旧作ヤマト考察協会

第一作から完結編まで、旧作宇宙戦艦ヤマトを出来る範囲で現実的に考察するブログです。

ガトランティス兵器群 考察の総括


 一通りのガトランティス艦艇の描写に合わせた数値の再設定を終えて、これを総括しなければならないだろう。
 いくら描写に合わせても合理性が担保出来なければヤマトという世界観の考察において、或いはこのブログをを見ておられる諸兄淑女の方々がヤマト作品を鑑賞する上、あるいは二次創作における世界観の補強が不完全になってしまう。
 それはこのブログの趣旨とは正反対の方向性である。厳に慎まなければならない。

 

 

 

 設定値と描写の乖離
 ガトランティス艦の設定値はさほど大きくない。理由は、感覚的に巨大に思えて感覚的に納得できる数値という事だろう。キロ超えの戦闘艦なんて、普通はイメージできない。だって、実在しないのだから。

 そのおかげで、ガトランティス艦の全長が中途半端になってしまった


 ガトランティスより脅威ある勢力にするには、地球を威圧するにはより大型である必要が有ると考えても演出的には無理からぬこと。

 ガミラスは双方とも実は総力戦という事もあってか、割合描写が設定値より小型。暗黒星団帝国の場合は横幅が大きい為、割合小さい艦はあっても設定値でさほど問題はない。ディンギルは火力担保の為の割合に大型なライン。と、ガトランティス艦艇のみが突出して設定値と描写が離れてしまっている上に根拠が――使える使えない以前に何となく地球より大きい程度で妥当性が薄い
 仕方がないといえば仕方がないかもしれない。これぐらい齟齬があった方が考察する側としては楽しいといえなくもない。が、返す返すも何ともむなしさが漂う

 

 

 

 妥当化(再設定)、その様相と根拠

 他方で、再設定した全長はシリーズを通して最大級に近い。

 全般的に艦橋描写が大きく、また兵装過多な面があることが原因である。

 艦橋が非常にコンパクトに描かれているガミラス艦とは非常に対照的で、暗黒星団帝国のように幅が全長とほぼ一致するような容積確保できるような艦容でもない。ガトランティス艦はものによってはスマートな地球艦隊以上にスマートであったりもする。
 艦橋描写の過剰な広大さはヤマトⅢにも見られるが、ところがこれは上方向あるいは奥行きに関する広大さであり、横幅という意味ではさほどの広さはない。元々の設定値もかなり一部を除き案外大型。


 だが、ガトランティスはこれら以上の巨大な艦橋描写であるにもかかわらず――もう一度述べるが、中途半端な全長

 である為、再設定が必要となった。

 


 艦橋描写を用いて予想した妥当な再設定値において、最大の薄弱な根拠を有するのは大戦艦と、大戦艦の値から相対的に設定した駆逐艦である。

 前者は約1キロが妥当としたし、後者は300メートル超えの巨艦とした。全部描写の、ディテール的な一致を求めたからの値であり、これを補強するのは実際的に運用可能な超大型空母の数値や土方総司令の副官の「地球艦隊のそれをはるかに上回る大型艦」という発言に依る。


 反対に、前述の超大型空母に関しては、まずデスバテーターを飛ばせることを大前提に値を設定した。次いでデスバテーターを大量に積める事を目指した。これが非常に面倒な作業であったが、まあ全長2キロぐらいあったらちょうどいいだろうと値を設定できた。他方でアンドロメダも艦橋描写と艦載機をそれなりに詰めるような最小値約700メートルを策定。大戦艦はまさにこの数値の中間から小型よりに値を設定した。1キロでもはるかに大型という表現には合致するだろう。

 

 再設定において非常にネックになったのがデスバテーター

 この超大型機を載せるのが難儀であった。しかも大型である必要性が、絶大な雷撃力と航続距離の確保と結構正当な理由を上げられる。暗黒星団帝国の保有する何でそんなに大型なのか理解に苦しむ戦闘爆撃機も非常に大型で存在が疑問だが、デスバテーターは割合妥当な能力に見合う設定値。これを縮小するのは困難だった。むしろ、約40メートル設定であればこそ、ガトランティスの特徴となる為縮小するには惜しい設定だった。
 このデスバテーターを基準に超大型空母や中型高速空母の妥当な値を決定、しかる後に大戦艦や値を見出す要素に欠ける駆逐艦の全長を妥当化した。

 他にも非常に巨大化した戦闘艦はいくつかある。潜宙艦とミサイル艦はそれぞれ武装を加味した上で巨大化させた。記事で述べたような能力が担保出来なければ戦闘の帰趨に寄与できない。
 どの艦も別に、私が肩入れしているから、わざと大きくしようとしたわけでは無い。これ重要

 

 

 そもそも戦闘艦がこれほど大型化した理由何か。

 以前述べた白色彗星の軌道よりある程度幅を持たせた侵攻範囲を確保するため、艦隊のみでも一定程度活動期間を確保するためとの説明が妥当だろう。

 当然、多数を集めて安全性を確保した上での戦闘がガトランティスの傾向であり、艦を大型化し火力を出来るだけ担保する事はこの安全性確保と相反しない。また、大型を維持できる理由は被征服地を徹底的に搾取しその資源を全て吸い上げることで成し遂げる。とすれば何とか説明はつくだろう。だからこそテレサが身を挺してガトランティスを滅ぼすために動いた。


 これはガトランティスの特徴と言ってよく、意地になって全長を縮小する必要はないだろう。全長を縮小する場合は数を増やすなりしなければならないが、この場合は地球も同様に数を増やさなければ勝負にならなくなる。この場合、地球も危険勢力となってしまいテレサの助力を得られないだろう。ガトランティスの場合、大型で問題ないし、大型であるからこそストーリーの整合性を担保しえるといえる。

 


 全長再設定において大型化が妥当なのはこのガトランティスディンギルと地球もともと無理がある全長設定のボラー連邦やガルマン・ガミラスもこれに当てはまるが、単なる描写の問題という方向性が異なるため省く
 これらの勢力に関しては、どれも実は本国のキャパシティがあまり高くないという特徴がある。無論、地球やディンギルとガトランティスの事情はかなり異なるが、一隻に求める能力や最低ラインがかなり高めに設定されている点は共通。武装の方向性は別にして、割合高価で専科な戦闘艦を組み合わせて戦闘を行うスタイルだ。

 いうなれば、総合力で優秀な万能艦隊の建設を旨とした国家群。


 そこそこの戦闘艦を多数集めて敵を圧迫する手法を取るガミラスやガルマン・ガミラス、どうでもいいような奴でもバカみたいな数を集めて圧迫する暗黒星団帝国であるとかボラー連邦。どれもあまり複数艦種の戦闘艦を織り交ぜた艦隊編成は見られない――つまり、艦では無く艦隊自体の性格を方向づけて、戦場によって性格の違う艦隊を派遣し分ける勢力とはかなり性格の違う勢力であろう。

 ある意味、艦隊戦においてはガトランティスなどは工夫して戦う勢力と言えるだろう。その中でガトランティスは多数の戦闘艦を揃えることに成功した傑出した帝国だと論じることが出来るまた、考えようによっては――あの大集団も実はガトランティスの国家維持スタイルからすればさほど多くない数、むしろ少ない方という説明も成り立つだろうだから艦の能力を高くなるように設定し、それなりの数を供給し、集中運用して最大限に能力を発揮させるように気を配った。と表現できる。

 

 

 全長再設定は描写と能力を鑑みて行ったつもりである

 ガトランティス艦が大型であるのは長期航洋性の確保と、物理的破壊力の確保の2点で大型化には十分妥当性を与えられるだろう。それを補強するのが劇中の描写。

 他勢力に比べてガトランティスが非常に大型であるというのは、この勢力を考察した際に考えられる様相に合致するもの、とあまり自信はないがそう申し述べる。