旧作ヤマト考察協会

第一作から完結編まで、旧作宇宙戦艦ヤマトを出来る範囲で現実的に考察するブログです。

そりゃねぇだろエピソードTOP3(ヤマトよ永遠に)

 

 

 散々な内容の多いヤマトよ永遠にである。よかったシーン、感心できるシーンもあるが、散々なシーンは非常に多い。散々な中でも、どう考えてもいらねぇ、ひどいエピソードをピックアップしたいと思う。

 

 

 

 第3位:ヤマト秘匿

 そもそも論として、必要ない。全く必要のないシーンである。話がややこしくなるだけで、意味がない。暗黒星団帝国の侵攻に備えたのであれば、合理的だがそれはあくまで長官がデスラー総統であった場合の話。ヤマトを切り札として使うのは理解できるが……到来するか判らない未来に備えて、効果的になるか微妙な方法を選ぶ合理的・論理的理由がない。

 無論、わくわく感という点においては効果があったかもしれない。ただ、2回や3回見返すと驚くほど残念なシーンであることが分かってしまい、むしろ残念なシーンになってしまう。何でヤマトを隠したのか、そもそも……擁護しようにもアクロバティックな内容になってしまうため、あんまり擁護したくないシーンだ。

 ただ単に必要ないシーンであるが同時に物語の起の部分に当たる為、見過ごすわけにはいかないが――トップ1にするほどの内容ではないだろう。

 

 

 第2位:守、自爆

 無意味、ただ衰弱死するよりかは意味があるがストーリー展開上は意味がない。長官をかばって撃たれた方がよっぽどまとまりがあった。確かに決意を持って人が死ぬ以上は、感動的なシーンという見方もあるかもしれないが、ヤマト秘匿関連シーンと同様で無かったら無かったで構わない。

 百歩譲って戦死シーンを描いた事自体には意味があったかもしれない。俗にいうナレ死をさせるよりもずっといい。それは確かにそうだろう。

 スターウォーズ エピソード8でアクバー提督の戦死があったのだが、これは説明で割愛されてしまった。元帥たるアクバー提督の戦死であれば、出来れば壮大な戦闘シーンを見せてほしかったが……それに比べれば、守の自爆も多少はマシに思えてくるかもしれない。あくまでまし程度だけど。

 ヤマトのご都合主義さを強調したのが3位のシーンであるとすれば、ヤマトの古臭い精神論の……きつい言い方をすれば軍国崇拝的側面を強調してしまうのがこの自爆シーンだ。ノミネートさせない理由がない。

 

 

 第1位:サーシャと古代のロマンス

 性格にはシーンではなく、一連のやり取りであるが――これはいらねぇ。何なら気持ち悪い。この部分は二度と見たくないレベルで気持ち悪い

 叔姪婚になるが、現代日本では認められていない。恋敵(=サーシャ。結果的だし本人に自覚は無かったようで)を創る必要性はなかったし、普通に地球に残してしまった雪を想うシーンだけで十分なのに、アルフォン&雪のロマンスに加えて二つ目のロマンスをぶち込むなんて――話の内容がとっ散らかるだけで何の意味もない。

 サーシャの残留決意を感動的にし、水晶都市への波動砲攻撃をより悲壮感と感情を込めたシーンにするための布石なのだろう。その意味は分かる、親族に恋愛的感情を抱く例があるというのもわかる。

 が、ストーリーへの投入が無理やりすぎる。製作陣の発想過程や意図が画面ににじみ出過ぎて、感情移入が出来ない。挙句に自然さがゼロである為、成長物語でもなければ甘酸っぱい初恋物語にもなっていない。たった一年で成長するというご都合主義も加わって、機意味が悪い。

 たとえるならばエロ要素の入った作品(漫画とかコミックとか深夜特撮とか)にありがちな、無意味に力業でぶち込んだエロシーンみたいなもので、雰囲気を無駄にぶち壊す。ちゃんと筋道立てて、シフトすればいいのに無理に超展開させるのだから辟易してそれ以降を見る気が失せる。だから、このロマンスは擁護のしようがない。普通に、古代が妹のように可愛がっていた姪が決死の覚悟で――あるいみ父や母の仇を取るべく突撃していった、という風にした方がよっぽど感動できただろう。それで何の問題があるのか、むしろ合理的で自然だろう。

 もう一度言うが、気持ち悪い。気持ち悪すぎてぶっちぎりの1位。文字の色を変える気力すらわかないほどアレなシーンである。

 

 

 番外編

 

 聖総統の説明

 彼、ちょっと何言ってるかわかりませんね。

 太陽系が暗黒星雲に覆われてしまったという説明は、あり得る話かどうかは別として、詐欺として不自然な口上ではないだろう。時空を飛び越えてしまった――あんまり例はないが、ずっと後の作品である『宇宙犬作戦』が類例として挙げられるだろう。正直、あり得る話かどうかは不明。

 問題はその次。ハイペロン爆弾を差し向けた事についての弁解シーンだ。

 彼はあのハイペロン爆弾を聞き分けの無い人間に対する脅してして送り込んだとしていた。聖総統がセワシ君的に未来を変えようと思って、2202年の地球へ部下を送り込んでより高度な未来を構築しようとしたという説明までは、誰もが同意できる説明だった。

 ただ、ハイペロン爆弾の操作の構造=現場と本星の二重構造は明らかに地球人を殺るつもりの構造である。脅しで、模型でもなんでもない本物のハイペロン爆弾を送り込むという冗談にしてはデンジャーな選択。安全を確保するなら、明らかにやめるべき選択肢だ。この攻撃的選択をした理由について、どんな説明をしてくれるのだろう――と期待したが聖総統、結局はぐらかして終わらせた。それじゃダメだろ。回答が微妙に論点や重点がずれてご飯論法もいいとこ、説明になってない。

 ノミネートを逃した理由は若干複雑。つまり、肝心な部分があまりにも残念な言い訳であった割に、全体としてはある程度理にかなった部分である為――惜しくもノミネートならなかった。

 

 ブラックギャラクシー

 単純に、何で暗黒銀河のルビが英語なのか……しかもカタカナ表記だから何とも言えない。何か――猛烈に蛇足感あふれるシーン。挙句真田さんは星雲って言ってたのにね。もっと言えば、暗黒銀河の英訳はDark galaxyなんですよ……。

 ただ、目についただけである為、そりゃねぇだろというほどではないかもしれない。揚げ足取りみたいなものだ。おとめ座方向40万光年以内に暗黒物質の集合体なんて無いっていう根本を度返しすればね!

 おとめ座銀河団を構成するVIRGOHI21という暗黒銀河が実際に存在するものの、これ地球から5000万光年離れてたりする。

 

 

 「あの艦隊に俺が乗っていれば……」

 島君が無人艦隊コントロールセンターで敵襲にあっていた時のセリフである。当該戦闘の考察において散々罵倒したが、したりない。だって――逆にあの艦隊に乗って君に何が出来たっていうんだい? 君、戦闘班じゃないでしょう?

 一度罵倒したシーンである為、さすがにランクインはさせなかった。ただそれだけでそりゃねぇだろ感は他エピソードと同等以上である。 

 

 

 と、ストーリー考察や戦闘考察でも何度か述べた残念シーンが混じっているし、はっきり言えばもっと残念なシーンはたくさんある。救いようのないシーンはヤマト史上、屈指の数と言えるだろう。楽しかったり、かっこよかったりするシーンもかなりあるのだが、それと同じぐらいか場合によっては凌駕するレベルで残念なシーンがあるのだ。それが〈ヤマトよ永遠に〉という作品である。

 が、あんまり並べ立てても興ざめというか、ウラリア戦役ファンに私が刺されそうなので、この辺りで打ち止めとしたいと思う。