本的にこの艦は、ドメラーズ2世の改良版で実際に対艦戦闘を除いた一通りの能力は強化されている。ガルマン戦闘空母の弱体化に比べ、大分改良がうまくいった戦闘艦ではないだろうか

 

 

 

 劇中の活躍
 第10話にて初登場、第17空母艦隊を率いるダゴンの旗艦としてヤマト撃破の為に出撃した。しかし、特に実際の戦闘を行ったわけでは無い。戦闘指揮をダゴンが致命的ミスを犯して艦隊が全滅――挙句、うっかりヤマトの煙突ミサイルに被弾してしまう凡ミスをやらかす。だが、宇宙乱流へ誘い込むことに成功。

 翌第11話、乱流を突破したヤマトをはくちょう座名物のブラックホール(これはマジのガチ。はくちょう座方面には本当にブラックホールがある)へと誘引。これにヤマトを叩き込む作戦を敢行するも――軍師真田さんの戦術に破られ、体勢を崩した旗艦はブラックホールの重力に捉えられてしまう。分離したうち、片方が途中で岩塊に衝突して爆発。もう片方はそのままブラックホールに落ちていった。どちらにダゴンが乗っていたかは明確な描写はなかった。

 

 劇中、使用できる場面がいくらでもあったのに、一度も武装を使用した事がない珍しい戦闘艦だった