旧作ヤマト考察協会

第一作から完結編まで、旧作宇宙戦艦ヤマトを出来る範囲で現実的に考察するブログです。

ガトランティス兵器群 不明な艦艇―小型砲艇―

 

 

 表題が何のことかわからない方も多いだろう。私も、印象にない。むしろ周夫さんの演じるバルゼーの「始末しろ」のセリフの方がよっぽど記憶に残っていた。

 つまり、今回の主役はヤマト2の第19話にて登場した不明な小型砲艇である。

 

 コイツは名称もいまいち判然としないし、そのくせ割と探せば画像だけは色々出てくる困った存在。海外に至っては戦闘機扱いだが重狙撃機〈Havoc〉と名付けるなど愛情を掛けられているが、しかして本邦では……

 正直な所、見た目もメダル―ザと近い系統で若干ガトランティス兵器群からデザインが浮いている。はっきり言って、存在の意味不明度合いも、浮きっぷりもかなりの物。だから扱いをどうすればいいのか、みんな持て余している感がある。

 よく言えば、2199シリーズの戦車化していたメガルーダとか、2202の新規メカ(あれはヤマトデザインでもガンダムデザインでもなく、小林デザイン)よりかは……マシ程度か異論は認める。色んな意味で

 

 

 

 外観・その他様相

 だいぶ小型の外付けの箱型推進部を艦底部に設置した、昆虫類的な外観の艦である。頭部=艦前部は箱型の砲口を持ち、くびれた接合部を経て大きな腹部=艦後部に至る。艦後部上面には二つ蜂の巣レーダー的盛り上がりが付いている。また、太く長い白色のフィンのようなものが背中に二本張り付いている。塗装は当然の如く艦全体が緑色に塗られている。また、何気に触角のような細いフィンが4本底部から生えている。

 砲撃はガイドのような光線が4本直進し、その四角い“砲身”の内側を光弾が飛ぶ。あまり威力は高くない模様で、3発ほどが直撃した後監視衛星は爆発。

 色々と大分珍しい描写だ。

 


 どこから発進してきたのか不明。

 大きさは大戦艦の艦首フィンの一枚に相当する大きさの様に見える。恐らく15メートルないし18メートルの全長に収まるであろう。一方で全長35メートル、全幅15メートル、全高10メートルの設定があるらしい。描写と設定の大きさが逆転するという珍しいパターン……。

 3倍設定では45メートルないし54メートル程度と、いづれにせよ小型の砲艇程度か。外付けの推進部と言うのは極めて珍しく、対空系の小砲塔を引っぺがして舟艇に仕立て上げたという説明も出来る。普通に独特な形の大型艦用シャトルと説明した方が合理的だが。

 

 

 なぜ偵察衛星攻撃にデスバテーターを用いなかったのかは不明

 大きさや打撃力から言ってもデスバテーターは使いやすい部類に入るだろう。大きさから言って、メダル―ザの背中に張り付けて持ってきてもおかしくはない。何ならちょぼちょぼ補給しながら単機でシリウス方面軍に参加してもらっても構わないはず。

 ものすごく不格好だけど。

 

 また、ゴーランド艦にもデスバテーター的外見のシャトルがあり、このシャトル武装があっても不思議ではなかった。そういった舟艇を出しても構わないだろう。メダル―ザだって旗艦級戦艦なのだから、長官艇みたいなシャトルがあって不思議はないはず。もっと言えば、普通に駆逐艦を前進させればいいのに

 にもかかわらず、わざわざこの小型砲艇を出した理由は……

 

 


 ものすごく拡大した解釈をすると、前述の通り、メダル―ザ専用舟艇という可能性がある。その試験運用の為に出撃させた。あるいは、大戦艦専用の舟艇。

 根拠は前述のゴーランドのミサイル艦用シャトル。これはデスバテーターをベースに直線形状を多用した――カブトエビじみたシャトルを利用していた。ヤマトだってシャトル上陸用舟艇やらコスモハウンドとか)を用いて惑星表面と艦を行き来していた為、当たり前の事と言えるだろう。

 現実としても大型の艦の場合、わざわざ港に付けずに舟艇を利用して行き来するという事は珍しくはない。特に第二次大戦頃までは。

 

 という事は、メダル―ザに専用の舟艇があっても不思議はない。また、メダル―ザは著しく個艦戦闘力に欠ける戦艦だ。それなりの攻撃力を持った舟艇を数隻搭載するということは、危険な状況ではこれを全艇発進させて身を守るという方法を取れることを意味する。

 大戦艦もどうやっても300メートルを超える大型艦である為、宇宙港に入った場合は派手に動かれても迷惑だろう。都市帝国内部や周辺、占領済み地域等で活動するにも図体がデカく、上空に留まるにせよ自分でわちゃわちゃされても邪魔。降りてこられても邪魔。下手すりゃ危険で港の安全にかかわる。まあ、宇宙港があるのかは不明だが

 何にせよ、シャトルを用意していて不都合なことはないだろう。まして武装砲艇だ、何かと役に立つだろう。

 ただ、あの艦砲を見る限りは地球艦隊にはあまり通用しそうもない……

 

 

 

 小型砲艇の立ち位置はやはり、メダル―ザの舟艇というのが相応しいだろう。また、ゴーランド艦でみたシャトルの後継という事も考えられる。少なくとも、メダル―ザやシリウス方面軍の特殊事情を踏まえた設計といえる。

 だから当然、都市帝国周辺に顔を見せることもないし、ガトランティスの滅亡後はその全てが失われてしまった。

 


 結局なんだか結論づけられない小型艇だ。そして、超短い記事になってしまった……